乳児や赤ちゃんが水分を取りすぎると、水中毒を起こす可能性があるため注意が必要です
乳児や赤ちゃんは大人と比較すると、代謝が活発なためたくさんの水分が必要になると言われています。しかし必要だからと言って、取りすぎる乳児や赤ちゃんの体に影響をきたす恐れがあります。
水中毒や栄養不足による発育障害などです。乳児や赤ちゃんの栄養は基本的に母乳やミルクで足りていると言われています。
よって必要以上に水分を与えすぎないように注意しましょう。与える量は、少しずつ増やすようにしてください。
目次
水分の取りすぎによって、母乳やミルクを飲まなくなる恐れがあります
乳児は成年者よりも、代謝が活発に行われています。そのためたくさんの水分が必要になると言われています。
しかし水分を取りすぎると、乳児の体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
水中毒
水分を取りすぎることによって、低ナトリウム血症を起こした状態です。私たちの体は、水分以外にも適切な濃度の電解質が必要になります。
つまり水分だけを意識的に多く与え、電解質を補充しなければ水毒症に陥る可能性があります。
栄養不足
乳児の栄養はミルク等で栄養を取っています。そのため水分を取りすぎることでミルクを飲む量が減る恐れがあります。
そうなれば栄養が不足し、成長に問題を与える恐れがあります。
これらの疾患を予防するためには、適切な水分を取る必要があります。離乳食を始める前の乳児の場合、水分を定期的に取る必要がないとの意見もあります。
離乳食が始まると食事からも水分を摂取するようになる
赤ちゃんの水分摂取量は、食事の水分量とも関係しています。基本的には、ミルクや食事に含まれている水分で摂取量が足りているので、食事以外にも多くの水分を与えていると赤ちゃんが体調を崩すかもしれません。
ミルク・食事を含めた、1歳までの赤ちゃんが1日に必要な水分摂取量の目安は以下の通りです。
- 新生児(体重1kg当たり):125ml~150ml
- 3ヶ月児(体重1kg当たり):140ml~160ml
- 6ヶ月児(体重1kg当たり):130ml~155ml
- 1歳児(体重1kg当たり):120ml~135ml
水分補給のタイミングを覚えておきましょう
赤ちゃんが熱中症や脱水症にならないためには、イオン飲料などを与える水分補給のタイミングが重要です。熱中症対策に役立つ水分補給のタイミング、注意点などについてご紹介します。
飲ませるタイミングと脱水症状への注意
乳児にミルクを与え、さらに欲しがるようであれば水分をプラスするようにしましょう。またたくさんの汗をかいたときにも水分を補うようにしてください。
- 暑い日に外で遊んだ
- 入浴時間が長く、たくさんの汗をかいた
- 熱などによって、いつも以上に汗をかいた
これらのときに、少しずつ水分を与えるようにしてください。1回の水分を取る量は、おおよそ20から30mlの水分までにしてください。
夏場や汗をかいたときの水分補給
赤ちゃんののどの渇きには気づきにくいため、熱中症などにかからないようこまめに水分補給を行う必要があります。夏場は汗をかくため肌からも水分が蒸発していきます。
体の小さい赤ちゃんは、大人よりも早く水分不足になりやすいので注意が必要です。水分補給でも体力が削られてしまう赤ちゃんの場合、授乳するときやお水を飲ませるときには暑い場所を避けて涼しい場所を選びましょう。
イオン飲料と経口補水液の違い
熱中症対策や脱水症状のときの水分補給におすすめの飲み物には、イオン飲料や経口補水液があります。どちらも名前はよくきくけれど、どう違うのかわからないという方も多いかもしれません。
イオン飲料と経口補水液はそれぞれどのような飲み物なのか、その特徴を以下にご紹介します。
・イオン飲料
イオン飲料は、汗をかいて身体から失われたナトリウムやカリウムなどの電解質が含まれている飲料です。体内へ水分、エネルギーを補給しやすいため、発熱、下痢の症状が出ているときや食欲低下時に飲むといいでしょう。
・経口補水液
一般的なイオン飲料よりも電解質の濃度が高い飲料です。脱水症状の際に不足するナトリウムなどの補給に適していて、身体への吸収を高めるため糖分が少ないという特徴があります。
糖分が含まれる飲み物は、与えすぎないようにしましょう
乳児に与える水分として、お水や薄めた麦茶、番茶などがよいと言われています。赤ちゃん用の麦茶を用意する、大人用の場合は薄めるようにしましょう。果汁を与える場合には、注意が必要です。
離乳食開始前から果汁を与えることで、アレルギーを発症する可能性があると考えられています。また糖分も含まれるため、積極的に与えないようにしましょう。
果汁を与える時期は、離乳食が進んだ頃です。その頃も軽く味付け程度の分量から始めるようにしましょう。胃腸などの状態を確認しながら、量を増やすようにしてください。またジュースなどもあまりよくありません。虫歯になる可能性もあるため注意しましょう。
乳児の場合、胃腸がまだ成熟していません。そのため成長過程にあった水分を取るようにしてください。成長過程に合っていない水分を与えると、下痢などの症状が現れることもあります。はじめて与えるものは、すべて一口程度から取るようにしましょう。
乳児の体調などを確認しながら、量を増やすようにしてください。また体調が優れないときに、はじめてのものを与えることはよくありません。
元気なときに始めるように心がけましょう。
水道水をそのまま飲むのは健康を害する恐れがあります
水道水には、カルキが含まれています。乳児の体には、カルキは胃腸に負担をかける恐れがあります。水道水を与える場合には、20分以上沸騰をさせるようにしてください。きちんとカルキを取り除いてから与えるようにしましょう。
またカルキを取り除いた後は、できる限り早く飲むようにしてください。時間が経つことで雑菌が増えてしまうため、乳児には飲ませないようにしてください。さらに沸騰しているため、きちんと冷ましてから与えるようにしましょう。熱いままだと火傷する可能性もあるため注意してください。
乳児の体のために、殺菌などをきちんと行うようにしましょう。乳児に負担がかからない水分を取るように心がけてください。
ウォーターサーバーを導入すると便利
ウォーターサーバーは、温水、冷水をいつでも簡単に使うことができます。ウォーターサーバーのお水は塩素や雑菌などの不純物がなく安心かつ安全なので、白湯や赤ちゃんのミルクを作るためにわざわざお湯を沸かす必要もありません。
(まとめ)乳児や赤ちゃんが水分を取りすぎると身体に悪いの?
乳児や赤ちゃんが水分を取りすぎると、水中毒を起こす可能性があるため注意が必要です
乳児や赤ちゃんは大人よりも代謝が活発なため、失われた水分の補給が必要です。ところが、乳児や赤ちゃんが水分を取りすぎると、体内に必要なナトリウムなどの電解質が不足する水中毒や、ミルクを飲む量が減り栄養不足になる恐れがあります。
ミルクや食事からでも通常で必要な水分は補給できているので、水分をあげすぎるのはいけません。夏場や入浴後、発熱時などの汗をかいたときには、脱水症状や熱中症予防に少しずつお水を与えるようにしましょう。
- 一般社団法人 西彼杵医師会「乳児・幼児の水分管理」
- 和光堂「赤ちゃんの水分補給」
- 福岡市水道局「水道水をもっとおいしく飲むには」