チェイサーは二日酔いや脱水症予防と同時に、お酒を美味しく楽しむ目的でも活用されています

お酒と一緒に飲むチェイサーと聞くと、お水を連想する方は多いでしょう。実際、チェイサーとしてお水が選ばれることが多いですが、必ずしもお水である必要はありません。

この記事では、チェイサーの基礎知識についてわかりやすく解説します。どのような目的で飲まれているのかを知ることで、お水以外が選ばれる理由も理解できるようになります。

普段からお酒をよく飲み、チェイサーの選び方で迷っている方は、この記事を通してチェイサーの知識を深めてください。最後までお読みいただくことで、お水以外で自分に合ったチェイサーを見つけられるでしょう。

チェイサーとは

チェイサーとは、強いお酒と一緒に飲む飲み物のことです。強いお酒の合間にお水を飲むのが一般的ですが、必ずしもお水とは限らず、ソフトドリンクや軽いお酒もチェイサーに含まれます。

例えば、テキーラ・ウイスキー・焼酎などの蒸留酒の合間に飲む飲み物として活用されています。蒸留酒とは、原料を発酵させて蒸留したお酒のことで、アルコール度数が高いため、ストレートで飲む場合はチェイサーを挟むことがあるのです。

また、日本酒やワインなどの醸造酒でも、チェイサーは欠かせない存在です。日本酒や焼酎の場合は、チェイサーのことを「和らぎ水(やわらぎ水)」と呼んでいます。

チェイサーは、英語の「chase」が語源です。チェイスは「追いかける」を意味し、「chaser」が「追跡する人」を指すことから、強いお酒を追いかけるように飲むためにチェイサーと呼ばれています。

チェイサーの役割

チェイサーは、強いお酒を楽しむためや、快適に飲むために活用されています。目的があって強いお酒と一緒に出されるものなので、その役割を理解しておきましょう。

悪酔いや二日酔い防止

チェイサーは、お酒を飲む際の悪酔いや二日酔い防止の役割があります。お酒の間にチェイサーを挟むと、お酒の量を抑える効果や、胃の中のアルコール度数を下げる効果が期待できるからです。

悪酔いとは、お酒を飲んだ直後に血中アルコール度数が高くなり、不快な症状があることを指します。一方で二日酔いは、翌日に血中アルコール度数が下がったときに不快な症状が現れる違いがあります。

悪酔いや二日酔いは、アルコールの強さではなく、お酒の飲み過ぎが原因です。肝臓のアルコール処理能力を超えてお酒を飲むと、血液中にアセトアルデヒドがたまり症状を引き起こすと考えられています。

しかし、悪酔いや二日酔いの詳しいメカニズムは不明な点が多いです。二日酔い時に血中でアセトアルデヒドが検出されることは稀で、自律神経やホルモンバランスの変化、アセトアルデヒドの後遺症などが複雑に絡み合っていると考えられています。

二日酔いの症状としては、頭痛・吐き気・嘔吐・胃痛・悪寒などがあります。多くの場合24時間で軽減しますが、悪酔いや二日酔いを防ぐには、お酒を飲みながらチェイサーも挟み、お酒の量を減らすことが重要です。

特に日本人は、欧米人と比べるとアルコールを分解する能力が低い傾向があります。お酒を飲むと顔が赤くなりやすい方や、翌日に二日酔いになりやすい方は、お酒の合間のチェイサーをぜひ取り入れてみてください。

脱水症状防止

チェイサーは、飲酒中の脱水症状防止の意味もあります。アルコールには利尿作用があり、尿量が増えて脱水症状になりやすいため、お酒の間にチェイサーを挟むことで、水分補給が可能です。

さらに脱水症状になると、悪酔いや二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解がしにくくなります。飲酒中の脱水を防ぐには、チェイサーに加えて水分が多い食事やおつまみをとるのも効果的で、シメの味噌汁もおすすめです。

味覚のリセット

チェイサーには、飲酒中の味覚をリセットさせる目的もあります。お酒の合間にチェイサーを挟むことで、口の中がリフレッシュされ、次に飲むお酒をより美味しく感じられるため、おすすめです。

アルコールを使った動物実験では味覚の変化が確認されており、アルコールをお水ですすぐと神経興奮が鎮まることがわかっています。舌の知覚神経の影響は、アルコール濃度が高くなるほど最大となり、塩分や酸に対する反応が減少することが判明しました。

また、人を対象とした調査でも塩味を感じにくくなることが示されています。この調査では、日本酒の摂取前と後の味覚や嗜好の違いを成人男女10名で調べたもので、お酒を飲むと塩味を感じにくくなる一方で、だしを加えると影響が少なくなることがわかりました。

これらの調査により、お酒の合間にチェイサーを挟むと、味覚に良い影響を与えることがわかります。特に、ウイスキーやブランデーのようにアルコール度数が強いお酒は、舌が麻痺してきて味覚が落ちるため、チェイサーを挟む飲み方はおすすめです。

またチェイサーは、お酒と一緒に食べるおつまみの味にも影響を与えます。お酒を飲むと塩辛いものが欲しくなりますが、塩分濃度が高くなると体への負担が増すため、チェイサーで口の中をリセットすると良いでしょう。

風味を広げる

チェイサーは、ウイスキーと一緒に飲まれることがあります。これは、間にチェイサーを挟むことで、ウイスキーの風味や香りの変化を楽しめるからです。

ウイスキーのロックやストレートをバーで注文すると、何も言わなくても一緒にチェイサーが出てくることがあります。それくらい、ウイスキーとチェイサーは相性が良い飲み物ということです。

お水以外にもあるチェイサー

チェイサーは、お酒を飲む際の二日酔いや脱水症状を予防する目的と同時に、お酒を美味しく楽しむ意味でも活用されています。そのため、チェイサーはお水以外も活用されており、お酒との相乗効果をぜひ楽しんでみてください。

例えばチェイサーを、炭酸水・お茶・コーヒーなどにする場合があります。

ウイスキーと相性が良いチェイサー

香りが豊かなウイスキーには、香ばしいほうじ茶がよく合います。また、意外な組み合わせですが、ウイスキーに牛乳のチェイサーを組み合わせる方法もあります。
ウイスキーは香りや刺激が強めのお酒ですが、チェイサーとして牛乳を飲むと刺激をやわらげてくれます。寒い季節には、ウイスキーにホットミルクを組み合わせるのも良いでしょう。

麦焼酎と相性が良いチェイサー

麦焼酎にはアイスティーのチェイサーがおすすめです。また、麦焼酎は組み合わせるチェイサーの種類を問わないメリットもあります。

例えば、麦焼酎に組み合わせるチェイサーとしては、炭酸水・オレンジジュース・グレープフルーツジュースなども相性が抜群です。麦焼酎の香ばしい香りと、コーヒーの香りを一緒に楽しむ方法もあります。

カクテルの組み合わせでチェイサーを選ぶ

カクテルを作る際の組み合わせでも、チェイサーの種類を選ぶことができます。

例えば、バーボンと牛乳を混ぜると「カウボーイ」、テキーラとトマトジュースを混ぜると「ストローハット」、ジンとトニックウォーターを混ぜると「ジントニック」というように、それぞれ相性が良い組み合わせです。

ビールにビールのチェイサー

過去には、ビールの合間に飲むチェイサーとしてのビールが発売されたことがありました。

すでに完売済みで購入はできませんが、商品として販売していた経緯から考えると、苦みの強いビールと軽い飲み口のビールを組み合わせるという楽しみ方はおすすめです。

ワインに合うチェイサー

ワインは香りや風味を楽しむお酒のため、お水のチェイサーを組み合わせるのが一般的です。一方で、味や香りのついたチェイサーとは相性が悪くなります。

口の中をサッパリとさせたいときは、ワインに炭酸水のチェイサーがおすすめです。炭酸水は口の中を洗い流す働きもあるため、タンニンが歯に付着する予防にも役立ちます。

国によってチェイサーも違う

国によってチェイサーの種類が異なるため、お酒との組み合わせ方で迷ったら、それぞれの国のチェイサーを参考にするのも良いでしょう。お水以外の組み合わせを楽しみたいときの参考にしてください。

メキシコ

メキシコでは、アルコール度数が40度前後あるテキーラがよく飲まれています。テキーラと組み合わせることが多いチェイサーは、「サングリータ」と呼ばれます。

サングリータは、メキシコでは伝統的なチェイサーです。日本のメキシコ料理店でもチェイサーとして提供されることがあります。

サングリータは、トマトジュース・オレンジジュース・ライムがベースになったソフトドリンクです。見た目はトマトジュースに似ていますが、特に決まったレシピはなく、タバスコや胡椒などのスパイスを加えることもあります。

トマトジュースに似た味わいのため、トマトジュースが苦手な方には合わないかもしれません。しかし、テキーラとの相性は抜群で、サルサソースを思わせる味わいのため、スッキリとした飲み口が特徴です。

テキーラとサングリータはどちらも美味しい飲み物なので、それぞれ味わいながら楽しむ飲み方がおすすめです。メキシコでも伝統的なチェイサーを提供するお店が減少しているため、ぜひチャレンジしてみてください。

イギリス

イギリスの場合は、通常のチェイサーとは逆の意味があります。弱いお酒の後に飲む強いお酒のことをチェイサーと呼ぶため、注意が必要です。

例えば、ビールを飲んだ後に、アルコール度数の高いウイスキーを飲むことがあります。イギリスでチェイサーを注文すると、お水やソフトドリンクは出てこないので、それぞれの名前で注文する必要があります。

(まとめ)お酒を飲むときのチェイサーは水が良い?チェイサーの意味と役割を解説

チェイサーは二日酔いや脱水症予防と同時に、お酒を美味しく楽しむ目的でも活用されています

強いお酒を飲むときは、ぜひチェイサーを取り入れてみてください。お酒を多く取りそろえるバーでは、チェイサーの名前でも通用する可能性があります。

ただし居酒屋などでは、チェイサーという名前が通じない場合があるので、そのときは「お水をください」と注文するとよいでしょう。チェイサーを注文することで、お酒の飲み方を心得ている人だと認識され、お酒の通だと思われるかもしれません。

チェイサーを取り入れると、体に優しいお酒の飲み方となり、お酒の香りや風味も豊かに感じられるでしょう。強いお酒を飲む際には、ぜひチェイサーを取り入れてみてください。

【この記事の執筆】

hawaiiwater

ピュアハワイアンWebマガジン編集部

この記事は、ピュアハワイアンを提供する株式会社トーエルの編集部が監修しており、ウォーターサーバーについて役に立つ情報発信を目指しています。

ピュアハワイアン(ハワイアンウォーター)について詳しくはこちら

便秘解消には水分補給をしましょう 特に女性は多く抱えている便秘の悩みですが、これを解消する … 続きを読む こまめな水分補給でスッキリ便秘解消