自立神経やホルモンバランスの乱れから、交感神経が刺激されることが原因です

冷え性とは、体の末端が冷える症状を指します。冬場など寒い時期になると、手足が冷たくなる人が多くいるかもしれません。しかし、冷え性の人は季節を問わず、手足が冷たいだけでなく、汗をかきやすい傾向があります。
このような症状に悩む方も多いのではないでしょうか?今回は、冷え性なのに汗をかきやすい理由について詳しく解説します。
目次
冷え性なのに汗をかきやすい理由は「体温を上げようとしているから」
冷え性の人が汗をかく理由は、通常の運動中や夏場などに汗をかく理由とは少し異なります。
汗をかく理由
一般的には、暑い季節や運動時など、体温が上昇するため、体を冷やすために汗をかきます。汗をかくことで、体温を下げ、運動中の熱中症や体調不良を防ぐことができるのです。
また、食べ物や飲み物が原因で汗をかくこともあります。スパイシーな料理やコーヒーなどカフェインが含まれた飲み物など、体内に熱を与えるものを摂取すると、体温が上昇し汗をかくことがあります。
冷え性の人が汗をかく理由
一方、冷え性の人は身体の末端が冷えているため、体温を上げようとして身体の代謝が活発になります。この代謝の活発化によって、汗をかきやすくなることがあるのです。
具体的には、身体の末端が冷えている状態では、血管が収縮して血流が悪くなります。そのため、身体の中心部にある臓器や筋肉などがあたたかく保たれ、周辺には十分な血流が行き渡らなくなってしまい、代謝が低下してしまうのです。
しかし、身体はあたためるための必要なエネルギーを確保しようと、代謝を上げて熱を発生させるのです。この結果、汗をかきやすくなることに繋がります。
足の汗
冷え性なのに足だけ汗をかいてしまうのも、同様の理由が当てはまります。冷え切った足先をあたためようと血液を送り、体温の上がりすぎを防ぐだめに汗をかいてしまうのです。あたたかい靴下や服装、飲み物や食事などで身体をあたため続けることで、代謝を抑え汗をかきにくくなることが期待できます。
冷え性の原因は「血行不良」や「自律神経の乱れ」などさまざま
身体の末端から冷やす冷え性の原因は多岐にわたるため、自分自身の生活や環境に原因がないかを知り、対策をとることで改善や予防につながります。
血行不良
冷え性の最大の原因は、身体の末端部分(手足や耳、鼻先など)の血管が収縮し、血流が悪くなることによる血行不良です。血流が悪いと、身体の中心部(心臓や内臓)から末端部分に十分な血液や栄養が届かず、身体が冷えるため、体温調節機能が低下します。
生活習慣
不規則な食生活や栄養不足、運動不足や睡眠不足などの生活習慣が、冷え性の原因になることがあります。過度のダイエットや禁煙、過度のストレスなども、冷え性を引き起こす要因といわれています。
またダイエットによって筋肉が落ちてしまうと、やふくらはぎの筋肉が衰え、血液を心臓に送る機能が鈍くなってしまうのです。さらに筋力の低下は基礎代謝の低下に繋がり、体温が低くなってしまい余計に冷えを招いてしまいます。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、生理前や更年期などのホルモンバランスの乱れが、冷え性を引き起こすことがあります。また、極端なダイエットによる鉄分不足からも、冷え性を引き起こしやすくなります。
環境・病気や治療
寒冷な気候や屋外での作業、冷房や冷蔵庫などの冷たい環境に長時間いることも、冷え性の原因となります。
また糖尿病や貧血などの病気、また、抗がん剤などの治療によって、血液や血管に影響を及ぼして冷え性を引き起こすことがあります。
汗かきは、冷えの一種である「冷えのぼせ」かもしれません
冷え性には末端型の冷え性や全身型の冷え性があります。また、冷えのぼせと呼ばれる、冷えからくる汗やほてりの症状もあります。
冷えのぼせ
「冷えのぼせ」とは、体が冷えているにもかかわらず、突然発汗やほてりを感じる現象のことを指し、冷え性の人に多く見られる症状です。冷えのぼせが発生する原因は、体内の血行不良によるものが一般的です。
血行が悪いと、体の末端部分(手足)が冷えてしまいます。そのため、身体が「冷えている」と感じるものの、実際には体内の温度は高いまま、身体が自然と発汗を促すことで熱を逃そうとするのです。熱を逃がすために、発汗やほてりを感じることがあります。
また、冷たいものや冷たい場所に触れたり、体が急に冷えたりする場合にも、冷えのぼせを引き起こすことがあります。さらに、ストレスや疲れなども、冷えのぼせを誘発する原因となることがあります。
冷え性の種類
四肢末端型の冷え性
四肢末端型の冷え性とは、手足などの末端部分が冷たくなり、冷たさを感じやすくなる症状のことを指します。一般的に、「末端冷え性」よばれるものです。冬場に少し手足が冷たくなることはありますが、末端冷え性はそれ以上に深刻な症状で、年齢や性別に関係なくさまざまな人に見られます。
末端冷え性は、主に血行不良が原因で起こることが多く、血管が狭くなったり、血流が悪くなったりすることで、末端部分が冷えてしまうと考えられています。また、加齢や運動不足、ストレスなども末端冷え性の原因になることがあります。
全身型の冷え性
手足だけではなく、全身的に冷たく感じる症状です。体質的なものや、生活習慣の問題が原因となっていることが多くいようで。1年を通し冷えを感じているため、自覚症状がない人が多いことも特徴です。
下半身型の冷え性
腰から下が冷えるタイプの冷え性です。下半身型の冷え性は、運動不足や姿勢の悪さ、下半身の筋肉量不足など、生活習慣の影響が大きいことが特徴です。
デスクワークや車移動などで歩く時間がなく、長時間座っているような仕事の人、足を組む癖がある人に起きやすいタイプです。下半身にむくみがあることが多く、冷えによって血行不良が引き起こされることが原因の一つとされています。
内臓型の冷え性
内蔵型の冷え性は、体内の内臓が冷えていることが原因で起こる症状です。内臓が冷えることで、代謝が低下し、体内の血流が悪くなることがあります。
冷え性の改善方法は「血液循環を良くすること」
冷え性の改善には血行を促し、血液の循環を良くすることが効果的だとされています。どんな方法が自分に合うのか、取り入れやすい方法を探してみまそふ。
運動・マッサージ
運動によって身体を温め、血液循環を良くすることができます。ウォーキングやストレッチ、有酸素運動など、自分に合った運動を継続することが大切です。マッサージによっても、筋肉の緊張をほぐすことができます。特に、足のマッサージは効果的です。
食事
栄養バランスの良い食事を心がけましょう。特に、温かいものを摂ることが大切です。生姜やにんにくなど、身体を温める効果のある食材を取り入れるのも良いでしょう。
ただし、冷えのぼせが気になる方は、暖かいものを食べたり飲んだりする場合は、少しずつ摂取するようにしてください。急激な血管の拡張を防ぐためにも、熱いものは冷ましてから摂るようにすると良いでしょう。
睡眠
良質な睡眠をとることも重要です。寝る前に温かいお風呂に入る、布団を温めるなど、寝る環境を整えることが大切です。睡眠不足や疲れが原因で、冷えのぼせを引き起こすことがあるため、良質な睡眠を心がけましょう。
服装
冷えを防ぐために、厚手の衣服を着用するなど、身体を保温することも大切です。また、家の中でも靴下を履くなど、足首や足元は特に温かくするようにしましょう。
ストレスの解消
ストレスは血行を悪化させるため、ストレスを軽減する方法を見つけることも大切です。ストレッチやヨガ、マッサージや散歩など、リラックスできる方法を取り入れてみましょう。
(まとめ)冷え性なのに汗かきな理由とは?
自立神経やホルモンバランスの乱れから、交感神経が刺激されることが原因です
手足や身体の末端が冷えて冷え性の人は、身体の体温を上げるために代謝が活発になります。この代謝の活発化により、汗をかきやすくなってしまうのです。
冷え性には、種類によって原因や改善方法が異なるため、まずは自分がどの冷え性の種類なのかを確認してみましょう。運動やマッサージ、身体をあたあためる食材を取り入れながら、適切な対策を行うことが大切です。