授乳中のダイエットは、食事制限よりも水分補給と運動が大切です
出産しても妊娠前の体型になかなか戻らなくて困っているママも多くいます。しかし授乳中の極端なダイエットは、リスクが高いと言われています。
授乳中は、普段以上に栄養が母乳として奪われてしまい栄養不足の状態です。そのためダイエットで食事制限を行えば、さらに栄養不足はひどくなるでしょう。
そのため授乳中は食事制限ではなく、水分補給や適度なエクササイズでダイエットに取り組むようにしましょう。授乳中は水分も不足しやすいため、水分補給を行うことによって、代謝をアップしやすくなると言われています。
目次
母乳育児の場合、ミネラルウォーターは控えるようにしましょう
出産したからと言って、妊娠前の体型に戻る訳ではありません。妊娠によって腹筋はゆるんでしまうため、ポッチャリしたような印象になってしまいます。
授乳中ダイエットのリスク
授乳中は、食事から摂った栄養がすべて身になる訳ではありません。母乳として、ほとんどの栄養を赤ちゃんに与えています。食事制限を行えば、赤ちゃんの栄養も不足してしまうでしょう。その結果、赤ちゃんの発育にも影響を与えかねません。
そのため授乳中は、食事制限によるダイエットは行わないでください。
授乳で消費されるカロリー
日本女性は1日に平均で780mlの母乳が出ると言われています。この1日の授乳量により消費されるカロリーは約517kcalとされているので、授乳前よりも授乳中の1日のカロリー消費量は多くなるということです。
いつもと変わらない食事でも、摂取エネルギーより消費エネルギーの方が授乳中は多くなると考えられます。食事などを制限して摂取カロリーを減らすことは避けましょう。
授乳中ダイエットに必要な摂取エネルギー
厚生労働省は、授乳中に体重を落としたい場合でも、授乳に必要な消費カロリー量を考えると、通常時の生活に必要なエネルギーよりも350kcal増やすべきと発表しています。350kcalは軽食1食分程度のカロリー量があるので、それだけ多めに食べていても痩せやすい状態と言ます。
授乳中のダイエットでは、栄養ある母乳で赤ちゃんの身体を育てるためにも、摂取エネルギーを無理して減らす方法はやめましょう。食事制限によってストレスが溜まる生活を送るよりも、食事量を減らさずに主食・主菜・副菜をバランス良く食べて健康的に暮らすことが大切です。
母乳育児中には、母乳に摂取した栄養と水分が使われるため、しっかり水分補給を行う必要もあります。水分補給を行うことで新陳代謝が活発になるため、カロリー消費量がアップするでしょう。ダイエット中の水分補給には、カロリーのないお水がおすすめです。
痩せやすい母乳授乳中には軽めのエクササイズが向いている
食事制限によるダイエットが行えなければ、エクササイズという手があります。ただ授乳中は貧血など、様々な症状が現れやすいです。そのためハードなエクササイズはおすすめできません。軽めのエクササイズを行い、体調を確認しながらダイエットを行うようにしてください。
また水分補給を十分に行い、基礎代謝のUPを図りましょう。基礎代謝がUPすれば、自然と体重は落としやすくなります。授乳中にもおすすめのダイエット法です。ただし授乳中の場合、ミネラルが含まれるようなお水は摂りすぎないようにしてください。
ミネラルウォーターを摂りすぎることで、母乳に影響を与える可能性があると言われています。そのため硬度が高いミネラルウォーターは、授乳中控えた方が良いでしょう。
水分補給には、調乳や離乳食にも使える「純水」がおすすめ
水分補給を行うことで代謝UP効果が期待できます。しかし授乳中の場合、水分によっては赤ちゃんに栄養を及ぼす可能性があるでしょう。そのためどのような水分を摂取するのか、前もって考えるようにしてください。
授乳中におすすめの水分
授乳中のダイエットであれば、基本的にお水が良いでしょう。しかしお水と言ってもミネラルが多く含まれているものは適していません。
赤ちゃんの臓器は未発達です。そのため過度なミネラル分によって下痢などを引き起こす恐れがあるため注意してください。授乳中は、軟水や純水を摂取するようにしましょう。コーヒーや緑茶などはカフェインが溶け込んでいます。そのため授乳中には摂取しない方が良いでしょう。
授乳中お茶が欲しい場合には、麦茶などカフェインがないものを選んでください。細菌ではカフェインが使用されていないコーヒーも販売されています。コーヒーが欲しい場合には、ノンカフェインタイプを選ぶと良いでしょう。
調乳や離乳食作もお水にこだわりましょう
赤ちゃんに与えるものは母乳以外にも吟味することが大切です。赤ちゃんの身体は、まだ小さく上手く消化吸収ができる訳ではありません。そのため調乳する、離乳食を作るなどのときには、ミネラルが溶け込んでいないものを選ぶようにしてください。
軟水でも構いませんが、できれば純水が良いでしょう。自分の身体だけではなく、赤ちゃんのことも視点に入れて、どのようなお水を摂取するか決めてください。
授乳中は便秘に注意しましょう
母乳は血液からできています。そのため授乳をすれば、水分が不足しやすい状況が継続します。
授乳中に水分が不足するデメリット
水分が足りなければ、上手に母乳を作り出すことができません。その結果、母乳が出にくい状態に陥ってしまうでしょう。そうなれば赤ちゃんの発育に影響を与えます。そのため水分は十分に摂取するようにしてください。
また水分が足りなければ、便が硬くなってしまいます。さらに妊娠によって腹筋がゆるんでしまうでしょう。そのため排便することができずに、便秘に苦しみやすくなります。
授乳中に水分を摂るメリット
授乳中に水分を摂ることで、上記のデメリットを解消することができるでしょう。母乳がしっかり出るようになれば、赤ちゃんの発育も良くなると言われています。
腹筋がゆるんでいるため力が入りにくいですが、便をやわらかくする効果は期待できます。そのため便通を促すことができるでしょう。それ以外にも冷え症やむくみの予防効果も期待できます。授乳中だからこそ、水分を多めに摂るようにしてください。
⇒授乳中の1日の水分摂取量の目安については、こちらの記事【保存版】授乳中は一日どれくらいの水分補給が必要?をお読みください。
適度な運動でダイエットを成功させましょう
授乳中のエクササイズは、かかりつけ医に相談してから行いましょう。人によっては悪露がひどく、エクササイズが禁止されている場合もあります。
エクササイズを行う時期
エクササイズを行う時期は、決まっていません。ただ産後1ヶ月はまだ状態が不安定な時期です。
そのため産後1ヶ月は、赤ちゃんのお世話だけに集中しましょう。産後1ヶ月後の検診時に問題がなければ、その後から徐々にダイエットを取り組むようにしてください。ただし少しでも体調が優れない場合には、ダイエットは中止しましょう。
エクササイズの内容
ウォーキングやヨガなどのエクササイズをムリなく行うようにしましょう。また骨盤矯正やストレッチも良いと言われています。時間があれば、それらのエクササイズを行うようにしましょう。くれぐれも無理はしないようにしてください。
授乳中のダイエットは焦らないことが大切
一刻も早くもとの体型に戻りたいと焦る気持ちもあるでしょう。しかし授乳中は、赤ちゃんが一番です。赤ちゃんのお世話をした上で、余裕があればダイエットに取り組むようにしましょう。完全母乳で育てることで痩せやすいと言われています。
授乳中はメンタルも不安定になりがちです。そのためダイエットで一喜一憂せずに、焦らず取り組むようにしましょう。
(まとめ)授乳中のダイエットは、水分が大切って本当?
授乳中のダイエットは、食事制限よりも水分補給と運動が大切です
授乳中には、摂取したエネルギーの多くが母乳になって失われます。赤ちゃんの成長につながる母乳のためには、普段よりも多くのエネルギーを摂取する必要があると言われています。
授乳中、ダイエットのために食事を制限してしまうと、母乳に含まれる栄養にも影響が出るかもしれません。厳しい食事制限はせずにバランスの良い食事を摂り、カロリーのないお水で十分に水分補給を行うことが、ダイエットと授乳に役立ちます。
赤ちゃんには、母乳を通して栄養が運ばれます。授乳中に飲むお水はミネラル成分の少ないものを選び、カフェインの入っているコーヒーなどは避けて水分補給を行うようにしてください。また、ダイエットのためにエクササイズなどの運動を取り入れることもおすすめです。授乳中には、無理をせずに余裕をもってダイエットを行いましょう。
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