生後3ヶ月の赤ちゃんのミルク量は、「体重1kgあたり1日に約160ml~200ml」が目安とされています

生後3ヶ月を迎えた赤ちゃんは、心身ともに著しい成長を見せてくれます。首が安定したり、あやすと笑い返してくれたりと、その成長ぶりに喜びを感じる一方で、ミルクの量や与え方について悩むママもいるかもしれません。

この記事では、生後3ヶ月の赤ちゃんの一般的な様子を踏まえつつ、ミルクの量の目安から、母乳、そして混合栄養の場合の目安までを詳しく解説します。さらに、ミルクが足りないサインや、この時期のママが感じやすい疲れとその対処法についても焦点を当ててお伝えします。

生後3ヶ月の成長とミルクへの準備

生後3ヶ月の赤ちゃんは、新生児期に比べてさまざまな面で発達が見られます。これらの成長は、ミルクの飲み方や量にも影響を与えることがあります。

運動機能と感覚の発達

この頃の赤ちゃんは、首がしっかりと座り始め、うつぶせにすると頭を持ち上げたり、左右に動かしたりする子も多く見られます。

授乳時の姿勢も安定しやすくなるでしょう。手先の発達も著しく、自分の手をじっと見つめたり、口に持っていったりするようになります。おもちゃを握らせると、短時間ですが握ることができる子もいるでしょう。

視覚や聴覚も大きく発達します。動くものを目で追いかけるのが上手になり、色や形も認識できるようになります。ママやパパの声、周囲の音にも敏感に反応し、授乳中もキョロキョロと辺りを見回すようになる赤ちゃんもいます。

これは、赤ちゃんがコミュニケーションを取りながらミルクを飲むという、より豊かな関わりを可能にします。

社会性と情緒の発達

あやしたり話しかけたりすると、赤ちゃんは満面の笑みを見せてくれるようになります。この笑顔は、ママやパパにとって何よりの喜びであり、育児の大きな励みとなるでしょう。

また、「あー」「うー」といった意味のない喃語(なんご)を発するようになります。これは言葉の発達の第一歩であり、積極的に喃語に反応して言葉のやり取りを楽しむことが推奨されます。

生活リズムも少しずつ整ってきます。昼夜の区別がつき始め、夜にまとまって眠るようになる子もいますが、個人差は大きいものです。哺乳のリズムも安定してくる子が多く、授乳間隔が少しずつ開いてくることもあります。

これは、赤ちゃんの消化機能が発達し、一度にたくさんのミルクを消化吸収できるようになった証拠です。

【母乳・ミルク・混合】生後3ヶ月のミルク量目安と見極め方

赤ちゃんのミルクの量は、体重や成長によって個人差が大きいものですが、一般的な目安を知っておくことは育児の参考になります。

完全ミルクの場合

完全ミルクで育てている赤ちゃんの場合、ミルクの量は赤ちゃんの成長を測る重要な指標です。 一般的に、生後3ヶ月の赤ちゃんに必要なミルクの量は、赤ちゃんの体重1kgあたり1日に約160ml~200mlと言われています。

例えば、体重6kgの赤ちゃんの場合、1日の目安は960mlとなります。 この総量を1日5~6回に分けて与えるのが一般的で、1回の授乳量は150ml~180ml程度になることが多いでしょう。 授乳間隔は3~4時間程度が目安ですが、赤ちゃんの空腹サインに合わせて柔軟に対応してあげましょう。

ミルクの量の目安

目安量/回数 やっぱ
1日の総量 体重(kg)×約160ml 例:体重6kgの場合、約960ml
1回の授乳量 160ml~200ml程度 赤ちゃんの欲しがる量に合わせて調整
1日の授乳回数 5~6回程度
授乳間隔 3~4時間程度 赤ちゃんの正しいサインを優先

これらの数値はあくまで目安であり、赤ちゃんの食欲や成長に合わせて調整していきましょう。飲む量にムラがある日もありますので、一喜一憂せず、長期的な視点で成長を見守る姿勢が大切です。

完全母乳の場合

母乳育児の場合、哺乳瓶のように直接量を測ることはできません。そのため、赤ちゃんが十分に栄養を摂れているかを確認するために、いくつかのポイントを観察しておきましょう。

生後3ヶ月の赤ちゃんは、1日に7~8回以上、欲しがる時に欲しがるだけ授乳するのが基本です。1回の授乳時間は、赤ちゃんが満足するまでを目安に、左右の乳房を交互に与え、赤ちゃんが自ら離すまで吸わせてあげましょう。

排泄の状況も重要な指標です。1日に5~6回以上のおしっこが出ているか、うんちの状態はどうかなどを観察しましょう。うんちは回数や性状に個人差がありますが、機嫌が良く、体重が増えていれば心配ないことが多いです。

最も重要な指標の一つは、定期的な体重測定で順調に体重が増えているかを確認することです。1日あたり25g~30g程度の体重増加が目安とされています。授乳後、赤ちゃんが落ち着いて満足そうな表情をしているか、ぐっすり眠っているかどうかも目安になります。

完全母乳の量の目安

目安/確認ポイント
1日の授乳回数 7~8回以上(時間に縛られず、欲しいだけ)
1回の授乳時間 赤ちゃんが満足するまで(目安20~30分)
おしっこ 1日5~6回以上、量が多く透明または薄い黄色のおしっこ
うんち 回数や状態は個人差が大きいが、機嫌が良ければOK
体重増加 1日あたり25g~30g程度、成長曲線に沿っているか(最も重要な指標)
赤ちゃんの様子 授乳後に満足して落ち着いているか、元気があるか

母乳育児のメリット

母乳は、赤ちゃんに最適な栄養バランスを提供し、免疫力を高める効果があります。消化吸収が良く、ママとの愛着形成を深めるなど、栄養面以外にも多くのメリットがあると言われています。

母乳育児は、ミルクの量を直接確認できないという点で不安を感じるママもいるかもしれませんが、赤ちゃんのサインをしっかりと観察することで、十分に足りているかを確認できます。

混合栄養の場合

混合栄養の場合は、母乳とミルクそれぞれのメリットを活かしながら、赤ちゃんの成長をサポートします。

基本的には母乳を優先的に与え、足りない分をミルクで補うのが一般的です。 赤ちゃんの飲み具合や体重の増え方、母乳の分泌量を見ながら、ミルクの量を調整しましょう。 母乳とミルクの回数やタイミングは、赤ちゃんのペースに合わせて柔軟に対応することが推奨されます。

完全母乳や完全ミルクの場合と同様に、排泄の状況や体重の増加をしっかりと確認しましょう。 混合栄養の場合、母乳の分泌量や赤ちゃんの哺乳力によってミルクの必要量が変動します。焦らずに、赤ちゃんの様子を見ながら、最適なバランスを見つけてください。

「ミルクが足りないかも?」赤ちゃんの4つのサインをチェック

赤ちゃんがミルク不足のサインを見せている場合、量や方法を見直す必要があります。特に注意したい4つのサインをご紹介します。

1.体重の増え方が緩やか、または停滞している

赤ちゃんの体重が成長曲線のカーブに沿って増えていない場合や、しばらく体重が増えていない場合は、ミルクが足りていない可能性が高いです。

定期的な健診や自宅での体重測定で、赤ちゃんの成長をしっかり確認しましょう。

2.おしっこの回数や量が少ない

1日のおしっこの回数が極端に少ない(目安として4回未満)場合や、おしっこの色が濃い、量が少ないと感じる場合は、水分や栄養が不足しているサインかもしれません。

おむつがずっしり重くなる頻度も確認の目安になります。

3.赤ちゃんが不機嫌、または活気がない

授乳後にすぐ泣き出す、指しゃぶりを頻繁にする、ぐずりが続くなど、満足していない様子が見られる場合は、ミルクが足りていない可能性があります。

また、全体的に元気がない、活発に動かない、ぐったりしている、眠ってばかりいるなども注意が必要です。

4.便の回数が少ない、または便秘気味である

うんちの回数が極端に少ない場合や、便が硬くて排便時に苦しそうにする便秘気味の様子が見られる場合も、ミルクが足りていないサインの一つと考えられます。

これらのサインが見られた場合は、自己判断せずに、早めに医師や助産師に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

特に、口の中や皮膚の乾燥、目が落ちくぼんでいるといった脱水症状が見られる場合は、重篤なサインですので、すぐに医療機関を受診してください。

赤ちゃんのサイン

サイン 具体的な様子
体重の増え方 成長曲線のカーブに沿って増えない、または体重が停滞・減少している
おしっこ 1日4回未満と少ない、または色が濃い、量が少ない
赤ちゃんの機嫌 授乳後も不機嫌、ぐずりが続く、指しゃぶりが頻繁、元気がない
うんち 回数が極端に少ない、便が硬く便秘気味で苦しそう

ママの疲れとミルクの関係は?この時期の乗り越え方

生後3ヶ月は、赤ちゃんのお世話にも慣れてくる一方で、慢性的な睡眠不足や育児の不安などから、ママの疲れが蓄積しやすい時期です。

ママの心身の疲れは、母乳の分泌量に影響を与えたり、ミルク育児における精神的な負担につながったりすることもあります。

ママの疲れのサインと原因

精神的なサインとしては、イライラしやすくなったり、気分が落ち込んだり、涙もろくなったり、育児に自信が持てなくなったりすることが挙げられます。

身体的なサインとしては、常に疲労感がある、肩や首の凝り、頭痛、食欲不振、便秘などが挙げられます。これらの疲れの原因は、夜間の授乳や赤ちゃんの夜泣きによる睡眠不足が大きく影響しています。

また、赤ちゃんのお世話は24時間体制であり、自分のための時間を確保するのが難しいことから休む時間がないと感じることも多いでしょう。

産後のホルモンバランスの変動も精神的な不安定さを引き起こすことがありますし、周囲のサポートが不足していると感じたり、「良いママ」であろうと完璧主義になって頑張りすぎてしまったりすることも、疲れを加速させる原因となります。

ママの疲れへの対処法

ママの疲れを和らげるには、睡眠確保が大切です。赤ちゃんが寝ているときは、ママも一緒に休みましょう。

家事は完璧を目指さず、宅配や家事代行も活用し、パパや家族にも頼るなど、負担軽減を工夫してください。短時間でも自分の時間を作り、リフレッシュすることも重要です。

悩みは一人で抱え込まず、家族や友人、地域の専門家などに相談しましょう。「まあ、いっか」の気持ちも大切です。育児サークルで交流したり、夫婦で協力し合ったりすることも、疲れを和らげる助けになります。

生後3ヶ月のミルクの悩み、Q&Aで解決!

生後3ヶ月のミルクに関して、ママたちからよく寄せられる疑問をまとめました。

Q1. ミルクを飲ませる間隔はどれくらいが目安ですか?

A.生後3ヶ月頃になると、胃の容量も大きくなり、一度に飲める量が増えるため、3~4時間程度の間隔で授乳することが多いです。

ただし、赤ちゃんの空腹サイン(口をパクパクする、指を吸うなど)が見られたら、時間にとらわれずに与えても構いません。大切なのは、赤ちゃんのサインを尊重することです。

Q2. 夜中にミルクをあげるべきですか?

A.生後3ヶ月になると、夜間にまとまって寝る赤ちゃんも増えてきます。もし赤ちゃんがぐっすり眠っていて、機嫌も良く、体重増加も順調であれば、無理に起こして授乳する必要はありません。

ただし、成長が緩やかな場合や、赤ちゃんの様子を見て不安な場合は、夜間授乳を継続しましょう。赤ちゃんの個性と状況を見極めることが大切です。

Q3. 飲みすぎが心配です。体重が増えすぎても大丈夫ですか?

A. 赤ちゃんは満腹になると自分で飲むのをやめる自己調節機能を持っています。 基本的には望むだけで大丈夫ですが、とんでもない体重増加(成長曲線を大きく超えるなど)が続く場合は、念のため医師や助産師に相談しましょう。

栄養の過剰摂取は、将来的な生活習慣病のリスクにつながる可能性も指摘されています。

Q4. ミルクの種類を変えてもいいですか?

A. 赤ちゃんの成長や体質に合わせて、アレルギー対応ミルクなど、ミルクの種類を変える必要が出てくることもあります。ただし、自己判断で頻繁に変えるのは避け、変更を検討する場合は必ず小児科医や助産師に相談してからにしましょう。

Q5. ミルクを吐き戻すことが多いのですが、大丈夫ですか?

A.生後3ヶ月の赤ちゃんは、胃の入り口の筋肉が未発達なため、飲んだミルクを吐き戻すことは比較的よくあります。量が多くても、赤ちゃんが元気で、体重が順調に増えていれば心配ないことが多いです。

しかし、噴水のように勢いよく吐く、何度も吐き戻す、体重が増えないなどの場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

赤ちゃんとの授乳タイムをもっと楽しむために

生後3ヶ月の赤ちゃんとの生活は、日々新しい発見と喜びの連続です。このかけがえのない時期をより豊かに過ごすために、以下のヒントを参考にしてみてください。

赤ちゃんの成長はあっという間です。写真や動画で記録を残したり、育児日記をつけたりして、大切な瞬間を記憶に留めましょう。後で見返すことで、かけがえのない思い出になります。

首が安定してくるこの時期からは、少しずつ赤ちゃんとのお出かけも楽しめるようになります。短時間の散歩から始め、ベビーカーや抱っこ紐を活用し、無理のない計画を立てることがポイントです。

育児は一人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。パートナーや家族、友人に頼るだけでなく、地域の育児支援サービスも積極的に利用しましょう。

そして何よりも、赤ちゃんのお世話はもちろん重要ですが、ママ自身の心と体のケアも同じくらい重要です。休息を意識し、バランスの取れた食事やリラックスできる時間を作りましょう。

(まとめ)【生後3ヶ月】赤ちゃんのミルク量は?完ミ・完母・混合授乳の目安

生後3ヶ月の赤ちゃんのミルク量は、「体重1kgあたり1日に約160ml~200ml」が目安とされています

生後3ヶ月の赤ちゃんのミルク量は、成長や個人差によって大きく異なります。赤ちゃんのサインを注意深く観察し、欲しがる量に合わせて与えるようにしてください。母乳、ミルク、混合栄養、どの方法を選ぶにしても、ママが無理なく、愛情を持って赤ちゃんにミルクを与えましょう。

育児は試行錯誤の連続です。完璧を目指さず、自分なりのペースを見つけていきましょう。不安なことがあれば、決して一人で抱え込まず、医師、助産師、保健師などの専門家に相談してください。