2022-11-28
島弁
言葉は文化であり、アートであり、土地の歴史そのものだなと、絵本「ハンケな島ことば」を読んで感じた。八丈島生まれの著者、松岡きのさんが描くチャーミングでユーモラスなイラストから発せられる八丈島言葉は、強くもあり暖かくもあり、そしてどこか雅びな響きも含まれている。解説によれば、奈良平安時代の言葉や宮仕えの人の言葉が、今も残っている、しかも日常的に使われていると言うから、凄い。1ページごとに描かれる島の生活風景には、例えば「およりやったか」や「しゃれみ−」などの言葉があり、脇の小さな訳と照らし合わせるのが、また楽しい。ハンケな島言葉を聞きに八丈島へ、いこごん!
2022-11-25
FIFAワールドカップカタール大会
ワールドカップの期間のみ盛り上がるナンチャッテサッカーファンの私でも、ドイツチームが強豪であるのは知っていた。だから、日本チームが勝つにはミラクルが起こらない限りあり得ない!と思っていた。御免なさい…。 初戦のこの勝利が、どれ程沢山のサッカー少年に希望を与えただろう。近所には夕方になると、家の門の壁に向かってサッカーボールを蹴ったり、リフティングの練習をしている男の子がいる。一度、ボールを蹴る音に混じって「ネイマール…」と呟く声が聞こえた。彼はその時、世界の名選手と対戦していたのかもしれない。今日もどこかでボールを追う子供達にとって、日本チームの活躍はきっと、世界のピッチに立つ夢を夢で終わらせない、大きな目標へとつながるものになると思う。
2022-11-15
公藝
藤沢市の片瀬山中学校沿いの道に、富士山を真正面に見られる所がある。空気が澄んだ日などそれは見事で、立ち止まって眺める方も少なくない。その絶景ポイントの前の街路樹には柵が取り付けてあり、その柵がチョコっと軽く腰掛けられるように出来ている。富士山を見る人の為に、そこだけわざわざその様な形にされたと思われる。木を守る役割と富士山を見やすいようにとの気遣いを同時に果たしているのだ。公共のモノは、無機質な機能重視型が多いけれど、こんなふうに景観や地域性を考え、尚且つ美しい作りの物に出会うと、その町の豊かさや暮らす人達の粋が感じられ、生活の中のアート鑑賞のようで嬉しくなる。民藝と言う言葉に対し、これは公藝と言ったところか。芸術の秋、身近なところを歩いて探して楽しまれては如何でしょう?
2022-11-04
ウインドサーフィンワールドカップ
今月11日から15日まで津久井浜海岸で、ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会が開催される。日本でのワールドカップは2017年、24年ぶりに三浦海岸で行われ、今年で4回目。今回は、PWA(プロフェッショナルウインドサーファーズ協会)ワールドツアー、2022年最終戦となり、ここで世界ランキングが決まる為、ウインドサーフィン界注目のレースになるとの事。しかもここ数年、道具にフォイルが加わり、弱風でもレースが出来るようになったので風待ちの時間が減り、より充実した大会になると期待されている。ただ個人的には、この風待ち時間の選手を見るのが好きだ。ヘッドフォンを着け大音量で音楽を聴く。風の変化を全身でつかみたいから、ただ静かに海を見続ける。チームテントの中でひたすら寝る。賑やかにお喋り、ゲームに興じる…などなど、緊張を強いるレース前の表情や行動は様々で、その選手のらしさや意外性が感じられ、これも風次第のウインドサーフィンならではの面白さだと思う。世界のトッププロウインドサーファーが集結する大会、お時間がありましたら是非。