作ったミルクは常温なら2時間以内、調乳後すぐに冷却・冷蔵した場合は24時間以内が目安です

赤ちゃんのミルクは、その都度作って飲ませることが基本です。しかし、夜間の授乳が続くときなどは、「ミルクを作り置きできない?」「作ってから何時間まで飲ませられる?」「冷蔵庫に入れれば翌日まで保存できる?」と気になることもあるでしょう。
作ったミルクは、常温の場合と調乳後すぐに冷却・冷蔵した場合で保存できる時間が異なります。また、赤ちゃんが一度口をつけた飲み残しは、作ってからの時間にかかわらず保存できません。
この記事では、ミルクの作り置きが何時間まで可能なのか、常温・冷蔵それぞれの保存時間や正しい保存方法、注意点について解説します。0〜2歳児の保護者62名へのアンケート結果も交えながら、作り置きに頼らずミルク作りの負担を減らす方法も紹介します。
目次
ミルクの保存状態・場所別の目安(常温・冷蔵・冷凍)

ミルクは基本的に飲ませる直前に作りますが、やむを得ず事前に調乳する場合には、保存する時間と温度の管理が必要です。常温・冷蔵・飲み残しでは扱いが異なるため、まずは保存状態ごとの目安を確認しましょう。
| ミルクの状態 | 時間の目安 | 保存・使用時のポイント |
|---|---|---|
| 調乳後、常温の場合 | 調乳後2時間以内 | できるだけ早く飲ませる |
| 調乳後すぐに冷却・冷蔵した場合 | 調乳から24時間以内 | 5℃以下で保存する |
| 調乳したミルクを冷凍する場合 | 推奨されない | 飲用目的では冷凍しない |
| 赤ちゃんが口をつけた場合 | 保存しない | 飲み残しは廃棄する |
常温のミルクは調乳後2時間以内
粉ミルクは必要なときに調乳し、できるだけ早く飲ませることが基本です。厚生労働省では、調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは廃棄するよう示しています。
ただし、「2時間以内なら常温で作り置きできる」という意味ではありません。2時間は調乳後に使用しなかったミルクを廃棄するまでの目安と考え、あとで飲ませることを前提として常温のまま保存することは避けましょう。
冷蔵したミルクは調乳から24時間以内
やむを得ず事前に調乳する場合は、70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かしたあと速やかに冷却し、5℃以下の冷蔵庫で保存します。適切に冷蔵した場合も、調乳から24時間以内に使用しましょう。
注意したいのは、24時間を「冷蔵庫に入れた時点」から数えるわけではないことです。常温でしばらく置いたミルクをあとから冷蔵し、そこから24時間保存できるわけではありません。
保存する場合は調乳後すぐに冷却・冷蔵し、いつ作ったものかわかるように管理します。保存時間を超えた場合は、見た目やにおいだけで判断せず廃棄しましょう。
調乳したミルクの冷凍保存は避ける
調乳したミルクを、赤ちゃんの飲み物として冷凍保存することは推奨されていません。冷凍や解凍の過程でミルクの成分が分離したり、品質や風味が劣化したりする恐れがあるためです。
ミルクを使った離乳食として冷凍する場合は、使用した食材や調理方法に応じた保存方法を確認しましょう。
飲み残したミルクは保存できない
赤ちゃんが一度口をつけたミルクには、唾液を介して細菌が入り込む可能性があります。そのため、飲み残したミルクを冷蔵庫へ戻し、次の授乳時に再利用することはできません。
「常温なら2時間以内」「冷蔵なら24時間以内」という目安は、赤ちゃんが口をつけていないミルクについてのものです。作ってからあまり時間が経っていなくても、一度口をつけた飲み残しは保存せず廃棄しましょう。
ミルクを安全に保存・使用するための基本手順

やむを得ずミルクを事前に作る場合は、保存時間だけでなく、調乳後の冷却方法や冷蔵庫内の温度、授乳前の温め方まで適切に管理する必要があります。調乳してから赤ちゃんに飲ませるまでの流れを確認しておきましょう。
70℃以上のお湯で調乳する
粉ミルクを作る際は、沸騰させたお湯を70℃以上に保った状態で使用します。粉ミルクは無菌ではないため、厚生労働省ではサカザキ菌などへの対策として、70℃以上のお湯で調乳するよう案内しています。
保存する予定がある場合も調乳方法は同じです。使用する粉ミルクのパッケージに記載された調乳方法も確認し、適切に調乳しましょう。
調乳後は速やかに冷却して5℃以下で保存する
事前に調乳したミルクを保存する場合は、哺乳瓶などの容器を冷水や氷水に浸して速やかに冷却し、5℃以下の冷蔵庫へ入れます。このとき、冷却に使用する水がミルクや容器内に入らないよう注意します。
冷蔵庫の扉付近は開閉によって温度が変化しやすいため、温度が安定しやすい庫内で保存しましょう。調乳した時刻を記録しておくと、24時間の保存時間も管理しやすくなります。
冷蔵したミルクは授乳前に温める
冷蔵したミルクを温める場合は、授乳する直前に冷蔵庫から取り出し、湯せんなどで温めます。赤ちゃんに与える前には、熱すぎないことを確認しましょう。
電子レンジは加熱ムラが生じ、一部だけ高温になって赤ちゃんがやけどをするおそれがあるため、ミルクの加熱には使用しません。
ミルクを作り置きするときの注意点

ミルクを作り置きする場合は、保存時間を守るだけでなく、調乳後の温度や取り扱いにも注意が必要です。特に、常温での放置や長時間の保温、飲み残しの再利用は避けましょう。
常温のまま長時間置かない
調乳したミルクを、あとで飲ませるために常温のまま長時間置いておくことは避けましょう。粉ミルクは無菌ではなく、調乳後の時間や温度によっては細菌が増殖する可能性があります。
すぐに飲ませない場合も、「2時間以内だから大丈夫」と考えて常温で保存するのではなく、やむを得ず事前に調乳する場合は、調乳後すぐに適切な方法で冷却・冷蔵します。
温かい状態のまま長時間保温しない
調乳したミルクを、あとで飲ませるために温かい状態のまま長時間保温することは避けましょう。粉ミルクは必要なタイミングで調乳し、できるだけ早く飲ませることが基本です。
冷蔵保存したミルクを温める場合も、授乳する直前に必要な分を取り出して温め、温めたあとは速やかに使用しましょう。
飲み残しを冷蔵して再利用しない
赤ちゃんが一度口をつけたミルクは、残った量が多くても冷蔵保存して再利用できません。
「常温なら2時間以内」「適切に冷蔵すれば24時間以内」という保存時間は、飲み残したミルクに適用されるものではありません。作ってからの経過時間にかかわらず、赤ちゃんが口をつけたあとのミルクは廃棄しましょう。
なぜミルクは長時間の作り置きができないのか

粉ミルクは衛生的に製造されていますが、無菌ではありません。そのため、調乳時のお湯の温度だけでなく、調乳してから飲ませるまでの時間や保存温度にも注意する必要があります。
粉ミルクは無菌ではない
厚生労働省では、粉ミルクに混入する可能性がある細菌として、サカザキ菌やサルモネラ菌などへの注意を呼びかけています。
粉ミルクを調乳する際は、沸騰させたお湯を70℃以上に保った状態で使用することが基本です。調乳後は授乳できる温度まで速やかに冷まし、できるだけ早く飲ませます。
特に未熟児や低出生体重児、免疫機能が低下している乳児では、感染すると重篤な症状につながる場合があるため注意が必要です。赤ちゃんが飲むものだからこそ、調乳後の取り扱いまで適切に行うことが大切です。
調乳後も時間と温度の管理が必要
70℃以上のお湯で調乳しても、その後のミルクを長時間保存できるわけではありません。調乳後の時間や保存温度によっては、細菌が増殖する可能性があります。
そのため、粉ミルクは必要なタイミングで作り、できるだけ早く飲ませることが基本です。やむを得ず事前に調乳する場合には、速やかに冷却して5℃以下で冷蔵し、保存時間を守って使用しましょう。
ミルクを作り置きせず負担を減らす方法
ミルクは必要なタイミングで作ることが基本ですが、毎回の調乳を負担に感じることもあるでしょう。実際にどのような作業が負担になっているのか、0〜2歳児の保護者を対象にした当社のアンケート結果から見ていきます。
アンケートでは46.8%が夜間の調乳に負担を感じたと回答
当社が0〜2歳のお子さまの保護者62名を対象に、赤ちゃんの飲み物を準備する際に負担を感じたことについてアンケートを実施したところ、「夜間の調乳」と回答した方が46.8%と最も多い結果となりました。「温度調整」と「水や飲料の買い置き」はそれぞれ33.9%、「湯冷まし」と「水や飲料の運搬」はそれぞれ30.6%でした。

特に回答が多かったのが「夜間の調乳」です。夜間は眠いなかで哺乳瓶や粉ミルクを準備し、お湯で調乳してから赤ちゃんが飲める温度まで冷ます必要があります。「温度調整」や「湯冷まし」に負担を感じた方も一定数いることから、ミルクを作る前後の工程も負担になっていることがうかがえます。
こうした負担を減らすには、ミルクを常温で作り置きするのではなく、必要なときにすぐ調乳できる状態を整えておくことも一つの方法です。
夜間に使う哺乳瓶や粉ミルクを準備しておく
夜間の調乳を少しでもスムーズにするには、授乳時に必要なものを事前に準備しておく方法があります。
清潔な哺乳瓶や必要な粉ミルクなどを準備しておけば、夜中に必要なものを探したり、準備したりする工程を減らせます。
ミルクそのものを作り置きするのではなく、調乳前の準備を済ませておくことで、その都度ミルクを作るという基本を守りながら負担を減らせます。
ウォーターサーバーでお湯を沸かす手間を減らす
当社のアンケートでは、「温度調整」に33.9%、「湯冷まし」に30.6%の方が負担を感じたと回答しています。毎回お湯を沸かし、調乳に適した温度を確認する工程を負担に感じる場合は、ウォーターサーバーを活用する方法もあります。
ハワイアンウォーターは、ハワイの天然地下水をRO膜(逆浸透膜)でろ過し、不純物やミネラル分を取り除いた純水です。硬度1mg/L未満の軟水で、赤ちゃんのミルク作りにも使用できます。
ウォーターサーバーなら必要なときに温水を使用できるため、調乳のたびにお湯を沸かす工程を減らせます。ただし、粉ミルクの調乳には70℃以上のお湯を使用することが基本です。ウォーターサーバーを利用する場合も温水温度を確認し、70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かしましょう。
作り置きに頼らず、必要なタイミングで調乳しやすい環境を整える方法の一つとして活用できます。
外出時や夜間は液体ミルクを活用する方法もある
外出時や夜間など、粉ミルクを調乳すること自体が負担になる場面では、液体ミルクを活用する方法もあります。
液体ミルクは、粉ミルクのようにお湯で溶かす必要がありません。外出時のほか、調乳用のお湯を確保しにくい災害時などに備えて用意しておくこともできます。
ただし、保存方法や開封後の取り扱いは商品によって異なります。使用する際は、製品に記載された保存方法や使用方法を確認しましょう。
ミルクはその都度調乳することが基本ですが、夜間の授乳やお湯の準備、温度調整などを負担に感じることもあります。作り置きによって調乳回数を減らすのではなく、必要なときに作りやすい環境を整えることも、負担を減らす方法の一つです。
ミルクの作り置きに関するよくある質問
ミルクの作り置きでは、保存時間以外にも、調乳前のお湯の準備や哺乳瓶の衛生管理、冷蔵したミルクの取り扱いなどについて迷うことがあります。ここでは、本文で詳しく扱っていない疑問をまとめました。
Q1. 粉ミルクを作るためのお湯をあらかじめ準備してもよいですか?
あらかじめお湯を準備する場合も、粉ミルクを溶かす時点で70℃以上のお湯を使用する必要があります。保温できる容器を使用する場合は、調乳する時点で必要な温度を保てているか確認しましょう。また、使用する粉ミルクのパッケージに記載された調乳方法にも従ってください。
Q2. 消毒済みの哺乳瓶ならミルクを長く保存できますか?
哺乳瓶を適切に洗浄・消毒していても、調乳したミルクの保存時間を延ばすことはできません。哺乳瓶を清潔に保つことと、調乳後のミルクの時間・温度を管理することは、それぞれ必要な衛生管理です。清潔な哺乳瓶を使用した場合も、保存時間と保存方法を守りましょう。
Q3. 冷蔵したミルクを温めたあと、もう一度冷蔵できますか?
冷蔵保存していたミルクは、授乳する直前に必要な分を取り出して温めましょう。温めたミルクは再び冷蔵して次の授乳に使用せず、できるだけ早く使用します。また、赤ちゃんが一度でも口をつけたミルクは、残った量にかかわらず保存せず廃棄しましょう。
(まとめ)ミルクの作り置きは何時間まで?常温・冷蔵の保存時間と注意点
作ったミルクは常温なら2時間以内、調乳後すぐに冷却・冷蔵した場合は24時間以内が目安です
粉ミルクは無菌ではないため、必要なタイミングで調乳し、できるだけ早く飲ませることが基本です。作ったミルクは常温の場合は調乳後2時間以内、調乳後すぐに冷却して5℃以下で冷蔵した場合は24時間以内が目安です。一度でも赤ちゃんが口をつけた飲み残しは、保存せず廃棄しましょう。
夜間の調乳などに負担を感じる場合も、ミルクを常温で作り置きするのではなく、哺乳瓶や粉ミルクを事前に準備したり、ウォーターサーバーや液体ミルクを活用したりする方法があります。保存時間と衛生管理の基本を押さえながら、その都度調乳しやすい環境を整えることが大切です。
・厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて」
・厚生労働省「哺乳ビンを用いた粉ミルクの調乳方法(PDF)」
・食品安全委員会「粉ミルクは無菌とは限りません!飲む直前に70℃以上のお湯で調乳し、速やかに消費しましょう」



