利尿作用があるのはカフェインやアルコール、ないのはノンカフェインの飲み物です

会議中や渋滞中・長距離の移動中など、トイレに行きたくても行けずに困った経験がある人も多いのではないでしょうか。
尿の量や回数は摂取する水分量だけではなく、何も飲むかによっても変わってきます。
利尿作用のある飲み物、ない飲みものをチェックしておき、大事な場面では事前に対策ができるようにしておきましょう。
目次
お茶やコーヒーに含まれる「カフェイン」には利尿作用がある
普段から飲むことの多い緑茶やコーヒーには、カフェインが含まれています。
このカフェインには腎臓の血管を拡張させ、血液ろ過量を増やす作用があります。これにより尿の生成量が増えることで、尿の量や頻度が増加するのです。
カフェイン自体も3~4時間程度で排出されるため、身体の中に蓄積されることはありません。
覚醒作用
またカフェインには、眠気を覚ます効果もあります。
脳内で眠気を作り出す物質をブロックする作用があるため、眠気冷ましとしてコーヒーを飲む方が多いのです。コーヒーを飲んでから30分程度で脳に到達すると言われています。
カフェインを含む主な飲み物
- コーヒー
- 玉露
- 煎茶
- ほうじ茶
- 番茶
- 紅茶
- ウーロン茶
- ココア
- コーラ飲料
- エナジードリンク
エナジードリンクの中には、コーヒーの1.5~2倍近いカフェイン含有量のものもあります。カフェインの過剰摂取が健康へ悪影響をあたえる場合もありますので、くれぐれも飲み過ぎには注意してください。
お酒を飲むとトイレが近くなる!アルコールの利尿作用
アルコールにも利尿作用があります。排尿の調節には、尿をつくる「利尿ホルモン」と、利尿ホルモンの分泌を抑える「抗利尿ホルモン」が関係しています。
アルコールには抗利尿ホルモンの働きを抑制する作用があるため、お酒を飲むとトイレが近くなってしまうのです。
アルコールによる脱水症状
夜中や朝方に喉が乾いて起きてしまう経験をしたことがある方もいるのはないでしょうか。アルコールは、飲んだお酒の量以上に、水分が尿として排出されてしまいます。
さらにアルコールを分解するときにも水分が必要となり、脱水状態になりやすいのです。これがお酒をたくさん飲んでも、水分補給にはならない理由です。お酒を飲む時には、二日酔いの予防にもなるので同量のお水を飲むことを心がけましょう。
とくに飲む機会の多いビールは注意が必要です。1リットルのビールを飲むと約1.1リットルの水分が排出されるという調査結果もあるほど。ビールに含まれるカリウムやホップにも利尿作用があるので、他のお酒よりも利尿作用が高い飲み物と言えます。
カリウムの利尿作用
カリウムとは人体に必要なミネラルの一種です。カリウムは細胞内の浸透圧を一定に維持する働きや、体内の水分バランスを保持する働きをしています。
わたしたちの身体は体内の塩分濃度を一定にするために、塩分を多く摂取した時には水分を溜め込む仕組みになっています。
カリウムにはナトリウム(塩分)の腎臓での再吸収を抑制させ、余分な水分と一緒に尿として排出を促す作用があるのです。塩分の摂り過ぎでむくみが気になる時などに取り入れたい成分です。
カリウムの多い飲み物には、
- 牛乳
- 豆乳
- 飲むヨーグルト
- トマトジュース
- 野菜ジュース
- 玉露
などがあります。カフェインを多く含む玉露にもカリウムは含まれているのです。
利尿作用のない飲み物は「カフェイン」を含んでいないもの

では逆に、利尿作用のない飲み物はあるのでしょうか。
選ぶ基準としては、先ほどの成分を含まない飲み物です。ノンカフェインのもの、なるべくカリウムを含まないものを選びましょう。
水や麦茶
代表的なものとしては、やはりお水や麦茶です。麦茶はノンカフェインなので利尿作用がありません。お水以外の選択肢として覚えておくと良いでしょう。
ただし麦茶の中にはカリウムが含まれています。カリウムはカフェインほど利尿作用の強いものではないので安心してください。
同様にノンカフェインのルイボスティーやハーブティーもオススメです。最近ではたくさんの種類が出ておりますので、同じ味ばかりで飽きてしまうという心配もないでしょう。
水分補給は喉が渇く前に!水分を控えるのはNG
トイレに行きたくないからと行って、水分補給を控えることは絶対にやめましょう。
脱水症に注意
体内の水分量が減少すると、水分バランスが崩れ、脱水症を引き起こしてしまいます。脱水症とはその名の通り、身体の水分(体液)が足りない状態のこと。めまいや立ちくらみ、吐き気や倦怠感、喉の乾きなどの症状があらわれます。
重度の脱水症ではけいれんや失神などの症状が見られ、体重に対して20%以上の水分が失われると、死に至ることもあると言われています。
さらに普段から水分補給をおこなっていないと、血液がドロドロになり血栓ができやすく、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる病気のリスクも高まってしまいます。
必要な水分量
わたしたちの体に必要な水分量は1日約2.5リットルと言われています。体内の老廃物や毒素は便や尿から排出されていますが、その尿を出すためには水分が必要なのです。
この量は食事から摂取する水分や体内でつくられる水も含んでいるため、実際に水分として摂取するのは1.2~1.5リットルを目安にすると良いでしょう。
シーンに応じて使い分け
利尿作用があるからといって、飲んではいけない飲み物ではありません。メリットとデメリットを理解して、自分の体調に合わせて選べるようになるととても便利です。
夕方になると足が重い、靴下の痕がなかなか消えない、飲み会翌日の顔のむくみなど、日頃からむくみに悩まされている人も多いでしょう。そのような時には、利尿作用のあるコーヒーや玉露で余分な水分の排出を促しましょう。
反対に、頻繁にトイレに行けない移動中や、長引きそうな会議の前には利尿作用のない水や麦茶を選ぶようにしましょう
(まとめ)【保存版】利尿作用のある飲み物・ない飲み物とは?
利尿作用があるのはカフェインやアルコール、ないのはノンカフェインの飲み物です
アルコールには利尿作用があり、お酒を飲んだ分よりも多くの水分が排出されてしまいます。とくにビールは利尿作用が強いので、お酒を飲む時は同じ量のお水を飲むようにしましょう。
コーヒーや玉露に含まれるカフェインにも利尿作用があります。さらにカフェインには覚醒作用もありますので、量やタイミングに注意して摂取をしてください。
利尿作用のない飲み物の代表はお水です。汗をかいていなくても身体から水分は失われています。喉が渇く前の水分補給を意識して、脱水症の予防をしましょう。
- 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
- 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
- 厚生労働省「カリウム」
- アサヒビール株式会社「お酒の健康への影響」
- 味の素株式会社「飲酒時は脱水状態になりやすい」