1歳児の水分摂りすぎは、「水中毒」への注意が必要です

1歳の子供の場合、水分を摂りすぎる可能性は低いと言われています。ただし、ゲップをしているのに与えることによって、水分の摂りすぎになる恐れがあると考えられています。
極端に水分を摂りすぎることによって、水毒症になる危険性があります。水分は直接飲むだけでなく、食事によっても補給することはできています。
食事を摂ることで、身体のナトリウムやカリウムのバランスを整えてくれる作用があります。汗を多くかいた日には、お水だけでなくナトリウムなども摂るように心がけましょう。
1歳にはカフェインを摂りすぎないようにしましょう。
目次
水中毒によって、下痢や嘔吐などの症状が現れます
水分の摂りすぎによって、身体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 息切れ
- 頻尿
- むくみ
- 下痢
- だるさ
これらの症状が引き起こされると言われています。生命維持にも影響を及ぼす症状として、水中毒があります。水中毒は、低ナトリウム血症と呼ばれる病名です。水分を過剰に摂ることに、体内のナトリウムの濃度が低下してしまいます。
体内にはナトリウムやカリウムなどのバランスを保つことによって、正常に機能しています。ナトリウム濃度が低下することによって、体調に異変をきたすと言われています。
低ナトリウム血症の状態が軽度であれば、とくに症状は現れません。そのため重症化してから気がつくことが多くあります。重症化すると、意識不明や肺水腫などの症状に陥り、生命に関わる場合もあります。
この水中毒は、水分の摂りすぎだけで引き起こされる症状ではありません。実は、粉ミルクをきちんと調乳しないことでも引き起こされると言われています。粉ミルクを与える場合には、説明書通りのお湯で調乳し飲ませすぎないように注意しましょう。
内臓が未発達のため、カフェインや糖分は摂りすぎないようにしましょう
1歳に与える水分は、お水がいいと言われています。それは1歳の胃や腸などの臓器は、まだ成熟していません。
そのため刺激が強い飲み物によって、負担がかかる可能性があります。たとえばカフェインや糖分が含まれる飲み物は控えた方がよいと考えられています。
カフェイン
1歳の場合、カフェインを上手く消化吸収することができないと言われています。その結果としてカフェインによる影響が長く続く可能性があります。
カフェインが持つ興奮作用や覚醒作用、利尿作用によって、夜寝ない、夜泣きするなどの症状が現れてきます。ほかにも成長に悪影響を与えるとも言われており、カフェインが含まれる物は与えないようにしてください。
糖分
1歳頃には甘い物を好むと言われています。そのため糖分を含む物を摂りすぎることによって、それ以外の物を摂らなくなる恐れがあります。
また乳歯は虫歯になりやすいと考えられています。虫歯を予防するためには、糖分が含まれる物は避けるようにしてください。
ゲップしている場合、無理に水分を摂らせることは避けましょう
1歳の場合、水分を多く摂りすぎる可能性は低いと言われています。それは基本的にお腹が満たされると、水分を摂らなくなるからです。
しかし水分が足りていないんじゃないかと心配になりすぎるあまり、無理に水分を摂らせることによって、過剰に摂取する恐れがあります。
ゲップなどの症状がある場合には、無理に水分を摂らせすぎないようにしましょう。ただし末端がひんやりするなどの症状がある場合には、身体の中の水分が不足していることが考えられます。
内臓が未発達の赤ちゃんにはピュアウォーターがおすすめ
また便秘などの症状があるときには、水分を摂るように心がけましょう。1歳に与える水分は、ピュアウォーターが望ましいと言われています。
ピュアウォーターは、不純物が含まれていないお水です。身体に優しいお水を適正を量与えるように心がけましょう。少しでも不安がある場合には、小児科の医師に相談するようにしてください。
発熱や熱中症の場合には、脱水状態になる恐れがあります

大人の場合、身体の約60%が水分だと言われています。乳幼児は大人よりも体内の水分量が多く、身体の約80%が水分とされています。
乳幼児は成長のために新陳代謝が活発に働いているため体内に多くの水分が必要です。そのため、水分を多く摂取しなければなりません。
乳幼児に必要な水分摂取量
乳幼児が1日で必要な水分量は、1歳児で1150~1300ml程度です。通常、乳幼児の水分は、母乳や離乳食、飲み物などから摂取できます。
水分の摂取量が不足すれば、脱水症になってしまう可能性があります。乳幼児は、風邪や下痢などのときに脱水症になりやすいので、充分な水分補給が必要です。また、暑い時期には熱中症から脱水症状になる場合もあるので、気をつけましょう。
乳幼児の脱水症状
脱水症状になると、不機嫌になる、おしっこの回数や量が少なくなる、顔色が悪くなる、皮膚にしわやたるみがでるなどの症状がでます。元気がなくぐったりしている場合には、早めに病院へ連れていってください。
乳幼児の水分補給に適した飲み物
乳幼児の水分補給には、お水やお茶がおすすめです。ジュースは糖分が多いため普段の水分補給には向いていませんが、おやつの際に果物代わりに果汁100%ジュースを与えると、栄養補給にもなるでしょう。
イオン飲料と経口補水液の違い
イオン飲料とは、ナトリウムやカリウムなど電解質が含まれているスポーツドリンクのことです。スポーツ後や下痢のときなどの水分補給に適しています。
乳幼児には、糖分が多く含まれている大人用のスポーツドリンクをあげずに、乳幼児用のスポーツドリンクを与えるようにしてください。
経口補水液は、イオン飲料よりも電解質が多く含まれていて、糖度の低い飲み物です。脱水状態が気になるときには、イオン飲料よりも経口補水液を飲めば、水分や電解質を効率良く補給できます。
水分補給のポイント
水分補給は、一度にたくさんの水を飲ませないよう、こまめに水分を摂取させることが大切です。お昼寝のあとやお散歩中、お風呂のあとなど、水分が不足しがちなときに少しずつ飲ませてあげましょう。
(まとめ)1歳児が水分を摂りすぎると身体に良くないの?
1歳児の水分摂りすぎは、「水中毒」への注意が必要です
1歳児は身体の80%が水分でできているため、普段から充分な水分補給が必要です。基本的に水分の摂りすぎにはなりにくいと言われていますが、無理に水分を摂らせてしまうと過剰摂取につながる場合もあるので、気をつけましょう。
水分を摂りすぎると水中毒になり、体内のナトリウム濃度が低下してしまいます。軽度では症状がみられませんが、重症化した際には、意識不明になるなど、生命に関わるかもしれません。
1歳児が1日に必要な水分量は1150~1300ml程度と言われています。体調や気温などを考慮して水分補給を行いましょう。乳幼児の場合は、脱水症状にも注意が必要なので、お水やお茶など適した飲み物でこまめに水分補給を行うのがおすすめです。
<参考文献>
- 山梨県立病院「多飲症、水中毒とは何ですか?」
- 芦屋おく内視鏡クリニック「水中毒にご注意」
- 母子栄養協会「妊娠中や赤ちゃん、カフェインはどのくらいまで大丈夫?」
- 大正製薬「子どもの体を知っておこう」
- 一般社団法人 西彼杵医師会「乳児・幼児の水分管理」