赤ちゃんに与える水分量は母乳やミルクも含め、体重1kgあたり100mlが目安です
赤ちゃんは大人よりも発汗量が多く、2倍程度あるとも言われています。そのため赤ちゃんにとって水分補給を行うことは大切になってきます。
赤ちゃんが摂取する水分量は、基本的に10kgまでは体重1kgあたり1日100ml程度必要と考えられています。暑い日や運動などでたっぷり汗をかいたときには、水分量を調整するようにしましょう。
ただし、与えすぎると水中毒になる恐れがあるため、注意しましょう。
目次
赤ちゃんの水分量は発汗量などで調節し、脱水症状にならないように
赤ちゃんは大人よりも発汗量が多く、およそ2倍になるとも言われています。そのため赤ちゃんの健康を維持するためにも水分補給は大切になります。
赤ちゃんに与える水分量は、体重10kg未満であれば体重1kgあたり1日100ml程度と言われています。この水分量は、母乳やミルクの量も含みます。
母乳やミルクをたっぷり飲む赤ちゃんであれば、水分を与える必要はないと考えられています。しかし夏場など汗の量が多いときには水分を補うように心がけましょう。
また下痢や発熱、嘔吐などのときにも多くの水分が奪われています。そのため体調が悪いときにも水分を多めに与えるように心がけましょう。
母乳やミルク以外の水分だけなら、約200から400mlが望ましいと言われています。20から30ml程度のお水を少しずつ与えるようにしてください。
1日に与える水分量を目安にしながら、赤ちゃんの体調をみながら水分量を調節するようにしてください。
脱水の症状とは
赤ちゃんや小さな子供は、のどの渇きを感じたときにはすでに脱水状態になっていると言われています。熱中症にならないためには、親が早めにいつもと違う様子に気づいてあげることが重要です。
おしっこの量や回数が少ない、おしっこの色が濃い、唇や肌が乾燥している、目がくぼんでいる、機嫌が悪いなどの症状がみられたら、脱水が進んでいるかもしれません。
飲み物を飲むことができない、ほとんど飲めていない場合には、早めに病院を受診しましょう。
どんなものをどのタイミングで与えたらよい?
乳児や子供の水分補給には、糖分を含まないお茶や白湯がおすすめです。食欲がないときには吸収のいい赤ちゃん用のイオン飲料や経口補水液を選ぶといいでしょう。
また、運動などで大量に汗をかいたときには、汗と一緒に失われた電解質と糖を含むスポーツドリンクも適しています。
のどが乾く状態になる前に、汗をかいたときにはこまめに水分補給をしてあげましょう。
水分補給におすすめのタイミング
・起床時
・運動前と運動後
・食事、おやつのとき
・入浴前と入浴後
・寝る前
水分の与えすぎは「水中毒」になる恐れがあるので注意が必要
水分が不足すると脱水症状になり、健康に害を及ぼします。反対に水分を与えすぎても、赤ちゃんにとって良くないと言われています。
水分の与えすぎは、水中毒と呼ばれる症状を招く可能性があります。水中毒とは水分によって血液が薄くなり、その結果ナトリウムなどが少なくなる症状です。
そのため赤ちゃんは体調を崩してしまうと言われています。水分は適切量を守ることが重要と考えられます。
赤ちゃんに与える水分の種類
赤ちゃんに与える水分は質も重要です。味覚を育てるためには、味がついた果汁よりも無味のお茶の方が好ましいと言われています。
またミネラルウォーターも良くないと考えられています。赤ちゃんにとってマグネシウムなどを多量に含む水分を多く摂取すると内臓に悪影響を与える可能性があります。
そのため赤ちゃんに与える水分は、硬水よりも軟水の方がいいとされています。水道水にも消毒のための塩素が含まれています。
そのため十分な煮沸を行ってから、赤ちゃんには与えるようにしてください。赤ちゃんのためには水分量だけでなく、内臓に負担のかからない水を与えるようにしましょう。
水中毒の症状とは
水中毒とは、水分を過剰に摂取したために血液中のナトリウム(塩分)が少なくなった、「低ナトリウム血症」の状態のことです。
水を大量に飲んで血液が薄まり、血中の塩分濃度が低くなると、さまざまな症状が表れ、ひどい場合には命に関わることもあります。
めまい、頭痛、発熱、多尿、嘔吐、意識障害、経連発作などの症状がみられたら、水中毒になっているかもしれません。
脱水症状の予防のためにも、水分はまとめて摂取しないでこまめに飲ませるようにしましょう。
赤ちゃんに与えるおすすめの飲料
新生児は母乳や粉ミルクを飲むだけで必要な水分が補給されるので、それ以外に飲み物を飲ませる必要はありません。
母乳以外の味に慣れるようにと他の飲み物を飲ませるママもいますが、飲ませすぎるとミルクが飲めなくなることもあるので注意しましょう。
赤ちゃんにおすすめの飲み物は、基本的には糖質の多いジュース類ではなく白湯やノンカフェインのお茶です。白湯やノンカフェインのお茶の特徴についてご紹介します。
白湯、湯冷まし
白湯や湯冷ましとは、水を沸騰させてからそのまま飲めるような温度まで冷ましたお湯、水のことです。カロリーや糖分などを含まないため、水分補給に手軽に利用できるでしょう。
ノンカフェインのお茶
消化器官が未熟な赤ちゃんには、カフェインの入った飲み物は負担が大きい場合があります。カフェインを含まない麦茶や低カフェインのほうじ茶、または、ベビー用のお茶、イオン飲料も水分補給におすすめの飲み物です。
離乳食期の赤ちゃんへ与える水分量と水分摂取のポイント
離乳食期の赤ちゃんの場合に水分補給をどのように行ったらいいのか、与える水分量と水分補給時のポイントについてご紹介します。
離乳食期にも水分補給は必要?
離乳食期までは、母乳やミルクを飲むことで赤ちゃんに必要な水分が足りていたのですが、離乳食期になると母乳やミルクの量が減るため、食事だけでは水分量が不足してしまいます。
また食事のときに水分をとることで、口の中をきれいにする目的もあります。
まだ哺乳瓶しか使えない水分補給は、離乳食が始まる5~6ヶ月ころから徐々に慣らしてください。離乳食初期に哺乳瓶を使った水分補給を始めます。
離乳食中期には、お風呂上がりや帰宅時などの水分が不足しがちなときや、母乳、ミルクの間に水分補給を行います。スプーンからも飲み物が飲めるようになってくるでしょう。
離乳食後期には徐々にコップやストローから飲み物を飲めるようになるので、食事のとき以外にもお風呂上がりや汗をかいたときなどこまめに水分補給をすることができます。
とくに熱があるとき、暑い夏、たくさん泣いた後など、水分不足が気になるタイミングで水分補給します。
1回分の水分補給量は、どの時期でも10~30ml程度を目安にしてください。
ミルク作りや湯冷ましには、ウォーターサーバーの活用がおすすめ
赤ちゃんにとって離乳食が開始するまでは、母乳やミルクからの栄養が基本となります。完全母乳で育てられればミルクを作る必要はありません。
しかしなんらかの理由で粉ミルクを使用している人は多くいます。粉ミルクは必ず熱湯で溶かす必要があります。
これはミルクの缶を開けた後から、細菌は繁殖しています。とくにサカザギ菌と呼ばれる細菌を不活性化するためには、70度以上が必要と言われています。
反対に沸騰した直後の熱湯は、ミルクの栄養素が壊されてしまう可能性があります。そのため調乳するためのお湯の温度は、80から90度程度とされています。
ミルク作りの工程を省くウォーターサーバー
またミルク作りには、人肌に冷ます工程もあります。人肌に冷ましてから赤ちゃんに与えなければ、火傷する恐れがあるため注意しましょう。
ウォーターサーバーを設置することで、これらの作業の負担を軽減することができます。ウォーターサーバーは85度程度のお湯が出るため、ミルクを溶かすためには最適な温度です。
さらに完全にミルクを溶かしてから、冷水を加え温度調整することはとくに問題ありません。そのため人肌の温度調整も楽に行うことができます。
(まとめ)赤ちゃんが1日に必要な水分量はどれくらい?
赤ちゃんに与える水分量は母乳やミルクも含め、体重1kgあたり100mlが目安です
赤ちゃんは、母乳やミルクを飲んでいるときには基本的に水分補給の必要がありません。ところが、離乳食を始めてからは母乳やミルクの量が徐々に減っていきます。
離乳食開始以降は、母乳を飲まない分の水分摂取量が不足しやすくなるでしょう。
赤ちゃんは代謝が良く大人よりも脱水症状を起こしやすいので、白湯やお茶などの赤ちゃんに適した飲み物で水分補給を行うことが大切です。
お風呂上がり、汗をかいたとき、また、食事、おやつといったタイミングでこまめに水分補給をしてあげてください。
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