1歳児の嘔吐下痢には、こまめに少しずつに5ml程度の水分を与えましょう

嘔吐下痢の症状があるときには、無理に水分を与えても吐いてしまう可能性があります。そのためある程度症状が落ち着いてから飲ませるようにしましょう。
5ml程度の水分をこまめに与えるようにしてください。水分以外にもナトリウムやカリウムなども不足している恐れがあります。
経口補水液やイオン飲料などナトリウムが含まれている水分を与えるようにしてください。半日以上おしっこが出ないなどの症状があるときは、病院を受診しましょう。
嘔吐下痢は風邪ではなく、ウイルスなどが原因の可能性もあります。
目次
嘔吐下痢の症状でも、慌てず対応しましょう
嘔吐下痢の症状が起こると、心配のあまり両親が慌ててしまうことがあります。慌てて行動しても、プラスに働くことはありません。
まずは深呼吸し、気持ちを落ち着かせるようにしましょう。全身の状態観察を行い、嘔吐物や便の形状、色などを確認してください。
脱水が怖いからと言って、慌てて水分を飲ませるのも逆効果です。胃のなかを空にすることで、嘔吐下痢の症状が弱まり、体力を温存する効果も期待できます。
無理に水分を与えない
また嘔吐が激しく起こっているタイミングで、多くの水分を飲ませてしまうと吐き気をアップさせると言われています。そのため症状が強い間は、無理に水分を与えないようにしましょう。
嘔吐下痢の症状が少し和らいだタイミングで飲ませるようにしてください。症状が和らいでいても、水分は5ml程度から飲ませるようにしましょう。
症状が強くなっていないか確認しながら、徐々に量を増やすようにしてください。時間をかけて、ゆっくり飲ませましょう。
体内の水分が不足して脱水状態になることもあります

嘔吐下痢のときには、電解質のバランスが乱れている恐れもあります。そのため電解質をプラスした水分を飲むようにしてください。
水分補給の方法
電解質を含んだ水分には、イオン飲料や経口補水液などがあります。経口歩数液は塩分(ナトリウム)と糖分を含んだ飲み物です。子供が飲めるタイプの物を選んでください。
子供用でなければ、胃への刺激が強いことがあります。場合によっては、その刺激によって臓器を痛める恐れもあります。
臓器のためにも年齢にあった飲み物を与えるようにしましょう。電解質のバランスをよくすることによって、脱水状態を回避することに繋がります。
嘔吐や下痢をしている場合の栄養補給
子供が嘔吐しているときには、食事の取り方にも注意が必要です。具合が悪いときに無理をさせないように気をつけてあげましょう。
嘔吐しているとき
子供が胃腸炎などの病気にかかると胃や腸の働きが悪くなるため、嘔吐や下痢といった症状が出ることが多いです。
胃や腸の動きが悪いときは食べた物を消化吸収する機能が低下していることから、消化できない物をほとんど吐いてしまうと言われています。
嘔吐直後はとくに胃や腸が悪い状態になっているため、すぐに食事をさせることは避けてください。吐き気が止まって水分の摂取が可能になり食欲が出始めたら、消化の良い食べ物を食べさせましょう。
消化の良いものを
食事のときには、消化吸収の良いバナナやおかゆ、うどん、スープなどを、少しずつゆっくりと食べさせてあげるのがおすすめです。
食べられるようになっても、まだ胃や腸が完全に回復していないので、いきなり普段通りの食事を食べさせてしまうと消化できずにまた吐いてしまう恐れがあります。
脂肪分の多い食品や食物繊維を多く含む食品などの消化しにくい食べ物は、お腹に負担がかかるため食べさせないように気をつけましょう。
食べてさせてもいい食べ物
- 粉ミルク、母乳(摂取量を控え目に)
- おかゆ、パンがゆ
- 野菜スープ
- うどん(やわらかく煮込み、小さくきざんだ物)
- りんご、バナナ
- ボーロ、プリン、ゼリーなど
食べさせない方がいい食べ物
- 牛乳、乳製品
- 脂肪の多い魚、肉類
- 食物繊維の多いさつまいも、たけのこ、ごぼう、キノコ類
- せんべい、オレンジ果汁、アイスクリームなど
涙が出ないなどの症状があるときは病院へ
嘔吐下痢が2日以上継続している場合には、著しく体力が低下している危険性があります。また脱水の状態も悪化していることも考えられます。
この場合には、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院を利用してください。
- 半日以上おしっこが出ない
- 泣いても涙が出ない
- 顔色が悪い
- 皮膚、口、舌が乾燥している
- 涙や汗が出ていない
- ボーとしている
これらの症状がある場合にも、一度専門医の診察を受けるようにしましょう。水分を摂るだけでは症状が改善しない可能性もあります。
点滴など医療的な処置が必要になることもあるため、注意しましょう。また便に血液が混ざっている場合も、すぐに診察を受けてください。
嘔吐下痢はウイルスによって引き起こされた可能性もあります
嘔吐下痢は、風邪だけが原因ではありません。ウイルス性胃腸炎が原因になっていることも多くあります。
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- 腸管アデノウイルス
これらのウイルスは1歳に感染すると、症状が悪化することがあると言われています。そのため嘔吐下痢になったときには、原因を知ることが重要です。
ウイルスによっては、感染しやすい物も多く、周囲の人へ配慮することが必要になってきます。症状が落ち着いても感染期間が長い場合があります。
とくに排泄物は1週間程度ウイルスが侵入している可能性があります。周囲にうつさないためにも、感染しやすい時期は登園を避けるなど適切な対応を取ってください。
保育園に通っている場合には、登園停止期間など保育園のルールを守るようにしてください。日頃から、ウイルスに感染しないための対策をきちんと行うようにしましょう。
手洗いやうがいを徹底させ、加熱などによる消毒も行うようにしましょう。
(まとめ)1歳児の嘔吐下痢による、水分不足の対処法とは?
1歳児の嘔吐下痢には、こまめに少しずつに5ml程度の水分を与えましょう
1歳児が嘔吐下痢の症状で水分が不足しているときには、嘔吐後すぐに水分補給をしてもまた吐いてしまう場合があります。脱水の心配をして慌てて水分補給をするのではなく、嘔吐下痢の症状が落ち着くまで待ってから水分を与えることが大切です。
嘔吐下痢のときには、電解質のバランスが乱れることもあるため、イオン飲料や経口補水液での水分補給を行ってください。症状が少し落ち着いたらゆっくり飲ませて脱水を予防します。
水分補給ができるようになり食欲があるときには、無理をさせないよう、消化の良い食べ物を少しずつ食べさせることができます。2日以上子供の体調が改善しないときには、体力低下やウイルス感染などの恐れもあるため、病院に行って診察を受けましょう。