赤ちゃんのストロー練習に適したスタート時期は、生後6ヶ月から8ヶ月頃です

「そろそろストローを試してみようかな?」「お友達はもう使っているみたいだけど、うちの子にはまだ早いかしら?」。赤ちゃんにとって、「飲む」行動をサポートするストローは、口腔機能の発達や、自分で飲む力を育む大切なステップです。
この記事では、新米ママ・パパが抱える「いつから始めればいいの?」「安全に使えるようになるにはどうしたらいいの?」といった疑問や不安を解消します。根拠に基づいた適切な開始時期と、安心して取り組める安全な導入方法を詳しく解説し、ストロー練習が赤ちゃんの口と歯に与える影響についても触れていきます。
目次
ストロー練習はいつから?適切な開始時期
一般的に、赤ちゃんがストロー練習を始めるのに適した時期は、生後6ヶ月から8ヶ月頃です。この時期になると、赤ちゃんの口周りの筋肉や手先の器用さが発達し、ストローを使う準備が整い始めます。
しかし、赤ちゃんの成長には大きな個人差があります。ストロー練習の開始時期も、お子さんの発達状況によって異なるため、「うちの子にはまだ早いかな?」と心配な場合は、小児科医などの専門家に相談し、お子さんにとって最適なタイミングを見極めることが大切です。
ストロー練習開始時期の目安
月齢 | 発達の様子 | ストロー練習 |
5〜6ヶ月 | 首がすわる、支えがあればお座りができる。 | まだ早い。スプーンや哺乳瓶に慣れることを優先。 |
7〜8ヶ月 | 腰がすわり、支えなしでお座りができるようになる。口の周りの筋肉が発達し始める。 | 徐々にストローに慣れ親しませる。少量の水分から始める。 |
9〜11ヶ月 | 自分でコップを持つことができるようになる。ストローに興味を示す。 | 積極的にストロー練習を進める。哺乳瓶からの移行を始める。 |
12ヶ月〜 | ストローで上手に飲めるようになる。 | コップ飲みの練習も並行して行う。 |
ストロー練習開始時期に個人差があるのはなぜ?
ストロー練習を始める時期は、赤ちゃんの発達ペースに大きく左右されます。特に、口周りの動きや吸う力、手の器用さといった身体の発達が関係しています。生後5ヶ月頃からスムーズに始められる子もいれば、もう少しゆっくりと時間をかける方が適している子もいます。
また、環境や育児方法もストロー練習の開始に影響を与える要因です。たとえば、家族の食事の様子や普段使っているベビーグッズ、周囲の保育環境などが、赤ちゃんの飲み方を学ぶ過程に間接的に関わってきます。親が楽しそうにストローを使っている様子を見て、赤ちゃんが自然と興味を持つこともあります。
赤ちゃんの個性に合わせて柔軟に対応し、無理強いしないことが大切です。赤ちゃんが安心して新しい飲み方を習得できるよう、温かく見守りましょう。もし迷ったら、小児科医や保健師など専門家のアドバイスを参考にすることをおすすめします。
安全に楽しく!ストロー練習のステップと注意点

ここでは、赤ちゃんが安全にストローを使えるようになるためのステップと、保護者の方が気をつけるべきポイントを具体的に解説します。
ストローに慣れる4つのステップ
ストロー練習は、赤ちゃんのペースに合わせて、無理なく段階的に進めることが大切です。
ステップ | 目標 | 保護者のサポート |
ステップ1 | ストローを口に入れることに慣れる | 遊びに取り入れる、保護者が実演 |
ステップ2 | ストローで少量の液体を吸う感覚を覚える | スポイトのように使う、好きな飲み物で |
ステップ3 | 連続して吸えるようになる | 量を増やしていく、見守りながら促す |
ステップ4 | ストローを自分で持って飲めるようになる | 持ちやすいマグを使う、こぼさないように注意 |
練習中は、赤ちゃんにとって楽しい遊びの時間となるように、温かく見守りながら、焦らずに取り組むことが重要です。ストロー練習の失敗を叱らず、温かく励ますことが、赤ちゃんの自信を育み、練習への意欲を高める鍵となります。
練習時の5つの注意点
ストロー練習を行う際は、赤ちゃんの安全と意欲を高めるために、以下の点に注意しましょう。
1.安全第一で見守る
練習中は絶対に目を離さず、万が一むせてしまった場合にすぐ対応できるよう、保護者の目の届く範囲内で行いましょう。
2.無理強いせず、楽しく
赤ちゃんのペースを尊重し、嫌がるようならすぐに休憩しましょう。遊びを取り入れるなど、練習が楽しい体験になるように工夫しましょう。
3.清潔な環境を保つ
常に清潔なストローとマグを使用し、使用前後の洗浄・消毒を徹底しましょう。衛生的な状態を保つことは、感染症予防につながります。
4.安定した姿勢をサポート
赤ちゃんが落ち着いて飲めるよう、しっかりと支えてあげましょう。適切な姿勢は、誤嚥のリスクを減らすことにもつながります。
5.小さな成功体験を積み重ねる
焦らず、少しでもできたらたくさん褒めてあげましょう。ポジティブな声かけは、練習を続けるための大きなモチベーションになります。
ストロー練習にピッタリ!おすすめアイテムと飲み物

安全で効果的なストロー練習のためには、適切なアイテム選びが欠かせません。また、練習に適した飲み物を選ぶことも、赤ちゃんの負担を減らし、スムーズな習得をサポートします。
ストローの選び方3つのポイント
赤ちゃんが気持ちよくストローを使えるように、安全で使いやすいものを選びましょう。
1.サイズと長さ
赤ちゃんの小さな口に合わせた、細くて短いストローを選びましょう。飲み物が喉の奥に入りすぎるのを防ぎ、安全に飲むことができます。
2.素材
BPAフリーのシリコン製や、柔らかいプラスチック製など、安全性の高い素材を選びましょう。口当たりが優しく、赤ちゃんへの負担が少ないものがおすすめです。煮沸消毒や食洗機に対応していると、衛生的に保てて便利です。
3.形状
赤ちゃんが両手でしっかり持てるような、持ち手が工夫されたマグを選ぶと、自分で飲む練習につながります。ストロー部分が曲がっているものや、吸い込みやすいように工夫されたトレーニング用のストローも有効です。こぼれにくい構造であることも、練習中のストレスを減らすために重要です。
市場には様々な種類の赤ちゃん用ストローマグやストローがあります。素材、形状、機能性を比較検討し、赤ちゃんに合ったものを見つけてあげましょう。
ストローの種類と特徴
種類 | 素材 | メリット | デメリット |
シリコン製 | シリコン | 柔らかく口当たりが良い。耐熱性が高く、煮沸消毒や食洗機に対応可能。安全性が高い。 | 比較的汚れやすい場合がある。 |
プラスチック製 | プラスチック | 安価で手軽に入手できる。キャラクターものなどデザインが豊富。 | シリコン製に比べて硬い。傷つきやすい場合や、熱湯消毒できない場合がある。 |
使い捨て | プラスチック・紙 | 衛生的で、持ち運びに便利。 | 環境への配慮が必要。繰り返し使用には向かない。 |
トレーニングストロー | シリコンなど | 少ない力でも吸いやすいように工夫されている。逆流防止機能付きのものもある。 | 他のストローに比べて価格が高い傾向がある。 |
スパウト | シリコンなど | ストローの練習への移行段階で使用されることが多い。吸い口が広めで飲みやすい。 | ストローとは吸い方が異なるため、最終的なストロー飲みの練習には別のストローが必要。 |
練習にオススメの飲み物
ストロー練習には、水や麦茶がおすすめです。これらは無糖でアレルギーのリスクも低く、赤ちゃんの健康に配慮しながら練習できます。消化にも優しく、胃への負担も少ないため安心です。
赤ちゃんの好みに合わせて薄めた果汁を試すのも良いですが、糖分の摂りすぎには注意し、少量から始めましょう。赤ちゃん用イオン飲料は電解質補給に適していますが、糖分が含まれている場合があるので、表示を確認してください。
飲み物の温度は、人肌程度(36~37℃)が目安です。冷たすぎたり熱すぎたりすると、赤ちゃんが嫌がる原因になります。最初は少量から始め、赤ちゃんが自分のペースで飲めるように調整しましょう。
ストロー練習は赤ちゃんの口と歯にどう影響する?

次に、保護者の皆様が気になる、ストロー練習が赤ちゃんの口や歯に与える影響について、歯科医の視点も交えながら詳しく見ていきましょう。
ストローの使いすぎは不正咬合のリスクを高める?
ストローの使用は、赤ちゃんの飲みやすさや自立を促す一方で、不正咬合のリスクを伴う可能性があります。不正咬合とは、上下の歯が正しく噛み合わない状態であり、お口の発達や歯並びに影響を及ぼすことがあります。
歯科医師は、長期間にわたって特定の場所にストローをくわえて飲む習慣が、赤ちゃんの口腔周囲の筋肉バランスを崩し、正常な噛み合わせの発達を妨げる可能性があると指摘しています。特に、強い吸引力を必要とするストローの使用は、舌の位置や唇の動きに影響を与え、結果として歯の位置のずれを引き起こす原因となることがあります。
具体的には、頻繁なストロー使用によって舌が前方に突き出る動きが習慣化し、上顎前突(出っ歯)や下顎後退(受け口)といった不正咬合のリスクを高める可能性があります。また、ストローを吸う動作が続くことで、口腔内の特定の筋肉が過度に発達し、自然な咀嚼運動に支障をきたす場合も考えられます。
このようなリスクを最小限に抑えるためには、以下の点に注意することが大切です。
・使用頻度の管理
ストローの使用は、必要な時に限定し、日常的な使用は控えましょう。
・適切なストローの選択
柔らかく短めのストローを選び、赤ちゃんの口に負担をかけないようにしましょう。
・他の飲み方とのバランス
コップやスパウトなど、他の飲み方も取り入れ、口腔周囲の筋肉をバランスよく使うように促しましょう。
・専門家への相談
ストローの使用に関して不安がある場合は、かかりつけの歯科医師に相談してみましょう。
これらの対策を講じることで、赤ちゃんの健やかなお口の発達をサポートしながら、安全にストローを取り入れることができます。ストローの適切な使い方を理解し、赤ちゃんの成長に合わせた柔軟な育児を心がけましょう。
歯科医がすすめる理想的な飲み方
歯科医が推奨する理想的な飲み方の一つにコップ飲みがあります。コップを使うことで、赤ちゃんは口全体を使って飲むことを覚え、口腔周りの筋肉をバランスよく発達させられます。これはストローに比べてより自然な飲み方であり、歯並びや口腔の健康維持にも良い影響を与えます。
コップ飲みの主な利点は、口全体の筋肉を使うことで口腔周りの筋肉がバランス良く発達し、不正咬合のリスクを減らせることです。また、赤ちゃんが自分で飲む量を調整する力を養い、自立心を育むことにもつながります。
もちろん、コップ飲みは最初はこぼしやすいというデメリットもありますが、練習を重ねることで克服できます。外出時にはストローマグが便利ですが、家庭では積極的にコップ飲みを取り入れるなど、状況に応じて使い分けるのがおすすめです。歯科医師は、赤ちゃんの成長に合わせて、ストローとコップの両方をバランス良く取り入れることを推奨しています。
離乳食と連携して進めるストロー練習
ストロー練習は、離乳食の進み具合に合わせて段階的に取り入れると効果的です。一般的に、哺乳瓶からストローへの移行は生後9ヶ月頃が目安とされています。赤ちゃんが自分でストローを握れるようになり、飲み物に興味を示すのが、移行を始める良いサインです。
離乳食と並行してストロー練習を進めることで、赤ちゃんは口腔機能全体の成長を促し、自分で飲む習慣を自然に身につけることができます。コップタイプのマグも、赤ちゃんの自立した飲み方をサポートする上で非常に役立ちます。
離乳食の進行とストロー練習のステップ
離乳食の時期 | 月齢 | ストロー練習の目安 |
離乳食初期 | 生後5~6ヶ月頃 | まだ本格的な練習はせず、スプーンに慣れること、飲み込むことを優先。興味があれば短時間触れさせる程度に。 |
離乳食中期 | 生後7~8ヶ月頃 | 口周りの筋肉が発達し、自分で座れるようになる赤ちゃんも。少量の水分をストローで吸う練習を始めるのがおすすめ。 |
離乳食後期 | 生後9~11ヶ月頃 | 離乳食も2~3回食に進み、食べられる食材も増加。ストローで連続して吸う練習を取り入れ、哺乳瓶からの移行を意識し始める。 |
離乳食完了期 | 生後12ヶ月以降 | ほとんどの赤ちゃんがストローをある程度使えるように。コップ飲みの練習も並行して進め、ストローの使用頻度を徐々に減らすことを検討。 |
赤ちゃんのストロー練習を成功させるために

赤ちゃんのストロー練習は、成長の喜びを感じられる大切なステップです。親御さんのサポートで、赤ちゃんが楽しくストローを習得できるよう応援しましょう。
赤ちゃんのペースで楽しく練習を進める
ストロー練習を成功させるには、焦らず、赤ちゃんのペースに合わせることが何よりも大切です。赤ちゃんの発達には個人差があるため、練習がなかなか進まなくても心配いりません。ストローで「できた!」という小さな成功体験は、赤ちゃんの自信と自主性を育む貴重な機会になります。
もし練習がスムーズにいかない場合は、ポジティブな声かけや遊びを取り入れて、楽しい雰囲気作りを心がけましょう。失敗を叱るのではなく、温かく見守り、赤ちゃんの頑張りを認めてあげることが、練習への意欲を高める鍵です。
赤ちゃんが自らストローを使おうとするタイミングを見極め、自然な流れで練習を進めることで、効果的で楽しいストロー飲みの習得につながります。
興味を引き出す工夫と安全な環境作り
赤ちゃんがストロー練習に積極的に取り組めるよう、いくつかの工夫を試してみましょう。たとえば、カラフルで明るい色のストローは、赤ちゃんの目を引き、興味を刺激します。また、母乳やミルク以外の飲み物に慣れ始める時期であれば、安全な範囲で薄めた果汁や麦茶など、色や味の違う飲み物を少量ずつ試してみるのも良いでしょう。
何よりも効果的なのは、ママやパパが楽しそうにストローで飲む姿を見せることです。赤ちゃんにとって、親がお手本を見せるのが一番の学習方法となります。さらに、ストローを使った遊びを取り入れるのもおすすめです。シャボン玉や風車など、ストローを使った遊びを通じて、楽しみながらストローに親しむことができます。
困ったときは専門家を頼る
ストロー練習中に疑問や不安を感じたら、迷わず医師や歯科医師に相談しましょう。例えば、赤ちゃんが飲み込みにくそうにしている、口周りの動きや歯の発達が気になる、といった場合は、専門家のアドバイスが役立ちます。
ストローの使用が赤ちゃんの口腔発達にどう影響するのか心配な場合も、事前に相談しておくと安心です。適切なタイミングで専門家のサポートを受けることで、赤ちゃんの健やかな成長を促すことができます。
(まとめ)赤ちゃんのストローはいつから?月齢別のステップと練習法
赤ちゃんのストロー練習に適したスタート時期は、生後6ヶ月から8ヶ月頃です
赤ちゃんのストローデビューは、成長の過程における大切な一歩です。適切な時期を見計らい、安全な方法で段階的に練習を進めることで、赤ちゃんはきっと無理なくストロー飲みを習得できるでしょう。
この記事でご紹介したポイントを参考に、焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて温かくサポートしてあげてください。もし何か不安なことや疑問点があれば、いつでも専門家である医師や歯科医師に相談し、安心してストロー練習を進めていきましょう。