RO水と天然水は、採水地やお水の処理方法が違います

RO水と天然水の違いを説明する画像

ウォーターサーバーメーカーが提供しているお水には、RO水と天然水があります。この2つのお水に、どのような違いがあるのかよくわからないという方もいるでしょう。

そこで、2つのお水の特徴を挙げながら、違いについて詳しく解説していきます。更に、RO水と天然水、それぞれのメリットやデメリットにも言及しているので、目を通しておくと役立つはずです。

また、RO水と天然水はそれぞれ、どのような方におすすめかという事も紹介しています。どちらに当てはまるかを考えながら、選ぶ際の参考にしてみましょう。

RO水とは?「RO膜でろ過して作る純水」

最初に、「RO水」とはどのようなお水なのか、紹介します。

RO水の特徴

RO水とは、水道水や天然水などの原水を「RO膜(逆浸透膜)」という超微細なフィルターでろ過処理したお水です。雑菌や放射線物質、ミネラルまで、さまざまな不純物が取り除かれるため、お水の成分しか存在しない純水(ピュアウォーター)ということになります。

RO水からはミネラル成分も除去されているため味がほとんどなくなり、身体に負担をかける刺激物も含まれていません。

RO膜の優れたろ過能力

RO膜は0.0001ミクロンの微細なフィルターです。NASAでも使用されている高度な技術で製造されたROフィルターは、ろ過により原水に含まれている不純物を徹底的に取り除くことができます。

RO膜でろ過を行うと海水を真水に変えられると言われるほど、RO膜は不純物を取り除く高いろ過性能を持っています。

⇒RO水の硬度に関する記事はこちら

天然水とは?「特定水源の地下水を源水とするミネラル豊富な水」

天然水は、RO水とは反対にミネラルの含有量が多いお水です。農林水産省が公表している「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では、天然水はナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターの2種類だけとなっています。

天然水は、特定の採水地からとれる地下水を原水として、必要最低限の沈殿・ろ過・加熱殺菌を行ったお水のことで、物理的・化学的処理は行いません。自然のミネラル成分の含有量を極力減らさずに、お水の品質を維持する処理方法を取るのが天然水の処理方法です。

天然水の源水となる地下水の種類(7種)

天然水の定義で源泉となる「特定の水源」にあたる地下水には、以下の7種類があります。

1.浅井戸水

自由地下水とも呼ばれている地下水です。地下水が湧き出る第一層目の、浅い位置にある水源です。

2.深井戸水

被圧(ひあつ)地下水とも呼ばれています。地下の第一層目を超えて二層目の水が溜まっている層で、深い場所にあるため安全性が高くミネラルを多く含みます。

3.湧水

崖の下などから自然に湧き出す地下水です。

4.鉱泉水

水温が25℃未満の自噴する地下水です。ミネラル分で種類が分かれます。

5.鉱水

自噴せずポンプなどで採水する地下水です。ミネラル分で種類が分かれます。

6.伏流水

川底の砂利層に浸透していき、地下を流れている水です。砂層などでろ過され水質がよいものが多いです。

7.温泉水

水温25℃以上の自噴する地下水です。ミネラル分により種類が分かれます。

RO水と天然水それぞれのメリット

こちらでは、RO水と天然水のメリットを紹介します。

RO水のデメリット

RO水は、RO膜により不純物をほとんど除去しているため、とても安全性が高いお水です。もし細菌や汚染物質が原水に含まれていたとしても、RO水には残ることがないでしょう。

ろ過性能の高さから原水に水道水を使用するケースも多いため、天然水よりも比較的価格が抑えられている場合が多いです。RO水はろ過によりミネラル分も除去されるので、後から味を調整するためにミネラル成分を加えることもあります。

不純物を除去したRO水は純水、除去後にミネラルを添加したRO水はミネラル添加のお水として分けられます。RO水からはすでに雑菌や雑菌の栄養になる物質も取り除かれているため、雑菌が増殖しにくい状態を維持しやすく、長期保存ができます。

天然水のメリット

天然水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が含まれています。ミネラルには、内臓機能を高める、骨を作るなどの体に良い様々な効果が期待できます。さらに肌に潤いを与え、肌トラブルを防ぐ美肌作用もあるとされているのです。

天然水は、ミネラルがなくならないように、必要最低限でしか殺菌処理を行っていません。実は、ミネラルは体内では生成できないため、外から摂取する必要があります。その点、天然水には飲むだけで体に必要なミネラル分を効率よく、安定的に摂取できるというメリットがあります。

また、天然水には長い年月をかけて、じっくり抽出された自然のミネラル分が含まれており、まろやかでコクのある味わいが特徴です。水道水のように塩素が含まれていないので、カルキ臭もありません。

お水を美味しいと感じながら飲めるというのも、利点と言えるでしょう。更に、天然水の採水地によって、含まれるミネラル量が異なり、味にも違いあります。

天然水の味を比べながら、自分好みの味のお水が選べるというのも、選択肢が広がりお水を飲む楽しさにもつながります。また、天然水には元から自然に含まれたミネラル分が含まれており、人工的に添加されていません。

従って添加物が気になるという方でも、安心して飲めます。

補足:ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン(4分類)

農林水産省による「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では、天然水を含むミネラルウォーター類が4種類に分類されています。

1.ナチュラルウォーター

ナチュラルウォーターは、特定の水源から採水した地下水に、沈殿、ろ過、加熱殺菌のみの処理を行っています。ミネラル成分が含まれていないものもあり、ガイドラインで定められている「天然水」に該当するお水です。

2.ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターは、ナチュラルウォーターのうち天然のミネラル成分が含まれているお水です。ナチュラルミネラルウォーターも、ガイドラインの「天然水」に該当します。

3.ミネラルウォーター

天然水のミネラル成分を人工的に調整したお水、もしくは、ナチュラルミネラルウォーターを混ぜ合わせたお水です。沈殿、ろ過だけでなく、オゾン殺菌や紫外線殺菌などの処理を行う場合もあります。

4.ボトルドウォーター

蒸留水・河川の表層水など、上記のナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター以外のお水です。

⇒RO水と純水の違いに関する記事はこちら

「RO水」と「天然水」それぞれのデメリット

RO水と天然水には、それぞれデメリットもあります。どういったデメリットなのか詳しく見ていきましょう。

RO水のデメリット

RO水は、RO膜という特殊なフィルターを使い、不純物をほぼ取り除いた純粋に近いお水です。そのため、不純物を取り除く過程において、お水に含まれていたミネラルなどの栄養分も除去されてしまいます。

ミネラルは、お水の美味しさに関係しているため、ミネラルが含まれないRO水だと味がしない、まろやかさが薄れるなどと感じる方もいるかもしれません。また、不純物がほぼ含まれないがゆえに、開封後空気に触れると雑菌が繁殖する可能性があります。

雑菌が増えると、お水が傷みやすくなるので注意が必要です。ミネラルをお水から摂りたい、お水の味を感じたいという方には、RO水は向いていないとも言えます。

ただし、RO水の中には、ミネラルを添加しているお水もあります。

天然水のデメリット

天然水は、採水地によってミネラルの含有量が異なり、味に違いが生じます。ミネラル分が多い、つまり硬度が高い天然水だと人によってはやや苦みがある、飲みづらいと感じることもあるでしょう。

自分が飲みにくいと感じるお水は、健康のためだと言っても、飲み続けるのは辛いものです。また、ミネラルが多い天然水は内臓機能が未熟な赤ちゃんや、内臓機能が弱っている高齢者などにとっても、体に負担がかかってしまう可能性もあります。

お水を飲んでいるだけなのに、健康を害してしまっては意味がありません。そして、天然水は自然豊かな水源から採水し、適切な殺菌処理をしなければならず、輸送費などの様々なコストがかかります。

そのため、RO水よりも料金が高いというデメリットもあります。

RO水がおすすめなのはどんな人?

RO水は、赤ちゃんや子どもの水分補給としておすすめのお水とされています。なぜおすすめと言われているのでしょう。

赤ちゃんのミルク・離乳食作りにも安心

不純物が入っていないRO水は、風味やくせがないため飲みやすく、お料理作りにもおすすめです。衛生的で安全なRO水は、赤ちゃんのミルク作りや離乳食作りにも最適なお水と言えます。

赤ちゃんの未発達な消化器官には、ミネラル成分が入っているお水が負担になる可能性もあるので、ミネラルの含有量には注意してください。

ウォーターサーバーで手軽に利用可能

ウォーターサーバーを利用すると、いつでもRO水の温水と冷水を使うことができます。料理やミルクのときなど、お湯を沸かす必要があるときにすぐサーバーからお湯を出せるので、家事がこれまでよりも楽に行えるかもしれません。

天然水由来のRO水など、好みに合わせて選べる

RO水には水道水から製造されているものもありますが、より安心できるお水を飲みたいときにはピュアハワイアンなどの、天然水からRO水を製造しているお水がおすすめです。

身体に優しいRO水を、ウォーターサーバーで快適に生活へ取り入れられるでしょう。

⇒赤ちゃんにRO水を与えても良いのか解説した記事はこちら

天然水がおすすめなのはどんな人?

ミネラルを手軽にお水から摂取したいなら、天然水を選んだ方が良いとされています。では、その理由について見ていきましょう。

ミネラルを効率よく摂取できる

天然水には、カルシウムやマグネシウムといった、ミネラル分が豊富に含まれているのが特徴です。ミネラルには体の調子を整え、肌をキレイに若々しくする作用が期待できます。

このように、体や肌の健康にも役立つミネラルをお水から手軽に摂取できるのは、とても効率的だと言えるでしょう。更に、天然水に含まれるのは、長い時間をかけてお水にしみ込んだ自然のミネラル分なため、安心して飲むことができます。

また、天然水によって含まれるミネラル量は異なるため、自身の健康状態に合わせお水を選べるというメリットもあり、健康な体作りに効果的です。

採水地ごとの個性的な味を楽しめる

天然水は、日本各地の様々な水源から採水された、地下水のことです。そのため、各採水地から汲み上げられたお水は、含まれるミネラル量が異なります。

ミネラルの含有量によってお水の味にも違いが生じます。一般的にミネラルを含むお水はまろやかでコクがあり、個人差はありますが、美味しいと感じる方もいるようです。

天然水と言っても種類が豊富なため、ミネラルの含有量により自分や家族が飲みやすく、美味しいと感じる天然水が選べるという魅力もあります。

よくある質問(Q&A)

Q1.RO水はなぜ天然水より安いことが多いのですか?

A.RO水は、原水に水道水や比較的安価に手に入る水を使用できるケースが多く、また、採水地が限定されないため、輸送コストなどが抑えられる傾向にあります。

一方、天然水は、特定の水源から採水し、最低限の処理で品質を維持する必要があり、採水・輸送・管理などにコストがかかるため、RO水よりも価格が高くなることが多いです。

Q2.RO水と天然水、ウォーターサーバーを選ぶ上で他に注意すべき点はありますか?

A.RO水と天然水の違いに加え、「硬度」にも注目しましょう。天然水にはミネラルが含まれますが、この含有量によって「硬水」と「軟水」に分けられます。
日本で採れる天然水の多くは軟水ですが、海外の天然水は硬水が多いです。硬水はミネラル分が多く、独特の風味や苦みを感じることがあり、お腹がゆるくなる方もいます。特に赤ちゃんのミルクには、ミネラルが少ない軟水またはRO水が適しています。

Q3.RO水と純水(ピュアウォーター)は同じものですか?

A.はい、ほとんど同じものを指します。純水(ピュアウォーター)とは、RO膜などの高度なろ過処理によって不純物(ミネラル成分を含む)をほとんど除去した、純粋な水(H$_{2}$O)に近い水のことです。

RO水は、この純水を作るために「RO膜」という特殊なフィルター(逆浸透膜)を使用した水を指すため、一般的にはRO水=純水と認識されています。ただし、RO水の中には、ろ過後に飲みやすくするために人工的にミネラルを添加している商品もあります。

(まとめ)RO水と天然水の違いは?メリット・デメリットと選び方を解説

RO水と天然水は、採水地やお水の処理方法が違います

天然水は、採水地を限定した原水に、沈殿、ろ過、加熱殺菌のみの最低限の処理が行われたお水です。RO水とはRO膜でろ過を行い、不純物をほとんど取り除いたお水のことで、採水地は限定されません。

天然水は元々含まれていたミネラルの含有量を活かしたお水で、RO水はミネラルも含めて不純物を除去した純水です。ミネラルを添加したタイプのRO水もありますが、料理やミルク作りなどに幅広く利用するには、風味にくせがなく、赤ちゃんの身体に負担のかからない純水がおすすめです。

便利なウォーターサーバーをご自宅に取り入れて利用すると、健康を気づかいながら家事や育児の負担を軽減できるでしょう。

【この記事の執筆】

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ピュアハワイアンWebマガジン編集部

この記事は、ピュアハワイアンを提供する株式会社トーエルの編集部が監修しており、ウォーターサーバーについて役に立つ情報発信を目指しています。

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