2019-10-29
記憶の箱
人間は、幸せな出来事より悲しみや苦しみの方が鮮明に記憶に残るように思う。こてんぱんに叱られたとか立ち直れないほどの辛さを受けた時の、相手の表情や一つ一つの言葉、周囲の様子などはいつまでも鮮明であるのに対して、喜び溢れる記憶は、細かい部分は消え輪郭のみがボヤ〜と浮かぶ程度なのだ。そう言えば波乗りも、パーリングしたり波に揉まれたりした状況は、頭にも体にもしっかり染み込んでいるのに、自分史上最高に気分が良かった一本は、ただ心地良かったなぁ〜と言うだけで、波のサイズや海面などはっきり出てこない。何故か?もしかして、私が失敗を恐れてなかなか一歩を踏み出せない性格なのは、この記憶の箱の中身のせいだろうか?積極的にチャレンジ出来る人の箱は、ハッピーで溢れていたりして? 記憶の断捨離を、たまにはしてみようかな。
2019-10-23
ノリ良き
少し肌寒さを感じる日のお昼時、インスタントのお吸い物を飲もうと袋を取り出したら、何とお茶漬けの素だった。でもシンプルな海苔茶漬けだし、お吸い物とさほど変わらないだろうと勝手に納得し、お椀に入れお湯を注いだ。アラレがふやけた頃、では頂こうとお椀を持ち上げ中を見ると、端っこに細い海苔が1本、縦にスッと浮いているではないか。茶柱ならぬ海苔柱、だ。ユーモラスな偶然に、幸せの笑みがこぼれる。実際にその日の午後は、物事が比較的スムーズに進んだので、これはやはり海苔柱の恩恵だったのかもしれない。まぁ、海苔なだけに、ノリノリな感じ…。
2019-10-17
米の音
台風19号がこの辺りを通過し安堵した翌日、東北地方の映像を見て、凄まじい傷跡に愕然とした。収獲の秋なだけに、農家への打撃も相当なものなのでは…?
時は新米の季節、岩手奥州市江刺区の「ひとめぼれ」新米を頂いた。味よしツヤよし香り良し、安心して食べられるお米を届けたいとの思いから、協生農産と言って、漢方を使った特別栽培で作られたお米とのこと。まず袋の口を開けた瞬間の香りが、暖かい。太陽とか澄んだ空気とか、自然の温もりを感じられる匂い。そして一番の驚きは、研いでいる時の音。シャラ〜ンシャラ〜ンと鈴の音色のような、優しく柔らかい音がして、研いでいると言うより奏でている感じ。お米の評価に、今後は米粒から生じる音も加えてはどうかしら。
未だ停電が続き断水している地域の方々が、温かいご飯を召し上がれる日が一刻も早く来ますように…。
2019-10-10
憂うことの無きよう
備えあれば憂いなしとは言うけれど、どこまで備えれば充分なのか、何を用意しておけば憂う事が無いのか、大型の台風が発生、接近するたびに考えてしまう。以前、避難所へご家族と避難した友人は、早い時間から自宅と避難所を数回往復し、布団や衣類や食料、水などを運んだとのこと。必要最小限だけをと言われながらも、最悪な事態を考えると必要最大量となってしまいそうだ。しかも精神的に尋常ではない時に短い時間内で支度をしなければならない訳で、それを思うと、いかに日頃の用意が大切か…。しかし自分ごととしてとらえてしっかり備えるのは、いよいよ押し迫ってきてからなのだから、情けない。あれこれ考えながらも、台風19号による被害が少ない事を祈るばかり…