「体型」を無視したまま「体重」を減らしても、満足のいく結果が得られないこともあるため、それぞれにアプローチが必要です

出産は素晴らしい体験で、無事に赤ちゃんが生まれた喜びは大きいでしょう。しかし、新しい生活が落ち着いてくると、「元の体型に早く戻したい」と焦る方は少なくありません。

産後はデリケートな時期であり、急いで産後ダイエットを始めてしまうと、母体や赤ちゃんに負担をかける可能性があります。この記事では、産後ダイエットを始める方が知っておきたい「体型」と「体重」の違い、そして元に戻す具体的な方法を解説します。

安全かつ効果的なダイエットを行い、妊娠前の体型を取り戻して自信を取り戻したい方は、ぜひ続きを読み進めてください。

体型と体重の違いを理解する

産後ダイエットを始める前に知っておきたいのが、「体型」と「体重」の違いです。多くの方は体重を減らそうと考えますが、体型を無視したまま体重を減らしても、満足のいく結果が得られないこともあるため注意が必要です。

体型と体重の違い

「体型」とは、見た目のことを指しています。体の見た目を左右するのは、骨格、脂肪や筋肉の量です。

たとえば、同じくらいの体型の人がいても、骨に厚みがあり肩幅が広いと太って見えやすくなります。また、同じ体重でも脂肪と筋肉のバランスにより、太って見えたり痩せて見えたりします。

つまり、「体重」とは、数値上の目安でしかありません。体重が同じでも筋肉量が多いと痩せて見えやすいのですが、筋肉量が少ないと太って見えやすくなります。

産後に体重が戻っても体型が気になりやすい理由

産後ダイエットでは、体重だけに目を向けていると、体型が元に戻っていないと感じることがあります。なぜなら、妊娠中は体内で赤ちゃんを育てるため、骨盤が開き、筋肉が伸びて、脂肪分が増えやすいからです。

骨盤が開くのは出産時に赤ちゃんが産道を通りやすくするためで、お腹が大きくなるにつれ筋肉が伸び、出産や育児に備えて体脂肪が増えます。妊娠や出産による体の変化はすぐには元に戻らないため、産後すぐに体型が戻ることはありません。

産後ダイエットの成功のポイント

産後ダイエットを成功させるには、体重だけに目を向けるのではなく、体型管理も同時に行うことです。開いた骨盤を戻すための骨盤トレーニングや、筋肉を引き締める筋力トレーニングを取り入れると良いでしょう。

産後ダイエットを始める時期

産後ダイエットを始める時期は、個人差があります。体の回復の度合いは人によって変わるため、以下を目安に、医師と相談しながら決めるようにしてください。

産褥期は産後ダイエットを行わない

産褥期である産後6~8週間は、産後ダイエットを控えましょう。なぜなら、出産で体は大きなダメージを受けており、体を回復させる必要があるからです。

無理に産褥期からダイエットを行うと、回復が遅れたり、免疫力が低下したりして、合併症を引き起こす可能性があります。産後は見た目に大きな変化はありませんが、子宮が収縮し、会陰の治癒が進み、ホルモンバランスが変化しており、想像以上にダメージは大きいものです。

産褥期は、無理な食事制限はもちろん、過度な運動も避けてください。

産後1~2か月以降を目安に

産褥期による回復の度合いは個人によって異なりますが、一般的に産後1~2か月を経過すると、体が回復しており産後ダイエットを始められます。ただし、ひとつの目安にすぎず、個人差があることは覚えておきましょう。

医師へ相談しながら体調に合わせて行う

産後ダイエットを始めて良いかの判断は、自分でできません。必ず医師に相談して許可を得てから、食事コントロールや運動を始めましょう。

医師の許可が必要になるのは、子宮の戻り具合や、傷の治癒を自分で判断できないからです。特に、帝王切開をした方は傷の治癒具合だけでなく、体力の回復も考慮する必要があるため、自己判断しないことが大切です。

医師の許可が得られたら、まずは軽い運動から始めましょう。

「体重」を戻すための方法

産後ダイエットで体重を戻すためには、適切な食事と運動が必要です。体重を減らすには食事制限が最も有効ですが、産後は授乳に栄養が必要になるため、食事を減らすのではなく摂り方を変える方法がおすすめです。

バランスの取れた食事

授乳中は、母体と赤ちゃんのための栄養補給が必要になるため、必要なカロリーを維持しながら、バランスの取れた食事を心がけましょう。バランスの良い食事とは、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素が含まれる食事のことです。

また、授乳中に過度なカロリー制限を行うと、母乳の質が低下し赤ちゃんの成長に影響を及ぼします。母体の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、基礎代謝を下回らない程度でカロリーを調整してください。

授乳中は無理にカロリー制限をするよりも、糖質の吸収を抑える食事がおすすめです。食物繊維が豊富な食事を取り入れると、満足感が得られやすく、血糖値の急上昇を抑えられるため、1日20g以上の食物繊維の摂取を心がけてください。

適度な運動

産後ダイエットで運動を取り入れると、基礎代謝がアップし体重管理に役立ちます。基礎代謝向上には筋肉量が必要ですが、産後は筋力が低下しやすいため、筋肉を刺激する運動を取り入れる方法が効果的です。

ただし、最初から激しい運動を行うのは避けたいものです。体が回復し医師の許可が得られたとしても、育児疲れで体力を失っている日もあるため、無理しないようにしましょう。

また、最初から頑張りすぎると、途中で挫折する可能性があります。1日数分程度のストレッチや筋トレなら続けやすく、買い物のついでに30分ほど歩く方法も楽しみながら取り組めるためおすすめです。

睡眠とストレス管理

産後ダイエットで意外と見逃しがちなのが、睡眠不足やストレスです。睡眠不足やストレスは、ホルモンバランスの乱れにつながり、脂肪を溜め込もうとする働きが起こるため、痩せにくくなる原因になります。

また、育児が原因の睡眠不足やストレスは、過食の原因になることがあります。疲れていると、甘いものやジャンクフードを欲しやすくなるため、適切に対処させましょう。

睡眠不足を解消させるには、赤ちゃんが寝ている時間に一緒に寝る方法がおすすめです。育児ストレスが溜まっているときは、アロマテラピー・ヨガ・瞑想を取り入れてみてはどうでしょうか。

赤ちゃんと一緒に参加できるベビーヨガは、同じ月齢の赤ちゃんを持つお母さんたちとの交流にもなり、ストレス解消につながることがあります。

「体型」を戻すための方法

産後の体型の崩れを戻すためには、骨盤ケア・筋力トレーニング・姿勢の改善が必要です。どれも育児中の隙間時間を使ってできる方法なので、詳しく解説します。

骨盤ケア

出産で開いた骨盤は、できるだけ早めに元の状態に戻しましょう。産後は骨盤が動きやすいため、骨盤ベルトの着用や骨盤体操を行うと、歪み矯正に役立ちます。

骨盤ベルトは着けるだけで手軽に使えるため、育児で忙しい産後でも取り入れられるでしょう。骨盤体操は体を動かすことで、ストレス解消にもつながります。

どちらもすぐ骨盤が戻るわけではないため、毎日続けることが大切です。また、出産から時間が経ち骨盤が硬くなったときには、整体院などプロの骨盤矯正を受けるのもひとつの方法です。

筋力トレーニング

筋肉トレーニングは、アウターマッスルを鍛える方法と、インナーマッスルを鍛える方法があります。産後の体型を戻すためには、どちらも少しずつ取り入れる方法がおすすめです。

アウターマッスルは体の外側にある筋肉で、スクワットによって下半身を鍛えられます。赤ちゃんを抱っこしながらスクワットをすると、赤ちゃんが負荷になり効果的で、あやしながら行えば一石二鳥です。

インナーマッスルは深層筋とも呼ばれる、体の軸となる筋肉です。うつ伏せの姿勢で体を支える体幹トレーニングのプランクなら、背筋やお腹周りの引き締めに効果的で、短時間で鍛えられます。

姿勢を意識する

育児中は、抱っこや授乳で前かがみになりがちです。背中が丸まる猫背は体型の崩れにつながるため、できるだけ姿勢を正しくしましょう。

姿勢矯正に役立つベルトや、背中の丸まりを防ぐインナーを活用すれば、無理なく正しい姿勢を保てます。授乳中の姿勢の乱れを防ぐには、姿勢サポートクッションを利用する方法がおすすめです。

産後ダイエットの注意点

産後はいつもの状態と異なるため、間違った産後ダイエットでは体に悪影響を及ぼす可能性があります。以下の点に注意しながら、安全に産後ダイエットに取り組みましょう。

産褥期(さんじょくき)の過ごし方

産褥期(さんじょくき)は、母体が妊娠前の状態に戻るための期間です。妊娠や出産で母体には大きな変化が起こるため、約6~8週間は産後ダイエットを行わず、体の回復に努めてください。

具体的には、母乳をあげるなど赤ちゃんのお世話以外はできるだけ安静を心がけます。特に、産後1~2週間は出産のダメージを回復する期間のため、家事や仕事など体を使うことは控えるようにしてください。

授乳中の栄養管理

授乳中は赤ちゃんに必要な栄養素を補給する必要があるため、無理な食事制限は避けてください。バランスの良い食事を心がけ、母乳の質や量を維持しましょう。

母乳は、赤ちゃんにとって唯一の栄養源です。過度な食事制限をすると母乳の質が悪くなったり、母乳の量が減ったりするため、必要な栄養をしっかり摂取できる食事を心がけてください。

また、授乳中は母体の水分が失われやすいため、こまめな水分補給も必要です。

専門家への相談

産褥期を過ぎて、食事コントロールや運動による産後ダイエットを始めるときは、医師や栄養士に相談しましょう。医師は産後の体の回復度合いを判断してくれるため、産後ダイエットを始める時期を指導してくれます。

また、病院に在籍する栄養士や、自治体で活動する栄養士に、産後ダイエットに適した食事内容について相談できます。産後は定期検診などで専門家に会う機会があるため、安全かつ効率的に進めるためにも活用してみてください。

(まとめ)【産後ダイエット】体型と体重を元に戻す方法と注意点

「体型」を無視したまま「体重」を減らしても、満足のいく結果が得られないこともあるため、それぞれにアプローチが必要です

産後ダイエットは、産褥期を経て医師の許可を得てから始めましょう。授乳に必要な栄養を確保するため、無理な食事制限は避け、バランスの良い食事を心がけながら、食べ方を工夫する方法がおすすめです。

また、産後ダイエットを成功させるためには、体重にこだわりすぎず、体型の回復を意識すると良いでしょう。骨盤ベルトや骨盤体操などを取り入れると、妊娠で変化したお腹や腰回りの引き締めに役立ちます。

【この記事の執筆】

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ピュアハワイアンWebマガジン編集部

この記事は、ピュアハワイアンを提供する株式会社トーエルの編集部が監修しており、ウォーターサーバーについて役に立つ情報発信を目指しています。

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