2021-09-28
Jelly
夏の様な陽射しが嬉しい平日の昼下がり、鎌倉坂の下海岸へ行った。潮が満ちる夕方前から少しサーフィンができそうだと、波待ちしつつ浜を歩く。夏ほどではないものの、汗が滲む暑さを、サラリとした風が和らげてくれる。裸足で波打ち際を歩けば、チョーキモチイイ!と心が叫ぶ。冷た過ぎずぬる過ぎず、今の季節の海水はとても心地好く、足に触れると微かにトロミが感じられる。当然、とろみなどあろうはずはないのだけれど、冬のようにサラリとは流れず、真夏のようなモッタリ感もなく、中間のややトロンと滑らかな感触の海水…。大袈裟に言うならば、ゼリーが僅かに固まりかけてきた、あのヤワ~とした感じだろうか。ひと匙舐めたら甘いかも…などと危険な事を思ったりして。
2021-09-21
秋のいたずら
机の上に、茹で栗が一つある。ぷっくりとした大粒で、見るからに美味しそうだ。殻を割ったらきっと、濃い黄色のホクッとした実が出てくるだろう。しかし、割れない食べられない。なぜなら、この栗は数日前に部屋を掃除していた時に出てきて、いつのものか分からないのだ。9月に入って茹でた今年の初物か、でなければ、去年の秋に食べた時にコロンと落ちて、そのまま机の下で一年が経過したことになる。割るのが、ちと怖い。栗や落花生や枝豆の殻を剥いていて、実が転がってしまい、それを「アレ?アレ〜?」なんて呟きながら、食卓の下やら小さな隙間やら探し回るなんて事が、この季節に何度かある。その時は見つからなかったのが、数日後、探した筈の所からひょこっと出てくると、何だか秋の妖精にからかわれているような気がしてくる。さて冒頭の栗ですが、一年前からの長〜いかくれんぼに、アキて出てきたようです。
2021-09-10
撮影許可
何かと写真を撮る人が増えた。お手軽にiPhoneで、本格的なカメラで、またレトロな写真機で、自撮りやら風景やら食べ物に動物と、様々写されている。しかし、多くの人間がカメラを向けるのを、他の生き物達はどう感じているのだろう? 中には、ちょっと~、撮らないでよ~、と声をあげている魚や鳥がいるかもしれない。 先日江の島ヨットハーバーの中を、写真サークルだろうか、カメラを手に数人歩かれていた。お一人が、海の中に魚が泳いでいるのを見つけ、すぐにレンズをむけたのだが、魚は深く潜ってしまった。その方は、また上がってくるだろうとレンズを向けたまま待っていたが全く気配はなく、少ししてレンズを離した。すると、ユラユラと海面へ魚が数匹上がってきた。で、またカメラを向けると、即潜ってしまう。いよいよ諦めてカメラを仕舞い、海に背を向けて歩き出したところ、魚が1匹、パチャンと跳ねあがった。さぞやこの魚、イイ顔をしていたと思う。