1歳児の熱中症になりやすく、大人以上にこまめな水分補給が必要です

幼児の外遊びやお出かけには、水分補給がとても重要と言われています。幼児の場合、体内の水分量が大人よりも多く、水分が不足しやすいからです。
どこに行くか、何時間程度行くか等によって、必要とされる水分量は変わってきます。また季節によっても水分量は変わるため、状態に応じて量を調整するようにしてください。
公園など外で遊ぶお出かけの熱中症予防には、ミネラルを含む麦茶が良いと言われています。状況に応じて、水分の種類も選ぶようにすると良いでしょう。
目次
夏場の外遊びは「熱中症」に注意しましょう
幼児は身体に異変を感じても、自分の口でしっかり伝えることができません。そのため親が早く幼児の異変に気付く必要があります。
お出かけする際、幼児にどんな異変があるかわかりません。そのため水分などあらかじめ用意することが大切と言われています。とくに夏場の外遊びの場合、熱中症に注意が必要です。幼児は熱中症になりやすいと考えられています。
汗腺がまだ発達していない
深部体温を下げるためには、汗をかく必要があります。しかし幼児は、まだ機能している汗腺が少ないと言われています。
そのためうまく汗が出ないため、深部の体温を下げることができなくなります。
地面に近いところで遊ぶ
日差しが強く、暑い日は地面付近の温度がもっとも高くなっていると言われています。それは地面からの照り返しがあるからです。
幼児の場合、しゃがんで遊ぶ、身長が低いなどの理由で照り返しによる影響が強くなります。その結果として幼児は高温環境で遊んでいる状態です。
親が暑いと感じている場合、幼児はもっと暑いと考えるようにしてください。ベビーカーに乗っていても、地面には近いところにいます。夏場お出かけする際には、熱中症対策を欠かさず行うように心がけましょう。
気をつけたい「熱中症」とは
熱中症とは、気温や湿度が高い環境で、体内に過剰な熱が生じたときなどに、身体の体温調節機能がうまく働かなくなる症状です。平常時には、汗をかいたり皮膚温度を調節したりして体温を下げられるのですが、熱中症になると体温が調節できずに上昇してしまいます。
熱中症は湿度も関係しているので、真夏だけでなく気温と湿度が急激に上がる6月頃から、熱中症にかからないように注意して様子を見てください。とくに、急に暑くなった日や、湿度と気温が高い日には熱中症への注意が必要です。
赤ちゃんや乳幼児は、身体の体温調節機能が未発達の状態です。熱中症にかかりやすい赤ちゃんや乳幼児の体調管理は、大人が気をつけて対策をしてあげましょう。
熱中症の症状
熱中症の症状には、めまいがするなどの軽度なものから嘔吐や意識を無くすまで体調が悪化する場合があり、ひどいときには死に至るような場合もあります。熱中症で気をつけたい主な症状と、重症度を紹介します。
- 軽度:めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、手足のしびれ
- 中等度:頭痛、吐き気や嘔吐、倦怠感
- 重症:高体温、意識がない、全身のけいれん など
熱中症が軽度で改善に向かっている場合には自宅での手当でもかまわないとされていますが、中等度以上の症状が出ている場合には、すぐに病院で診てもらいましょう。
外遊びの場合、赤ちゃんへ与える水分も選びましょう

麦茶が最適
お出かけする際の水分ですが、外でたっぷり遊ぶ場合には麦茶がよいと言われています。それは熱中症対策には、水分だけでは足りないからです。
熱中症対策を行う場合、水分とミネラルを摂取することが重要と言われています。麦茶であれば、水分とミネラルを同時に補うことができます。また麦茶には、カフェインが含まれていません。そのため幼児にも安心して与えることができます。
イオン飲料や経口補水液
脱水症状を起こしている場合には、水分だけでなく汗で失われる電解質も含んでいる経口補水液で水分補給を行いましょう。経口補水液は塩分と糖分がバランス良く含まれている飲み物です。
体液に近い成分に作られているため、水分と電解質が身体にすばやく浸透してそのまま体内に排出されずに残り、水分量を維持できます。大人から赤ちゃんまで、熱中症、脱水症の改善に適した飲み物としておすすめです。
与える量にも注意
たくさんの量を急に与えると、水中毒と呼ばれる症状に陥る場合があります。水中毒は急激に血液が薄められることによって起こると考えられています。
水中毒を起こさないようにするためにも、たくさんの量を与えるのではなく、少しずつ時間をかけて与えるようにしてください。与える量は、卒乳しているかどうか・季節・活動量などによって異なります。
そのため赤ちゃんや乳幼児の状態を見ながら、必要な水分量を調整するようにしましょう。おしっこの量が減ってきた、便秘気味などの症状がある場合には、少し水分を増やすようにしてください。
1歳であれば、卒乳していない赤ちゃんや乳幼児も多くいます。卒乳していなくても、徐々に与える水分量を増やしていきましょう。そうすることで卒乳もしやすくなります。
赤ちゃんの「熱中症」のサインを見逃さないようにしよう
初期症状・対処方法
いつまでも泣き止まない、ミルクや母乳をいつもよりも多く飲みたがる、尿が少ない、頬が赤く身体が熱いなどが赤ちゃんの熱中症初期症状です。熱中症から脱水症状を起こしているかもしれないと思ったときには、すぐにエアコンの効いた涼しい場所に連れて行きましょう。
扇風機で間接的にやさしい風をあてるなど体温を下げる工夫をして、ベビー用イオン水で水分補給を行ってください。生後6ヶ月頃までの赤ちゃんは、母乳やミルクで水分補給を行います。
要注意症状・対処方法
赤ちゃんの泣き声が弱々しいときや、熱が下がらない、汗が出ない、けいれんを起こしたなどの症状があるときには注意が必要です。
足を高くして寝かせて保冷剤で首まわりや脇、太ももの付け根などを冷やすなどの応急処置をして病院へ連れて行きましょう。
乳幼児の熱中症症状
乳幼児が熱中症になったときにみられる症状には以下のものがあります。熱中症の恐れがある症状に早目に気付いて対処してあげてください。
- めまい
- 生あくび
- 頭痛、嘔吐
- 倦怠感
- 39℃以上の高熱
- 意識を失う、けいれんが起きる
熱中症の症状に気付いたら、悪化する前にすばやく適した対処方法を行います。症状がすでに悪化している場合には、救急車で病院に連れて行き、診察を受けてください。
体温を下げる
熱中症の症状に気付いたときには、日陰で風通しの良い涼しい場所に連れて行きます。衣類をゆるめ、頭を低くして寝かせたら、濡れタオルや氷、保冷剤などで首まわり、脇、太ももの付け根などを冷やすと体温が下がりやすくなります。
水分・塩分を補給する
汗を大量にかいていると、体温調節機能が低下し、体内の塩分や水分が減少している状態です。身体を冷やした後は、水分が摂れるようであればベビー用イオン水や経口補水液で水分、塩分を補給します。
充分に水分補給ができたら、そのまま安静にして回復するかどうか様子をみ見ましょう。なかなか快方に向かわない場合には、診察を受けてください。
救急車を呼んだ方がいい症状
症状が悪化していて、早く病院に連れて行かなければならない場合もあるかもしれません。すぐに救急車を呼んだ方がいい状態も、確認しておきましょう。
- 呼びかけに応えない、意識がはっきりしていない状態
- 体温が40℃近くまで上がった状態
- 身体が熱いのに汗が出ていない状態
対策をしながら、赤ちゃんとのお出かけを楽しみましょう
お出かけする際には、水分以外にも洋服や紫外線対策も注意するようにしてください。夏場であれば、汗を吸収するような衣類を選びましょう。また汗をかいた後のお着替えも忘れないようにしてください。
それ以外の季節も、たくさん遊んだ後は汗をかく場合もあります。そのため赤ちゃんや乳幼児には、どんな状況でも対応しやすいように羽織などで調整するようにしましょう。寒いからと言って、たくさん着込んでしまうと汗をかき、発熱などの原因になる恐れもあります。
赤ちゃんや乳幼児とのお出かけには万全の準備をして、お出かけを楽しむようにしましょう。また赤ちゃんや乳幼児の水分ばかりに気をとられて、自分の水分摂取を忘れないようにしてください。親が体調を壊しては、せっかくのお出かけも楽しめないため注意しましょう。
(まとめ)1歳児の熱中症対策は?水分補給の方法が知りたい
1歳児の熱中症になりやすく、大人以上にこまめな水分補給が必要です
熱中症は、主に気温と湿度が高い環境で起きやすいです。とくに夏の外遊びは熱中症になりやすく、急に湿度、気温が高くなる6月頃にも注意が必要とされています。
熱中症になると、元気がなくなる、嘔吐するなどの症状が起き、重度の場合には意識を失ったりけいれんが起きたりすることもあります。乳幼児は体温調節が上手にできないので、暑い日などには熱中症にならないようしっかり対策を行ってください。
麦茶や水などでこまめに水分補給を行い、洋服や紫外線対策にも気をつけて熱中症対策を万全な状態にすれば、お出かけももっと楽しくなるでしょう。
- 日本医師会「乳児の熱中症について」
- 弘前市「乳幼児の熱中症を予防しましょう」
- メディカルパーク湘南こどもクリニック「子どもの熱中症にご注意!」
- 消費者庁「Vol.593 子どもの熱中症対策を心がけましょう!」
- 熱中症ゼロへ「 こんな人は特に注意!「子ども」」