ウォーターサーバーのお湯は、内部の温水タンクで熱湯を沸かす仕組みになっています

ウォーターサーバーは、レバーを押すだけで熱いお湯や冷たいお水を使える便利な家電ですが、内部ではどのようにお湯が作られているのでしょうか。実は、電気ポットと同じように金属棒(ヒーター)を電気で加熱するという、非常にシンプルな構造です。

この記事では、ウォーターサーバーのお湯が出る仕組みを中心に、冷水との違いや安全・省エネ・衛生機能まで詳しく解説します。

ウォーターサーバーからお湯が出る基本の仕組み

ウォーターサーバーの内部には、温水用と冷水用の2つのタンクが搭載されています。温水タンクの中では、金属のヒーターに電流を流すことで水を加熱し、約80〜90℃に保温します。

内部の温水タンクとヒーターの役割

温水タンクには金属棒(ヒーター)が取り付けられ、電流を流すことで金属が熱を発生させ、その熱が水に伝わりお湯になります。

タンク内では自動的に温度を感知し、設定温度を下回ると再加熱を行うため、常に一定の温度を保つことができます。

電気ポットと同じ「電熱加熱方式」

お湯を作る仕組みは、家庭で使われる電気ポットとほぼ同じ原理です。従来のウォーターサーバーは、冷水タンクを通った水を温水タンクに移して加熱していたため、加熱時間が長く、電力消費が多くなる傾向がありました。

現在では温水・冷水タンクを完全に分離し、それぞれ独立して加熱・冷却する構造が主流です。これにより、短時間で安定した温水を供給し、電気代の削減にもつながっています。

お湯の温度は何度?使用シーンに最適な目安

ウォーターサーバーの温水は多くの機種で80〜90℃前後に設定されています。80℃以上であれば、粉ミルクの殺菌やコーヒーの抽出、インスタント食品の調理にも十分対応可能です。

家庭内のさまざまなシーンで、電気ポットを使わずに必要な分だけお湯をすぐに使えるのが大きな魅力です。

⇒ウォーターサーバーのお湯の温度に関する記事はこちら

冷たいお水をつくる仕組みは2種類ある


温水に比べてやや複雑なのが冷水タンクの構造です。ウォーターサーバーでは「ペルチェ式」と「コンプレッサー式」の2つの方式で冷水を作り出します。

静音・省エネに優れた「ペルチェ式」

ペルチェ式は、電気を通すと片面が冷え、反対側が熱くなる「ペルチェ素子」を利用する方式です。電子冷却のため静音性が高く、部品が少ないため省エネ性能にも優れています。

その一方で、冷却能力が比較的弱いため、小型の卓上サーバーなどに採用されることが多いです。電気代を抑えたい方や、一人暮らしなど少量の水を使う環境に適しています。

冷却力が高い「コンプレッサー式」

コンプレッサー式は、冷蔵庫と同じ原理で冷媒ガスを圧縮・循環させて冷却する方式です。

金属パイプの中を通る冷媒ガスが熱を奪うことで、水が効率的に冷やされます。冷却速度が速く、大容量のサーバーでも安定した温度を維持できるのが特徴です。

その分、本体サイズがやや大きくなりますが、現在の主流はこの方式です。

方式による電気代・使い勝手の違い

ペルチェ式は静音性・省エネ性に優れ、コンプレッサー式は冷却力と安定性で優れています。多くの家庭では、電気代と冷却性能のバランスが取れたコンプレッサー式が選ばれています。

安全・省エネ・衛生機能を備えたウォーターサーバーの工夫


ウォーターサーバーは高温の温水を扱う家電であるため、安全性と省エネ、そして衛生面の確保が欠かせません。最近の機種は、使う人の安心と快適さを両立するためのさまざまな機能を備えています。

チャイルドロックで誤操作を防ぐ

温水レバーにロックをかけ、ボタンを押さないとお湯が出ない構造の「チャイルドロック機能」は、多くの機種に標準搭載されています。

小さな子どもが誤ってお湯を出してしまう事故を防げるため、家庭での安全性を高める重要な仕組みです。最近では、タッチ式やスライド式など、デザイン性と使いやすさを兼ね備えたモデルも登場しています。

エコモードで電気代を節約

ウォーターサーバーは常時電源を入れておく必要がありますが、エコモード機能を活用すれば電力消費を抑えられます。明るさセンサーで部屋の明るさを検知し、夜間や不在時に自動で加熱を停止する仕組みです。

これにより、通常運転に比べて約30〜35%の電気代を削減できるケースもあります。頻繁に電源を抜くよりも、エコモードを活用するほうが安全で効率的です。

自動クリーン機能で衛生管理を維持

ウォーターサーバーのお水は飲用に直接関わるため、内部の清潔さが重要です。自動クリーン機能付きのモデルでは、一定時間ごとにサーバー内部を高温循環させて雑菌の繁殖を防止します。


また、UV(紫外線)ランプを利用した殺菌方式を採用するモデルもあり、手入れの手間を減らしながら衛生状態を保つことができます。手動での掃除が難しい内部構造でも、こうした自動機能によって安心して長く使用できます。

ウォーターサーバーのお湯が活躍するシーン


ウォーターサーバーのお湯の温度は、それぞれの機種によって異なります。一般的に90℃前後のお湯が出る機種が多いです。90℃前後のお湯であれば、さまざまな用途に用いることができます。

赤ちゃんのミルク作りをスムーズに

粉ミルクを作るには70〜80℃のお湯が必要です。ウォーターサーバーなら90℃前後のお湯がすぐに出せるため、時間をかけずにミルクを調乳できます。

また、冷水も同じサーバーから注げるため、混ぜて適温に調整するのも簡単です。

コーヒー・お茶・インスタント食品にも便利

コーヒーや煎茶は熱湯よりも少し低めの温度が最適とされており、ウォーターサーバーの温水はちょうどよい温度帯です。

インスタント麺やスープも、すぐにお湯を注げるため忙しい朝や夜食時に重宝します。

料理や炊飯など日常使いにも活用できる

お米を研いだあとにウォーターサーバーの水で炊くと、カルキ臭のないまろやかな仕上がりになります。また、白湯やスープ作りなど、毎日の調理にも活用できます。

⇒ウォーターサーバーで作るお茶やコーヒーに関する記事はこちら

ウォーターサーバーを上手に活用して毎日を快適に

ウォーターサーバーは、手間なくおいしいお水をいつでも使える便利な家電です。お水は定期的に宅配されるため、自分で購入して運ぶ必要がなく、重いボトルを持ち運ぶ負担を軽減できます。

自宅で手軽においしいお水を確保

ペットボトル水の場合、冷蔵庫に常備し忘れると切らしてしまうことがあります。ウォーターサーバーなら、定期配送でお水を確実に確保でき、在庫切れの心配が少なくなります。

また、必要なときにすぐ温水・冷水を使えるため、調理や飲み物の準備もスムーズ。生活リズムに合わせて自然に水分補給ができる環境が整います。

家族みんなで楽しめるおいしさ

ウォーターサーバーでは、天然水やRO水など、採水地や処理方法によって異なる味わいを楽しめます。塩素などのニオイが気になりにくく、水道水では得られないまろやかさが特徴です。

乳児にも安心して使える品質のお水を選べば、沸騰させる手間を省け、ミルク作りの時短にもつながります。

生活に合わせて使いやすく進化

最近のウォーターサーバーは、エコモードや自動クリーン機能を搭載し、省エネ性・衛生性の両面で進化しています。

夜間や不在時の自動節電や内部高温洗浄など、手入れの手間を減らしながら清潔な状態を保てます。家庭のライフスタイルに合わせて使い方を工夫できる柔軟さも魅力です。

⇒ウォーターサーバーを置くメリットに関する記事はこちら

ウォーターサーバーのお湯に関するよくある質問

Q1. ウォーターサーバーのお湯は本当に熱い?何度くらい出ますか?

A. 機種にもよりますが、多くのウォーターサーバーでは約80〜90℃の温水が出ます。これは赤ちゃんの粉ミルクを溶かす際に必要な70〜80℃を十分に上回る温度です。

コーヒーやお茶、インスタント食品の調理にも適しており、一般的な家庭用電気ポットと同程度の熱さです。

Q2. 一度冷めたお湯は再加熱されますか?

A. はい。温水タンク内では自動で温度を一定に保つよう制御されており、設定温度を下回るとヒーターが作動して再加熱します。

冷水と温水を別々のタンクで管理するため、効率的に温度が維持されます。

Q3. お湯を使わないときは電源を切ってもいいですか?

A. 基本的には常に電源を入れたままにしておくことが推奨されています。電源を切るとタンク内の温度が下がり、雑菌が繁殖しやすくなるおそれがあります。

長期間不在にする場合は、水を抜き、清掃・乾燥させてから電源を切るのが安全です。

Q4. チャイルドロックはどんな仕組みですか?

A. 温水レバーにロックボタンを設け、ボタンを押しながらレバーを操作しないとお湯が出ない構造です。

二段階操作式やタッチパネル式、スライド式などタイプはさまざまですが、いずれも子どもが誤って操作できない設計になっています。

Q5. ウォーターサーバーのお湯は飲んでも大丈夫?

A. 問題ありません。温水タンク内のお湯は飲用を前提としており、定期的に高温で加熱殺菌されます。

ただし、赤ちゃんに直接飲ませる場合は、熱すぎるため一度冷ましてから与えるようにしましょう。

Q6. 節電したいときはどうすればいい?

A. 夜間や不在時に自動で加熱を停止する「エコモード搭載モデル」を選ぶのが効果的です。

また、温水タンクの常時保温をやめて使用時だけ加熱する「瞬間湯沸かし式」もあります。頻繁に電源を抜くよりも、これらの機能を活用した方が安全かつ経済的です。

Q7. 停電時はお湯を使えますか?

A. 電気を使って加熱しているため、停電時はお湯を出すことができません。ただし、重力で注水できる「コック式」や「レバー式」タイプであれば、常温水は利用できる場合があります。

防災用途として常温水を確保しておくと安心です。

(まとめ)ウォーターサーバーからお湯が出る仕組みとは?

ウォーターサーバーのお湯は、内部の温水タンクで熱湯を沸かす仕組みになっています

ウォーターサーバーのお湯は、内部の温水タンクで電気加熱するシンプルな構造です。冷水との独立タンク設計により、短時間で適温の水を供給できます。

さらに、チャイルドロックやエコモード、自動クリーン機能などの搭載により、安全性・省エネ性・衛生面が大きく向上しています。家庭の用途やライフスタイルに合わせて機種を選べば、調理や飲み物の準備がより快適になります。

仕組みを理解して上手に活用し、安心で便利なウォーターサーバーライフを実現しましょう。

【この記事の執筆】

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ピュアハワイアンWebマガジン編集部

この記事は、ピュアハワイアンを提供する株式会社トーエルの編集部が監修しており、ウォーターサーバーについて役に立つ情報発信を目指しています。

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