2026-03-16
炙る
おむすびを作っていたある朝、海苔をガス台の火で炙り始めると、すぐに磯の香りがふわりと広がり、指には海苔が起き上がったかのようなシャキッパリッとした感覚が伝わってきた。長年、海苔はガスの火で炙ってから使うのが習慣になっているのだが、もしオール電化になったらどうするだろう?海苔に限らず、たたみいわしもだ。たたみいわしも食べる前にサッと火で炙っている。火が通るのが早いので、トースターだと直ぐに焦げてしまう。この先、日本の家庭の多くがオール電化になったとしたら、海苔やたたみいわしを火で炙る食文化は、消えてしまうのだろうか?これも時代の流れと言うものか…?嘗て、炭をおこし、竈で食事を拵えていた時代が、経済の発展と共にガスコンロに変わり始めた時、とまどいの声は上がったのだろうか?ガスの火で美味しいものが出来るはずがない!とか何とか…。と同時に、その変化の中で失われていった調理文化もあったのだろうか。ただ、どのような調理法になったとしても、海苔を炙った時の香ばしい香りやパリッとした食感を求める気持ちは、いつまでも残ってほしいなと願う昭和生まれの女です。
