よく眠れない、寝付きが悪いという方もいるでしょう。睡眠の質の向上は、心身を健康に保つために欠かせません。
普段飲んでいる飲み物一つをとってみても、睡眠の質を上げるものと、逆に睡眠の質を下げるものがあります。どのような飲み物があるのか、飲むタイミングや飲む量にも注意が必要です。
飲み物以外にも睡眠の質を上げる生活習慣についても触れているので、自分の生活習慣を見直してみましょう。
目次
睡眠の質を上げる!「オススメの飲み物5選」
睡眠の質を上げるのにオススメの飲み物があります。どのようなものを飲めばよく眠れるのか知っておきましょう。
白湯
白湯は、お水を沸騰させて50℃位まで冷ました、ややぬるめのお湯のことです。余分なものを含んでおらず、内臓に優しいのが特徴です。
胃腸が温まることで、自律神経のうち休息時に優位となる「副交感神経」が活発化し、心身がリラックスした状態になります。脳も休憩モードになり、睡眠の質も高まるとされています。
ホットミルク
ホットミルクを飲むと寝付きが良くなると言われていますが、それにはいくつか理由があります。
体内でメラトニンというホルモンが生成されると、睡眠の質が上がります。ミルクには、このメラトニンの生成を促すトリプトファンという成分が多く含まれているので、睡眠の質が上がると言われているのです。またミルクを温めると内臓も温まり、血流が良くなって眠りに入りやすくなるとも言えるでしょう。
さらに、ミルクには活動時に優位になる交感神経の動きを抑える作用のある、カルシウムが含まれています。そのためホットミルクを飲むことで心身がリラックスし、寝付きよくなるとされているのでオススメです。
ホットココア
ココアには自律神経を整え、心身の緊張をほぐすテオブロミンという成分が含まれています。また、ココアをミルクで割ってミルクココアにすることで、ミルクに含まれるトリプトファンも一緒に摂取できるので、より睡眠の質を高めることができるでしょう。
さらにココアに含まれる糖質は、疲労回復の作用をもたらします。ただし、飲み過ぎは肥満の原因となるので気を付けてください。
ハーブティー
ハーブティーは自律神経のバランスを調節し、リラックス効果をもたらす飲み物です。香りが種類によって違うので、好きな香りを選ぶ楽しさもあります。
中でも不眠に良いとされるのが、カモミールティーです。青リンゴのような爽やかでフルーティーな香りが特徴です。
鎮静作用もあるので緊張をほぐし、疲労を和らげる効果も期待できます。
生姜湯
生姜にはショウガオールという血流を促し、体の内側から熱を生成する辛み成分が含まれています。体を温めることで副交感神経を優位にし、リラックス効果をもたらして眠りに入りやすい状態を作ってくれます。
寝る前に飲めばよく眠れるのでオススメです。ハチミツやレモンなどを入れると飲みやすくなります。
より効果的に!飲む「タイミング」と「注意点」
睡眠の質を上げる飲み物は、飲むタイミングや量によってより効果が高まる、もしくは逆効果となる場合もあります。ベストタイミングや飲む際の注意点も把握しておきましょう。
睡眠前に飲むタイミング
寝付きの悪さを改善するには、就寝1~2時間前のタイミングで温かい飲み物を飲むのがオススメです。寝る前に体の皮膚の温度が上がり、そこから熱を外に出すと同時に体の深部体温が下がることで眠くなり、睡眠モードに入ることができます。
つまり、寝る1~2時間前に温かい飲み物を飲んで、深部体温をできる限り高くしておくのが大事です。皮膚体温と深部体温の差が大きいと、より眠りに入りやすくなります。
そして、就寝直前のタイミングで常温か、もしくは冷たい飲み物を飲んで一気に深部体温を下げる、というのも睡眠の質を高めるポイントになります。
飲む量の目安
寝る前に飲む飲み物の量は、コップ1杯くらいが良いでしょう。なぜなら、寝ている間に汗をかくので、飲む量が少ないと水分不足になり、体温調節がうまくいかず安眠が妨げられる可能性もあるからです。
また逆に多すぎるとトイレに行きたくなり、夜中に目が覚めるので睡眠の質が下がってしまうかもしれません。多くてもコップ2杯までにしておくことをオススメします。
飲み物の温度に注意を
就寝前に飲むと良い温かい飲み物も、あまりに熱いと胃腸にストレスを与えます。そうなると活動時に優位になる交感神経を刺激し、逆に目が冴えてしまう可能性があるので飲み物の温度には注意が必要です。
大体50℃を目安としてください。そして寝る直前に飲む冷たい飲み物も、冷たすぎると胃腸が冷えてお腹を壊す可能性もあります。
また、飲む時は一気にではなく、少しずつ飲みましょう。
睡眠の質を下げる「控えたい飲み物」
寝る前に飲むと睡眠を妨げてしまう飲み物もあります。控えるためにも、どのような飲み物がNGかを見ていきましょう。
コーヒー
コーヒーを飲むとよく目が冴えると言われます。それは、コーヒーに含まれる覚醒作用のあるカフェインの影響です。
さらに、カフェインには利尿作用があるため、夜中にトイレに行きたくなり目が覚めてしまうことも考えられます。コーヒーは睡眠の質を下げるので、寝る前に飲まない方が良いでしょう。
アルコール
お酒を飲むとよく眠れると思われがちですが、実はそうではありません。お酒を飲んで睡魔に襲われるのは、アルコールの鎮静作用によるものです。
アルコールは通常肝臓で分解され、覚醒作用のあるアセトアルデヒドを生成します。その結果、徐々に眠りが浅くなり、睡眠中に何度も目が覚めるので睡眠の質は下がると言えます。
お茶
お茶の中でも、緑茶はコーヒーと同様にカフェインが多く含まれています。寝る前に飲むと覚醒作用により、眠りが妨げられるので熟睡できません。
また利尿作用により、夜中に尿意を覚えて何度もトイレに行くことになり、安眠が維持できないので寝る前に飲むのは控えましょう。
飲み物以外にも工夫を!睡眠の質を上げる「生活習慣」
飲み物を飲む以外にも生活習慣を工夫することで、睡眠の質を上げることができます。どのようなことをすればいいか知り、取り入れてみましょう。
食事をしっかりとり、適度な運動をする
1日3食、栄養バランスの良い食事をとることは睡眠の質を上げるのに必要です。睡眠にはエネルギーが必要となるので、食事も睡眠に影響を及ぼします。
また、生活リズムを乱さないためにも、毎日大体決まった時間に食事をとり、就寝することも大事です。さらに日常生活に適度な運動を取り入れることで、体が程よく疲れて眠気を誘いやすいと言えます。
軽めのウォーキングなどを、就寝時間の3時間前までに行うようにしてください。寝る直前の運動は交感神経が活発になり、目が冴えてしまうので気を付けましょう。
日光を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を体に浴びてください。太陽の光を浴びると、ずれている体内時計を正常に修正できるので、就寝時間を迎えた時に自然に入眠しやすくなります。
太陽の光を浴びると、セロトニンというホルモンの分泌量が増えます。セロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料です。
夜にメラトニンの分泌を増やすためには、朝目覚めに太陽を浴びてセロトニンの量を増やしておくことが大事です。
寝る前にスマホをやめて、ストレッチをする
スマホやパソコンのブルーライトは、脳が朝だと間違えてしまい交感神経が優位になって寝付きが悪くなる可能性があります。寝る1時間前はスマホなどを見ないようにし、脳を休息モードへと導きましょう。
また入眠の際に血流を促し、深部体温を下げるには軽めのストレッチも効果的です。筋肉の緊張がほぐれ、心身がリラックスするので眠りに入りやすくなります。
(まとめ)睡眠の質を上げる飲み物はどんなもの?
睡眠の質を上げるには、自律神経を整え心身をリラックスさせる、白湯やハーブティーがオススメです。睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの元となるトリプトファンを含むホットミルクや、テオブロミンを含むホットココアも適しています。
就寝の1~2時間前のタイミングで飲むことで、ちょうど就寝時間には体の深部体温が下がり、眠りにつきやすくなります。さらに、寝る直前に常温かやや冷たいものを飲むと、一気に深部体温が下がるのでより眠気が強くなるでしょう。
飲む量はコップ1杯程度、多くても2杯までにしておくのがポイントです。飲み物の温度は熱すぎず、冷たすぎない50℃前後が適温です。
また、覚醒作用のあるカフェインを含んだコーヒーや緑茶は控えた方が良いでしょう。飲み物を飲む以外にも食事や運動に気を付けるなど、少しの生活習慣の工夫で睡眠の質を上げることができます。