産褥期を避け、産後6か月までの「ボディリターン期」を意識しましょう!
産後は、体型の変化が気になりますよね。「早く元の体型に戻したい!」のが本音ですが、育児に追われる日々で自分のケアまで手が回らないのが現実かもしれません。
では、産後ダイエットには「勝負期間」があることをご存じですか?いつまでが勝負なのかと言うと、産後6か月までの「ボディリターン期」です。
この記事では、ボディリターン期を活用した効果的な産後ダイエット方法を詳しく解説します。いつまでが勝負期間なのかを知って、妊娠前の自信を取り戻す第一歩を踏み出しましょう。
ボディリターン期とは?
「ボディリターン期」とは、産後6か月までの期間を指します。特に産後3か月間は、出産によるホルモンバランスの大きな変化により、脂肪が燃焼しやすい時期だとされているため、このタイミングを逃さないようにしましょう。
産後の母体が痩せやすくなる理由は、妊娠中に溜め込んだ水分や脂肪を排出する働きが起こるためです。妊娠中は、赤ちゃんの成長をサポートし、出産に備えるために体が水分や脂肪を溜め込みますが、産後はその必要性がなくなり排出が進み、自然と体重が減少していきます。
体重を減少させる仕組みは、産後すぐに始まります。これは、子宮が収縮し悪露(おろ)が排出され、ホルモンバランスが大きく変化するためです。
産後3か月が最も痩せやすく、その後は徐々に体重が減少していきます。そのため産後ダイエットでは、産後6か月間のボディリターン期を意識することが重要です。
産後ダイエットの開始時期
ボディリターン期である産後6か月間が痩せやすいとはいっても、産後すぐにダイエットに取り組むのは避けてください。産後ダイエットを始めるのに最適な時期は、産後1か月健診を終えた頃です。
産後すぐのダイエットがNGの理由
産後すぐのダイエットを避ける理由は、産後6~8週間が「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれ、心身の回復を優先すべき時期だからです。出産によって母体は大きな変化を受け、消耗した体力を回復させる必要があります。
具体的には、出産によって大きく伸びた子宮が元に戻るために収縮します。子宮が収縮している間は、悪露(おろ)と呼ばれる出血が続くのが特徴です。
さらに、妊娠中に大量に分泌されていたホルモンが産後に急激に減少すると、情緒不安定になったり、体調を崩したりすることがあります。産褥期に無理な食事制限や激しい運動を行うと、子宮の回復が遅れ、ホルモンバランスの乱れを引き起こすリスクがあります。
産後1か月健診が目安
産後ダイエットを始める時期は、産後1か月健診以降です。産後の回復具合には個人差があるため、医師と相談しながら開始時期を決めましょう。
1か月健診では、医師が子宮の回復状況や傷の治癒具合を確認します。体の回復が順調であれば、軽い運動や食事管理を徐々に始められます。
産後ダイエットを始めるタイミングは、体調を目安に判断するようにしてください。睡眠不足が解消され、十分休息が取れていると感じたら、開始のサインです。
軽い運動ならできそうなときや、食生活を見直したいときも、産後ダイエットを始める良いタイミングです。焦らず、自分のペースで産後ダイエットを始めましょう。
ただし、帝王切開での出産や合併症があった場合は、産後の回復に時間がかかりやすい傾向があります。産後ダイエットの開始時期は産後1か月と決めつけずに、医師に相談しながら判断してください。
効果的な産後ダイエットの方法
産後ダイエットを成功させるには、以下の4つのポイントがあります。バランスの良い食事、適度な運動、母乳育児、ストレス管理で注意したい内容を紹介します。
バランスの取れた食事
産後は授乳のため約350キロカロリーの追加摂取が推奨されており、カロリー制限はできません。通常より食事量を増やしても問題ありませんが、だからといって無制限に食べると産後ダイエットが上手くいかないため注意が必要です。
成功のポイントは、母乳に必要な栄養をしっかり摂取することです。母乳の出が良いと、母乳育児で自然とカロリー消費量が多くなるため、バランスの良い食事を心がけましょう。
具体的には、主食・主菜・副菜を取り入れる食事方法です。甘いものや脂肪分の多いものは皮下脂肪になりやすいため、控えめにするのがおすすめです。
主食は、玄米や雑穀米など食物繊維が豊富なものを選ぶと、血糖値の上昇が緩やかになり、皮下脂肪がつきにくくなります。主菜は、高タンパク質で脂肪分の少ない鶏胸肉・魚・卵・大豆食品を選ぶと良いです。
副菜は、緑黄色野菜や海藻類を選ぶと、食物繊維やビタミン・ミネラルの補給に役立ちます。
適度な運動
産後の運動は、産褥体操から始めるのがおすすめです。産褥体操とは、産後数日から始められる軽い運動のことで、出産によって伸びたお腹周りや骨盤底筋を刺激できます。
入院中から行える産褥体操もあるため、医師や助産師の指導を受けながら、無理のない範囲で取り入れてみましょう。産褥体操には、子宮の収縮を助け、開いた骨盤を戻す効果が期待できます。
産褥期を過ぎて体が回復してきたら、ウォーキング・ヨガ・ストレッチなどの運動も取り入れられるようになります。ウォーキングは血行を促進させ、脂肪の燃焼を促すため、効果的な運動です。
ヨガやストレッチは、出産で開いた骨盤を整えたり、血行を良くしたりする効果が期待できます。産後3か月頃からは、スクワットや腹筋運動など、より負荷の高い運動を取り入れることができます。
母乳育児
産後ダイエットにぜひ取り入れたいのが、母乳育児です。母乳育児中は、1日に約500キロカロリーが多く消費されると言われており、適切な食事を組み合わせると、産後ダイエットに効果的です。
しかし、産後は体を回復する途中で、無理な食事制限をすると体調を崩す可能性があります。さらに無理な食事制限は、母乳の出が悪くなる可能性もあります。
そのため、無理な食事制限で痩せようとするのではなく、母乳に必要な栄養をしっかり摂り、母乳の分泌を促してカロリーを消費するのが理想的です。母乳には水分も必要となるため、こまめな水分補給もおすすめです。
リラックスした環境で授乳を行い、母乳の出を促すことも心がけましょう。
ストレス管理
産後は、慣れない育児でストレスが溜まりやすくなります。1人で育児を抱え込まず、夫や祖父母など周りの人に頼りながら、上手にストレスを発散させましょう。
ストレスが溜まると、過食につながる可能性があります。ホルモンバランスが乱れやすくなり、ダイエットが停滞しやすくなるため、趣味や運動を通して解消させましょう。
産後は育児が忙しく、自分の時間を確保するのが難しくなりますが、赤ちゃんと一緒にできるリラックス法もあります。赤ちゃんと一緒に音楽を聴いたり、アロマテラピーを楽しんだりするのもおすすめです。
ときには赤ちゃんを周りの人に預けて、友人とおしゃべりを楽しんだり、運動を楽しんだりするストレス解消法もあります。短時間でも構わないので、自分に合ったリラックス法を見つけてください。
産後ダイエットの注意点
元の体型に戻すために産後ダイエットは効果的ですが、体を壊してしまっては意味がありません。無理なダイエットはリバウンドの原因にもなるため、以下で紹介する注意点を事前に確認しておきましょう。
無理のない計画
産後ダイエットを成功させるには、目標設定が重要です。具体的な数値がわからないと、「いつまでに」や「どのくらい」体重を減らすべきか明確にならず、計画を立てにくくなります。
妊娠中は10kg前後の体重が増えますが、出産後は赤ちゃん・胎盤・羊水の排出によって約4.5kgが自然と減ります。さらに、妊娠によって増えていた血液や水分量も減るため、産後ダイエットで落とす必要がある脂肪分は3kg程度です。
産後ダイエットで実際に減らすべき脂肪量がわかると、無理なダイエットが不要であることが理解できるのではないでしょうか。「早く痩せたい!」と焦る気持ちはわかりますが、急激な体重減少は体への負担が大きくなるため、注意が必要です。
具体的な産後ダイエットの目標が決まったら、記録を残すと良いです。毎日の体重の変化、食事内容、運動内容を記録できるアプリを活用すると、管理が楽になります。
記録をつけると、産後ダイエットのモチベーションアップに役立ちます。また、体調の変化にも気づきやすくなり、体調がすぐれない日や育児が忙しい日は、無理せずダイエットを休む判断ができるようになるでしょう。
専門家への相談
産後は体調が変化しやすいため、専門家に相談しながらダイエットを進めるのが理想的です。相談先として挙げられるのは、医師・助産師・栄養士などです。
産後1か月健診や、乳幼児健診の「4か月児健診」や「10か月児健診」の機会を利用し、医師や助産師に相談できます。さらに、自治体によっては宿泊型や訪問型の助産師サポートを有料で提供している場合があります。
また、産院によっては栄養士が在籍するクリニックもあるので、産後ダイエットについて相談すると良いでしょう。専門家のアドバイスを受けると、より安全で効果的なダイエットが進められるためおすすめです。
睡眠と休息の確保
産後ダイエットを成功させるポイントのひとつに、適切な睡眠と休息が挙げられます。適切な食事管理や運動をしっかり続けていても、睡眠不足でホルモンバランスが乱れると、食欲が増えたり、基礎代謝が低下したりするため、睡眠不足はダイエットの大敵です。
産後は赤ちゃんの睡眠時間が短く、夜間の授乳が必要で、長時間の睡眠を確保することは難しくなります。そのため、赤ちゃんが寝ている時間に一緒に寝て、細切れの休息時間を確保しましょう。
睡眠不足で疲れが溜まっていると感じたら、夫や祖父母など周りの人に協力してもらい、睡眠時間を確保する方法も考えてみてください。また睡眠の質を高めることで、細切れの休息でも疲れが取れやすくなります。
寝る前のカフェイン摂取は目覚めやすくなるため、できるだけ控えてください。音楽を聴いてリラックスする方法や、夜の照明を落とす方法も、快適な睡眠対策としておすすめです。
(まとめ)産後ダイエットはいつまでが勝負?「ボディリターン期」を知れば結果が変わる!
産褥期を避け、産後6か月までの「ボディリターン期」を意識しましょう!
産後ダイエットは、産後6か月までが勝負です。この時期は、妊娠で増えた血液や水分が自然と抜けていき、さらに母乳育児でも消費カロリーが増えるため、体重が落ちやすくなります。
しかし、焦って短期間で急激に体重を落とそうとするのは避けるべきです。産後は体力の回復が最優先であり、母乳のための栄養摂取も必要になるため、無理のない正しい方法で産後ダイエットを進めましょう。