1歳児が水分を飲まない場合でも、母乳やミルクを飲んでいれば心配せずに見守ることが大切です
1歳は断乳を始める時期です。そのため初めてミルク以外の水分を口にする子も多くいるでしょう。初めての味のため、最初嫌がる子もいるでしょう。最初の頃は嫌がってもムリに与える必要はありません。
授乳やミルクで水分を補給していれば、問題はないからです。ただし脱水症状に注意してください。徐々にマグなどを使用し、飲みやすいアイテムで水分を摂るようにしましょう。
しかし飲まないからと言って味が強いものを摂らせるのは、良くありません。味が強いものに慣れてしまうと、お水などを飲まなくなってしまう恐れがあります。
目次
授乳をしている時期は、水分を摂らなくても問題はありません
1歳児には、授乳を止めようと考えていることもあります。授乳を止める準備として水分を与えようとしている人もいるでしょう。
授乳などを行っている場合には、水分を嫌がって摂らなくても心配する必要はないと言われています。必要な水分は、授乳によって摂れているからです。
しかし授乳を止めた場合には、きちんと水分を摂らせる必要があります。そのため授乳を止める前に、ある程度水分を摂れる状況にしておきましょう。
はじめから水分を大量に摂ることはできません
大量に摂ることによって、下痢などの症状が現れる場合もあります。
まずは1さじ程度から始め、体調に変化がないかチェックするようにしてください。体調の変化がなければ、少しずつ水分量を増やすようにしましょう。
どうしても周りの子と比較しやすくなりますが、1歳の頃は成長スピードは、その子によって全然違います。そのため焦らずに、その子のペースで水分を摂らせるようにしましょう。
離乳食期の水分補給について
授乳を止めようと思う場合には、水分が足りているか不安になりますよね。体重がまだ10kg以下であれば、体重の1割程度の水分が必要と言われています。
その水分量よりも少ないと、脱水傾向にあるため注意しましょう。特に1歳児の場合、大人よりも脱水傾向になりやすいと言われています。
それは体温調節機能が発達できていないからと考えられています。また喉が渇いても自分で訴えることができないのも要因です。
そのため両親が服装などで体温調節を行い、適度に水分を摂らせるようにしましょう。
・おしっこの頻度が少ない
・オムツを替える頻度が減った
・乾燥している
・元気がない
これらの症状がある場合には、体内の水分が足りていない可能性があります。不安がある場合には、チェックするようにしましょう。
元気がないなどの症状は、病院での治療が必要になる場合があります。体調に変化がある場合には、すぐに病院で診てもらうようにしてください。
反対に脱水が不安で、大量に水分を与えすぎるのも良くありません。水分を摂りすぎることによる、水中毒になる恐れがあります。
身体の状態に合わせて、水分を摂るように心がけましょう。
熱中症と脱水症状
人間の体は、生まれたとき体内の80%が水分だと言われています。成長するとともに水分量は70%に減少して大人になると60%になります。
水分量が多い小さな子供の体は代謝が活発なので、いつのまにか汗をかいてしまい水分が不足している場合もあるかもしれません。
脱水や熱中症などのサインが見られたら、早めにケアを行い、重症時には病院へ連れていきましょう。脱水症状の症状として、発熱、下痢、嘔吐などがあります。
また、39度以上の発熱や多量の下痢、機嫌が悪い、ぼんやりしている、顔色が悪いなど、症状が重いときにはすぐに小児科を受診してください。
熱中症の症状も、脱水症状とよく似ています。小さな子供は「喉が渇いた」と伝えることができないので、水分補給が足りているか様子を見ながら、水分補給や体の冷却など適したケアをしてあげましょう。
⇒赤ちゃんの1日の水分摂取量の目安については、こちらの記事1歳のときって1日に水分をどのくらい飲むの?をお読みください。
ベビー用の麦茶やお水などから与えるようにしましょう
赤ちゃん用の飲み物には、お水、湯冷まし、麦茶、野菜ジュース、イオン飲料(電解質)などさまざまなものがあります。それぞれの飲み物の特徴を確認していきましょう。
湯冷まし
湯冷ましは、一度沸騰させて不純物を取り除いたお湯を36度程度の人肌に冷ましたものです。
日本の水道水は大人には安全ですが、消化器官が未発達な赤ちゃんには煮沸で殺菌してから飲ませた方が安心できるでしょう。
麦茶・お茶
お茶はノンカフェインの麦茶やほうじ茶を飲ませることができます。ベビー用の麦茶だけでなく、大人用でも薄めれば赤ちゃんに飲ませても大丈夫です。
イオン飲料・経口補水液
イオン飲料や経口補水液は体液の浸透圧と同程度のため、吸収が早く、すばやい水分補給に適しています。
汗をかいたときにはイオンも失われているので、イオン(電解質)や糖をバランスよく含んでいるイオン飲料での水分補給もおすすめです。
果物・野菜ジュース
果物や野菜ジュースは、甘味があるので好んで飲む赤ちゃんが多いかもしれません。ぐずっているときなどには、気分を変えるため果汁100%のジュースもおすすめです。
1歳のうちは1回に100ml以内を目安にしてジュースを飲ませましょう。
赤ちゃんは母乳や離乳食で栄養が充分に摂れている場合が多いので、基本的にはカロリーや糖分を含まないお水での水分補給がおすすめです。
哺乳瓶やマグに入れてすぐに飲めるようにしておくと便利です。
赤ちゃんの未発達の消化器官には軟水、とくに純水がおすすめです
1歳児が水分摂らない原因として、水分の種類が影響している可能性もあります。1歳の頃にジュースを与えてしまうと、そのあとにお水やお茶を嫌がる恐れがあります。
ジュースは甘く美味しいため、その方が1歳児にとっては飲みやすいものになります。しかし与えすぎてしまうことで、無味無臭のお水は拒否が強くなると言われています。
また胃腸機能が未発達なため、血糖値の急激な上昇や消化器にかかるストレスなどによって、下痢などの症状を引き起こす恐れがあります。
これらの要因から、1歳児にはお水をしっかり与えるようにしてください。できれば胃腸に負担が少ない軟水がよいと言われています。
赤ちゃんが飲みやすい軟水を選ぶことによって、下痢などの症状を引き起こしにくくなります。また軟水であれば、授乳中の身体にとっても影響はないと考えられています。
授乳する場合にも、赤ちゃんにとって最適なお水を選ぶように心がけましょう。
(まとめ)1歳児が水分を飲まないとき、どうしたらいい?
1歳児が水分飲まない場合でも、母乳やミルクを飲んでいれば心配せずに見守ることが大切です
1歳児になり、徐々に授乳を止めようとしているママもいるかもしれません。授乳を止めたあとのごはんだけでは、それまで母乳で足りていた1日の摂取水分量が足りなくなります。
そこで、水、白湯、麦茶、野菜ジュースなど、赤ちゃんが飲めるさまざまな飲み物を飲ませてしっかり水分補給をすることが必要です。
代謝のいい赤ちゃんは、いつのまにか水分不足になって脱水症状を起こしてしまうこともあるかもしれません。
授乳を止める前からコップやお椀の使い方を練習しておき、いつでも水分補給ができるように、カロリーや糖質のない安心して飲ませられる水を準備しておきましょう。
<参考文献>
- 守山市「赤ちゃんの水分補給」
- ピジョンインフォ「赤ちゃんの飲み物」
- 大塚製薬工場 経口補水液OS-1「気をつけよう!幼児・乳児の脱水症」
- 時事通信 家庭の医学「乳幼児の消化器の発達」