白湯は、やかんや鍋にお水を入れ、蓋をせず10~15分程度沸騰させると完成です
白湯は体に良い効果が期待できる飲み物として、健康意識の高い方たちから注目されています。沸かしたお湯を飲むだけという手軽さもあるため、ブームになっているのが特徴です。
ただし、飽きっぽい人はコーヒーや紅茶などの飲み物を選ぶ生活に戻っているのが実情です。この記事では、白湯の正しい作り方と、美味しく飲める簡単な白湯アレンジをご紹介します。
白湯の作り方
白湯は、やかんや鍋にお水を入れ、蓋をせず10~15分程度沸騰させると完成します。
鉄瓶や鉄鍋を使って沸かす方法もおすすめですが、それぞれ作り方のコツがあるため、以下で詳しく解説します。
10分以上沸騰させる理由
白湯の作り方では、やかんや鍋の蓋をせずに10分以上沸騰させるのが重要なポイントです。10分以上沸騰させるのは、水道水はお水を安全に飲めるよう塩素消毒が行われており、残留塩素が含まれているためです。
水道水に含まれる残留塩素は、腐敗防止や感染予防に役立っています。日本の水道水では、残留塩素の基準値を超えないよう24時間体制で監視しており安全に飲めますが、塩素臭や発がん性が疑われるトリハロメタンが気になることがあります。
そこでおすすめなのが、水道水を10分以上沸騰させる方法です。やかんや鍋の蓋をせず水道水を10分以上沸騰させると、残留塩素やトリハロメタンは揮発し、除去が可能となります。
残留塩素やトリハロメタンの不純物が取り除かれた白湯は、塩素臭がなくなり、体に優しいのが特徴です。赤ちゃんや高齢者など飲み水から不純物を避けたい際や、お水の成分だけを摂取したい場合にも便利です。
カップに白湯を入れて50度くらいに冷ます
10分以上沸騰させた白湯は、そのままの温度では体に負担がかかります。熱すぎる白湯は飲む際にやけどをする恐れがあり、内臓にも負担をかけやすいため、約50度まで冷ますことが推奨されます。
また、白湯を冷ます理由は、体への吸収率を高める意味もあるのです。人の体温は36~37度程度ですが、熱すぎる白湯と比べて約50度の白湯は、体に吸収しやすい特徴があります。
できた白湯をカップに注ぎ、約50度になるまで自然に冷ましましょう。フーフーせずに飲める温度、約50度です。
早く冷ましたいからといって水道水を足すと、再び残留塩素やトリハロメタンが含まれるため避けましょう。ただし、残留塩素やトリハロメタンを含まない天然水やRO水のウォーターサーバーなら、お水を足して温度を調節しても問題ありません。
鉄瓶や鉄鍋で作るとヘム鉄が摂取できる
鉄瓶や鉄鍋を使って水道水を沸かすと、白湯にヘム鉄が含まれ、鉄分を摂取できます。体に吸収されやすいヘム鉄(二価鉄)が摂取できるのが特徴です。
食品に含まれる微量ミネラルのひとつである鉄には、タンパク質と結びついたヘム鉄と非ヘム鉄に分類されます。ヘム鉄は肉や魚に多く含まれており、一方で野菜に多く含まれる非ヘム鉄と比べて約2~3倍の吸収率が特徴です。
鉄は、血液中のヘモグロビンを形成する物質ですが、女性は月経や妊娠などの理由で鉄が不足しやすい傾向があります。適切な量の鉄を食品から摂取できないと、貧血や運動機能の低下、認知機能の低下が起こるため注意が必要です。
日常的にヘム鉄を摂取できない場合は、鉄瓶や鉄鍋を使って白湯を作る方法が推奨されます。鉄瓶や鉄鍋を使ってお水を沸かして調査したデータでは、加熱時間が長いほど鉄の含有量が多く、さらに78.5%がヘム鉄(二価鉄)であることが確認されています。
もっと簡単に白湯を作る方法
電子レンジを使って白湯を作る方法は忙しいときに便利です。加熱時間が約2分と短縮できるため、お水を沸かす時間がない朝などにおすすめです。
ただし、電子レンジでは10分以上加熱できないため、水道水をそのまま使って白湯を作ることはできません。浄水器を通した水道水や、ペットボトルのお水、ウォーターサーバーのお水などを活用してください。
電子レンジで作る
電子レンジを使った白湯の作り方は、残留塩素やトリハロメタンを含まないお水をカップに注ぎます。500Wでは約2分、600Wでは約1分30秒加熱してください。
残留塩素やトリハロメタンを含まないお水は冷やすためにも使えるため、加熱したらすぐに冷水で約50度の温度調節をする方法もおすすめです。電子レンジからカップを取り出し、約50度まで冷ましたら白湯の完成です。
加熱したばかりのカップは熱くなっている場合があるため、やけどに注意しながら取り出すようにしてください。
ウォーターサーバーの水で作る
ウォーターサーバーのお水は、天然水やRO水です。どちらも残留塩素やトリハロメタンなどの不純物を含まないため、白湯を作る際に10分以上沸騰させる必要はありません。
ウォーターサーバーで白湯を作る場合は、温水と冷水を加えて約50度に調節するだけです。カップに温水と冷水を直接注ぎながら、適温の白湯を作ることができます。
温水と冷水を混ぜるだけの白湯の作り方は、忙しいときに最適です。沸かす手間がないため、白湯を飲む習慣を続けやすいでしょう。
カップに入っている白湯が冷めたら、電子レンジで温めてもOKです。ウォーターサーバーを使った白湯の作り方は、1日に飲む量を作り置きする必要がないため、ポットを持っていない方にもおすすめです。
アレンジ白湯:レモン白湯
白湯は無味無臭の飲み物です。慣れないうちは少し飲みにくいと感じる場合があるため、美味しく飲める白湯のアレンジを試してみてください。
さらに、美味しいと感じられる白湯アレンジには、習慣化しやすいというメリットがあります。白湯を飲む習慣がつくと効果を実感しやすくなるため、白湯の味が苦手ではない方も、ぜひ以下の白湯アレンジに挑戦してみてください。
レモン白湯の作り方
レモン白湯の作り方は、輪切りのレモンを浮かべるだけです。まるごとのレモンが手に入りにくい場合は、100%のレモン汁を数滴加える方法でも代用できます。
輪切りのレモンを白湯に入れる場合は、国産レモンや、ケミカルフリーと記載された外国産レモンを選ぶと安心です。外国から輸入されるレモンはカビ防止として、防カビ剤を散布または塗布しているため、皮ごと使用するのは避けたほうが良いでしょう。
レモン白湯に期待できる効果
国産レモンは防カビ剤を使用していないため、皮ごと食べられます。レモンには、クエン酸・ビタミンC・ポリフェノールが含まれており、美容や健康に役立ちます。
レモンに含まれるクエン酸は疲労回復に役立ち、キレート作用によりカルシウム吸収量が高まり骨を丈夫にする効果が期待できるのです。レモンの産地である広島県民を調査したところ、骨密度が高いことが確認されました。
レモン白湯は高齢者にオススメ
特にレモンのキレート作用がおすすめなのは、高齢者です。食物から摂取したカルシウムは通常でも約70%の吸収率ですが、高齢者の場合はさらに腸からの吸収量が低下しカルシウム不足になり、骨粗しょう症になりやすくなるからです。
レモンに含まれるビタミンCは、風邪予防やコラーゲン生成を促す作用が期待できます。ビタミンCは体内で生成できないため、食事から補う必要があり、白湯から摂取すると効率が良いでしょう。
また、レモンに含まれるポリフェノールやフラボノイドには、血圧を下げる働きがあるとされ、注目されています。レモンの皮に含まれるポリフェノールと、果汁に含まれるフラボノイドが血圧調節に役立つため、白湯には輪切りのレモンを入れる方法がおすすめです。
アレンジ白湯:生姜白湯
生姜白湯の作り方
生姜白湯の作り方は、すりおろした生姜汁を白湯に数滴入れるだけです。生の生姜には「ジンゲロール」が含まれており、血管拡張作用により血行を促進させ体を温めるためにおすすめです。
また、生姜を加熱すると、ジンゲロールが「ショウガオール」へと変化します。体を温める効果がより高まるため、冷え性の方には白湯を作る際に一緒に生姜を加熱する方法がおすすめです。
生姜白湯に期待できる効果
ジンゲロールやショウガオールには、殺菌作用があります。風邪のひきはじめに生姜白湯を飲むと、体を温める作用や殺菌作用により、免疫力を高める効果が期待できます。
生姜白湯は、食欲増進や消化促進効果も期待できるため、夏バテで食欲が落ちたときや、食事前に飲む方法がおすすめです。生姜に含まれる「ジンジベイン」はタンパク質分解をサポートするため、肉や魚を食べる前に生姜白湯を飲むのがおすすめです。
生の生姜が使いにくいときは、乾燥生姜を白湯に入れる方法でも代用できます。乾燥した生姜はジンゲロールがショウガオールに変化し温める効果が高まるため、冷え性や代謝アップを期待する方におすすめです。
アレンジ白湯:ハーブ白湯
ハーブ白湯の作り方
ハーブ白湯の作り方は、好みのハーブを洗い、白湯に加えるだけです。ティースプーン1~2杯のハーブが適量です。
甘みのあるアップルミントを加えると、ハーブ白湯初心者でも楽しみやすいでしょう。爽やかな香りを楽しみたいときはミントがおすすめです。
ハーブ白湯に期待できる効果
寝る前に飲むハーブ白湯には、リラックス効果が期待できるカモミールが適しています。ラベンダーも香りによるリラックス効果が期待できるため、一息つくシーンにおすすめです。
気分を高めて集中力を得たいときはローズマリー、免疫力アップを期待するときはタイムを白湯に入れる方法もあります。ハーブは生のまま入れる方法と、乾燥ハーブを使うやり方、どちらでも使いやすい方法で大丈夫です。
白湯にハーブを入れると、爽やかな香りが楽しめるため、リラックス効果が期待できます。好みのハーブをブレンドすれば、さらに飲みやすいハーブ白湯を楽しめます。
(まとめ)白湯の作り方は?簡単な作り方やアレンジも紹介!
白湯は、やかんや鍋にお水を入れ、蓋をせず10~15分程度沸騰させると完成です
白湯の作り方の基本は、お水を10分以上沸騰させる方法です。この方法で、水道水に含まれる残留塩素やトリハロメタンが揮発するため、体に優しい飲み物となります。
残留塩素やトリハロメタンが含まれていない浄水器のお水、ペットボトルのお水を使う場合、不純物を揮発させる必要がないため、電子レンジでの加熱が便利です。さらに、温水が出るウォーターサーバーでは、カップに直接温水と冷水を注いで白湯が作れるため、続けやすさの点でおすすめです。