腎臓の働きに異常がある場合、バナジウムの含まれるミネラルウォーターを飲むことは良くありません
ミネラルウォーターの中には、カルシウムなどのミネラルが溶け込んでいます。ミネラルは栄養価も高いため、体を健康に導く効果が期待できます。
しかしミネラルを体内に取り入れるためには、腎臓でろ過する必要があります。そのため腎臓の働きに異常がある人にとっては、ろ過の作業が負担となる場合もあるため注意しましょう。
また腎臓が未熟な赤ちゃんにとってもミネラルウォーターは負担となる可能性があります。そういった場合には、ミネラルを排除したピュアウォーターを飲むようにしてください。
目次
バナジウム天然水とは、バナジウムというミネラル成分を含んだ天然水のことです
バナジウム天然水は、カルシウムやナトリウムのようなミネラル成分の「バナジウム」を豊富に含んだ天然水です。
バナジウム天然水にはさまざまな特徴があるので、どのようなメリット、デメリットがあるのかを紹介します。
バナジウム天然水とは?
バナジウムとは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどの体に必要なミネラル成分の一つです。
バナジウム天然水は、バナジウムを豊富に含んだ水で、血糖値やコレステロール値を下げて脂肪を減らし、糖尿病などの生活習慣病予防に役立つと言われています。
日本では富士山麓の湧き水がバナジウム天然水とされているので、ご存知の方もいるかもしれません。
これまでに、普段から富士山の湧き水を飲んでいる地域住民は、他の地域の住民よりも血糖値が低いという研究結果も発表されています。
摂取する際の注意点
バナジウム天然水を飲み過ぎると血糖値が下がり過ぎる場合があります。糖尿病の治療薬である血糖降下薬を服用している方は、低血糖にならないよう注意しましょう。
また、糖尿病の方や、腎臓の機能が未発達の赤ちゃんは、バナジウム天然水により腹痛や下痢などの症状が起きることもあります。
ミネラル分が豊富に含まれている天然水は、体外にミネラルを排出することが難しい方には適していないので注意が必要です。
1日のバナジウム摂取量の目安は1.8mgと言われています。バナジウムやミネラル濃度が高い水ではないか、安全性をよく確認しましょう。
期待される効果もある
バナジウム天然水には健康面や料理使用時などに、さまざまなメリットがあると言われています。なぜ健康にいいのか、料理に使うメリットは何かなどを紹介します。
健康面でのメリット
バナジウム天然水により、脂質、コレステロールの代謝が促され、血圧が下がるなどのメリットが得られるとされています。
便秘も改善すると言われ、血糖値も下がることから動脈硬化の予防にも効果的です。
便秘の改善にもつながりダイエットにもおすすめなので、美容と健康に良い水を飲みたいという方にも適しています。
料理に使用するメリット
バナジウム天然水を料理に使うと、栄養面でのメリットとともに素材の味を引きだす効果が期待できます。
ただし、バナジウム天然水には硬水と軟水の両方があるので、その特徴に気をつけて料理に取り入れることが大切です。
日本に多い軟水は、和食の調理、炊飯時やお茶、コーヒーに適しています。料理にも使用すると、バナジウムなど体に必要なさまざまなミネラルを効率よく摂取できるでしょう。
ミネラルは腎臓によってろ過され吸収されます
ミネラルウォーターには、多かれ少なかれミネラルが溶けています。ミネラルは、基本的には栄養価が高いと言われています。
たとえばカルシウムには、骨を強くする効果があるとされています。そのため健康な体を構成するために欠かすことができない栄養素です。
しかしミネラル分を過剰に摂ることで、体の健康を害する可能性があります。腎臓とはミネラルをろ過するなどの働きがあると考えられています。
腎臓の主な働き
腎臓は、尿を作る働きがある臓器です。血液をろ過して不要な老廃物や塩分などを尿に変え、体外に排出する働きがあります。体に必要なものは、ここでまた吸収される場合もあります。
腎臓には他にも血圧の調整や血液(赤血球)を作る働きのサポート、体内のイオンバランスや体液量の調節、ビタミンDを活性化させて骨を強くするなどさまざまな働きがあるとされています。
腎臓の機能が低下するとむくみや血尿なども起きることがあるため、体調維持のために重要な臓器です。
老廃物を排出
血液をろ過し、老廃物や塩分などを体外に排出する働きがあります。体にとって必要とされる栄養素については、再度吸収し栄養素を血液に戻します。
血圧の調整
塩分や水分の調整を行うことで、血圧にも関係しています。腎臓の働きが低下することで、高血圧などの症状をきたす可能性があります。
イオンバランス調整
体に必要とされるミネラルを上手く調整する役割があります。その働きによって、体液の量やイオンバランスを調整しています。
ミネラルが体内に取り入れられると、腎臓が活発に活動を開始します。そのため腎臓の働きに異常がある場合、ミネラルを上手くろ過することができません。
その結果ミネラルを排出できずに、体内に蓄積する恐れがあります。少しでも腎臓に異常がある際は、ミネラルウォーターの摂取は医師に確認してください。
無理にミネラルウォーターを摂取することで、腎臓の異常を悪化させることにつながりります。
⇒ミネラルウォーターが体に与える良い影響に関する記事はこちら
腎臓が未熟な赤ちゃんにもミネラルウォーターの摂取は避けましょう
ミネラルウォーターは、健康な体であればとくに問題はありません。しかし赤ちゃんの場合、腎臓などの臓器は未熟な状態です。
そのため赤ちゃんに対してもミネラルウォーターは控えた方が良いとされています。たとえば調乳に用いるお水にも注意が必要です。
調乳だからと言ってミネラルウォーターを使用してしまうと、赤ちゃんの体調が悪くなる可能性があります。嘔吐などの症状をきたすと考えられています。
赤ちゃんには細心の注意を
ミネラルはもちろん必要な栄養素です。しかし基本的には食事からでも十分補給することができます。またミネラルウォーターに含まれるミネラルの量は、食事と比較すると少量です。
そのためミネラルウォーターを飲んだからと言って、ミネラルが過剰に摂取されることは考えにくいと言われています。
しかし腎臓に異常がある場合や赤ちゃんなどは、ミネラルウォーターを摂取することで、体に影響をきたす可能性があります。摂取する場合には、細心の注意を払うようにしましょう。
ピュアウォーターであれば腎臓に負担をかけることがありません
ミネラルウォーターには、ミネラル分が多く溶けている硬水とミネラル分が少ない軟水があります。少しでも体調に不安がある方は、軟水を摂るようにしてください。
ミネラルウォーターを摂取後、腹痛や胃腸障害などがあるときには摂ることを控えましょう。硬度が低いものに変えるなど工夫してください。
腎臓に異常がある場合や赤ちゃんに対しては、ミネラル分を排出したピュアウォーターが良いと言われています。
ピュアウォーターであれば余計な負担を腎臓にかけることがありません。腎臓の負担を考え、少しでもリスクを減らしたい方は、ピュアウォーターを摂るようにしましょう。
(まとめ)バナジウム天然水って腎臓に影響を及ぼすの?
腎臓の働きに異常がある場合、バナジウムの含まれるミネラルウォーターを飲むことは良くありません
バナジウム天然水はバナジウムというミネラル成分を含んだ天然水で、血糖値やコレステロール値を下げ、糖尿病などの生活習慣病の予防に役立つと言われています。
飲む量が多いと血糖値が下がり過ぎる恐れがあるので、人によっては腎臓に負担をかけることもあり注意が必要です。
糖尿病で血糖降下薬を飲んでいる方や赤ちゃんには、バナジウム天然水は基本的に適していません。
便秘の改善や動脈硬化の予防などのメリットがあるので、健康が気になる方やダイエットをしている方におすすめのミネラルウォーターです。
- わかさ生活「バナジウム」
- 国立研究開発法人 科学技術振興機構「バナジウム含有天然水の糖尿病改善作用における考察」
- 森下記念病院「腎臓ってどんな臓器?」
- 一般社団法人 日本腎臓学会「腎臓の構造と働き」