2020-02-28
時代をのぞく
空気が乾燥していると、飴を舐めたくなる。先日、パインアメを一つ、頂いた。真ん中に穴の空いた、黄色が鮮やかな、缶詰のパイナップル味そのままの飴。個包装の透明の袋には、赤、黄、緑色のカタカナでパインアメの文字が散らばり、字体やデザインがどこか懐しい。製造所を見ると、何とパイン株式会社とある。とすると、このパインアメありきの企業なのだろうか? この穴空きパインアメは、昭和27~8年頃から販売されていたようで、食料事情厳しくも、缶詰のパインの美味しさを皆んなに味わってほしいとの思いから、その形に似せて作られたのだとか。パイナップルそのままの形でなかったのは、当時の日本で生のパイナップルは、まだ珍しかったのかもしれない。アメ粒の小さな穴から、日本の食事情が見えてきそう。
2020-02-21
鳥恵
初めて、大船仲通り商店街の鳥恵へ入った。夕方の開店前からいつも地元の方の列が出来ている、昭和の雰囲気漂う人気の居酒屋さん。隣には鶏肉販売専門店が併設されている焼き鳥のお店ではあるけれど、新鮮なお魚を食べられる事でも知られているのだとか。店内の黒板には、その日のお奨めの魚を使ったお刺身や天ぷらが沢山書かれている。しかしこの日は初回なので、焼き鳥でいこう!となり、とりねぎ、レバー、ナンコツなど幾つかを塩で注文。レバーには全く臭みが無く、柔らかな甘さと程良い苦味が合わさってとても美味しく、肉の新鮮さが伝わってきた。定番のポテトサラダは、居酒屋さんの割にサッパリとした味付けで、じゃが芋や他のお野菜の味が生きている感じ。一皿一皿の盛りと店員さんのノリ、どちらも良く、若い店員さんは日本酒の事を聞かれて分からなければ、忙しくても板前さんなどに詳しく聞いて下さった。庶民的でありながら、細かいところの気配りがしっかりとしている。居心地、食べ心地、飲み心地、全て良き一夜でした。
2020-02-17
Future
由比ヶ浜の坂の下ポイントで、フォイルサーフィンを見た。これまでヨットやウインドサーフィンのフォイルは見た事があったけれど、サーフィンは初めて。その姿は、波乗りと言うより波滑りと言った感じ。このフォイルサーフィンは、ボードの下に取り付けられた水中翼によって水面下のウネリの力をとらえ、揚力が生じ、ボードがフワリと浮く仕組みらしい。しかもスピードにのれば波が無くても進めるようで、いきなり平らな海面を沖へと走っていったりして、驚いた。これを見て頭に浮かんだのが、映画「Back To The Future」のスケートボード(ホバーボード)のシーン。地面からボードが浮いて走る、あの様子にソックリ。嘗てはあり得ないと思っていた物(空飛ぶ車も!)が、僅か数年で現実になりつつある今、ウォータースポーツもこの先、どう進化していくのだろう。
2020-02-07
愛とは
2年程前から両親の朝食を作っている。苦手な料理に悪戦苦闘、試行錯誤しながら、健康を考えて旬の野菜をたっぷりと、お出汁を取り塩分控えめ…を心がけている。そのせいか、父も母もすこぶる健康!、かどうかは分からないが、私にとっては、愛とは何かを知る大きなきっかけとなった。その愛とは、見えなかった母の思い。私が、嫌いだ不味いだなどと暴言を吐いたり、気まぐれに夕食を食べなかったりしても、母は毎日毎日作り続けてくれていた。多少叱られもしたが、きっとその何十倍もの言葉を飲み込んでいたことだろう。そして私は、お皿の上にのりきらなかった母の愛情をどれ程見落としてきたのだろう。本当の愛とは見返りを求めないこと、そして形にも言葉にもならない、見えないところにこそ真実の愛はあるのかもしれない。Valentine dayのお返しを期待したり、見栄えの良いチョコレートにそそのかされていては、本当の愛は掴めない…?