2024-04-30
大型でなく
子供の頃の大型連休は、今よりもずっと少なかった世代の私。東京にある母方の祖父母の家に遊びに行く事が一番嬉しかった。特に何がある訳ではないけれど、叔母と買い物に行ったり珍しいお菓子を食べられたり、親戚が集まっての賑やかな夕ご飯だったり、夜遅くまでダラダラと過ごしたり…、少しだけ遠い場所で、少しだけ違う人達と、少しだけ違う時間を過ごすそれだけなのに、当時の私は充分連休を満喫していた。そんな、休日に対して欲の無い単純な性格は大人になってもあまり変わらず、毎年特に遠出もせず、地元の海にいつもより長くいたり、普段は時間が合わない友人と会ったり…と、今や連休は大型になったのに、内容は小型のままである。ニュースでは、このGWもハワイで過ごす日本人の多さを取り上げていたが、円安にもかかわらず、皆ワクワク幸せそうな表情をされている。最後に一言、私がこんな小型連休で満足しているのは、ハワイに行けないからの負け惜しみでは、決してありませね。多分…。
2024-04-25
山田屋まんじゅう
小田急藤沢店にあった山田屋まんじゅうが閉店してしまった。何度かおもたせにしたり、たま~に自分へご褒美に買った事がある。創業は慶応三年。愛媛県宇和町で150年以上も続く老舗であり、主に店名ともなっている山田屋まんじゅうだけを作り続ける和菓子店。この山田屋まんじゅうは極々薄い皮で、柔らかな漉餡を包んでいる。あまりに皮が薄いので、薄紫色をしたあんこ玉のようにも見える。それでいて、小豆の甘さだけでなく、まんじゅうらしい小麦の香ばしさもきちんと感じられる。大きさは直径約3㎝弱、重さ22gととても小ぶり。口にすれば餡は儚いほど滑らで、上品かつ繊細。もう一つ食べたいとか倍の大きさだったらと思いはするけれど、きっと一口ほどだから、じんわりと余韻を楽しめるのだろう。そして味もさることながら、長年に渡りただ一つを作り続ける姿勢に潔さを感じ、それも私が好むところ。
2024-04-15
ウグイスも驚く
春先に友人が、新しいショートボードを作ろうと、これまた友人のシェイパーにお願いをした。サイズやら形やら希望を伝え、色はお任せしたとの事。暫くしてシェイパーさんから出来上がったと電話があり、色は「マッチャイロにしました」と言われ、真っ茶色なんて随分と渋いの作ったよなぁ…と、少々戸惑い気味な口調で私に話した。それから数日後にお店へ出かけ、シェイパーさんが出来上がったショートボードを奥から出してきて見せてくれると…、それは鮮やかな若草色をしたサーフボード。頼んだ友人は開口一番、え?緑?と驚きの声を上げ、それに対し、「確か抹茶色にすると言ったと思うけど…イヤかなぁ…」と不安な口調で答えた。なんと、濃い茶色を示す「真っ茶色」と、鶯餅色の「抹茶色」、語尾が下がるか平板か、僅かなイントネーションの違いで、お互い別の色を思い描いていたのだ。 そのお抹茶色したサーフボードは、なかなか乗り心地よく、春の波を楽しませてくれているのだそう。
2024-04-05
荷造り
一様に登山家は荷造りが上手く、海方面の方々の荷物の詰めかたはユルイ、そんなイメージが私にはあるのだが、どうだろう。これは多分、荷物を身につけて海へ出る事がないのに対し、山は荷物を持ちながら登る為、必要なものを如何に小さく軽くまとめるかが大切であり、それが荷造りの上手さの印象に結びついているのかもしれない。勿論、重箱のお節の如く隅々までピッチリ美しく衣類やら小物やらを詰められるサーファーもいらっしゃるだろうし、リュックを開けたらビックリ箱みたいに、あらゆるモノが飛び出す、そんな登山家もおられるだろう。しかし、なぁんとなく私には、山登り=荷造り上手、と思えてならない。私は自分でも呆れるほどに荷造りが下手なので、鞄に合わせ上手く詰められる人に対し、強い憧れを持っている。もし私のイメージが正しいとすると、山に登れば私も荷造り上手になれるだろうか。
旅行に出られる方が多くなる春、荷造りはお得意ですか?