脱水症には経口補水液、脱水症予防の水分補給には麦茶やスポーツドリンクがオススメです
過去に脱水症状が起きたことがある、また家族の脱水症が心配な人は、脱水予防になる飲み物が気になるはずです。しかし、どのような飲み物を選べば良いのでしょうか。
脱水症になったら、経口補水液がおすすめです。また、脱水予防には麦茶やスポーツドリンクを活用してみてください。
この記事では、脱水症におすすめの飲み物、適していない飲み物を複数紹介しています。脱水予防方法や、飲むタイミングの情報もありますので、脱水症に関する知識習得にご活用ください。
目次
脱水症とは、体内の水分量が不足している状態
夏に熱中症になりやすいことが知られていますが、脱水症は1年を通してなる可能性があります。どのような状態が脱水症なのか、どのくらい水分を摂取したら良いのか詳しく紹介します。
脱水症とは?
脱水症とは、体の水分が足りていない状態のことです。私たちの体は、出ていく水分と入ってくる水分により一定に保たれており、これらのバランスが崩れると脱水症になります。
例えば、体調不良があり出血や下痢で水分を失うときや、水分摂取量よりも汗を多くかいたときに、体内の水分バランスが崩れてしまいます。失った水分を適切に補給できていれば脱水症にはなりませんが、周りが注意してあげなければならない小さな子どもや高齢者は注意が必要です。
人の体は、成人で約60%が水分です。子どもは70~80%程度で、高齢になると50%程度まで水分量が低下します。
体内の水分は内臓や筋肉に多く含まれており、脂肪は水分含有率が低いため、男性より女性や肥満者は、より脱水症にかかりやすくなります。
脱水症の見分け方
脱水症にかかっているかどうかは、簡単にチェックできます。見た目の変化や、体に触れて脱水症なのか確かめることが可能です。
体が脱水になると血流が悪くなるため、末端部位に血液が行かず、手足が冷たくなります。毛細血管が多い爪先を押して赤みが戻るのに3秒以上かかるときも、血行が悪くなっており、脱水症を疑います。
脱水になると皮膚が乾燥するため、舌の乾燥や脇の下の乾燥具合でも、脱水症を見分けることが可能です。皮膚をつまんで戻るのに3秒以上かかるときも、脱水症を疑いましょう。
軽度の場合は、めまい、だるさ、立ちくらみなどの脱水症状があります。しかし、中度になれば頭痛や吐き気が起こり、高度になると意識障害や痙攣が起こり命に関わるため、救急車を呼んだり医療機関を受診したりしてください。
1日に必要な水分量
1日に必要な水分量は、約2.5Lです。呼気、汗、尿や便から約2.5L失っているため、その分を水分補給する必要があります。
食事からも約1Lの水分が補給できるため、それ以外に1.2L以上の水分補給を心がけましょう。夏によく汗をかく時期は熱中症対策が必要で、運動などで活動量が多いときも、より多くの水分補給が必要です。
脱水症にオススメの飲み物は、経口補水液
脱水症におすすめなのは、経口補水液です。麦茶やスポーツドリンクを活用しても構いませんが、症状に合わせた飲み物を選ぶ必要があるため、それぞれの特徴を詳しく解説します。
経口補水液
経口補水液とは、電解質(ナトリウムやカリウムなどのミネラル)と糖分が含まれている飲み物のことです。脱水症のような緊急時に適しています。
汗をたくさんかいたときや、下痢などで水分を多く失ったときは、体内から水分と電解質が不足しています。このような状況で経口補水液を飲むと、塩分により水分の吸収力を高め、さらに糖分で水分の吸収速度が速くなるため、脱水を素早く解消できるのです。
経口補水液がおすすめなのは、脱水症の軽度から中度までです。脱水症が高度になると経口補水液では水分補給が追い付かないので、医療機関を受診してください。
また、塩分が多い経口補水液は、日々の飲み物として適していません。一度に大量に飲むと塩分過剰になる恐れがあるため、高血圧や腎機能が低下している人は、医師へ相談することが重要です。
嚥下障害があり水分でむせやすい高齢者には、経口補水液ゼリーがおすすめです。
スポーツドリンク
スポーツドリンクとは、電解質と糖分が含まれている飲み物のことです。経口補水液より電解質の濃度が低いので、スポーツ時や大量に汗をかいたときの水分補給として適しています。
また、スポーツドリンクにはクエン酸が含まれており、疲労回復にも効果的です。ただし、スポーツドリンクには糖分が多く含まれており、飲み過ぎに注意が必要です。
スポーツドリンクの中で、糖分が多いアイソトニックは体液と同じ浸透圧のため水分の吸収がゆっくりで、運動前の電解質補給や栄養補給に適しています。一方で、糖分が少ないスポーツドリンクのハイポトニックは吸収が早いので、運動後や運動中の水分補給におすすめです。
麦茶
麦茶は、カフェインや糖分が含まれていないため、日々の水分補給に適しています。さらにカリウムなどのミネラル成分が含まれており、カリウムは過剰に摂取した塩分排出にも役立ちます。
ただし、麦茶には塩分は含まれていません。汗を大量にかいたときは塩分補給も必要になるので、1つまみの塩や梅干しを一緒に食べると良いでしょう。
麦茶の原料の大麦は、体を冷やす働きがあります。そのため、夏の暑い時期の飲み物として、麦茶は最適です。
脱水症予防に適さない飲み物は、アルコールやカフェイン飲料
脱水症状が起きたら、体内への素早い水分補給が求められます。しかし、飲み物の中には利尿作用があるものや糖分が多く含まれているものなど、脱水症に適していないものもあるので、詳しく紹介します。
アルコール
アルコールを摂取すると、腎臓の血流を増加させ、利尿作用が高くなります。トイレが近くなり、アルコールから摂取する水分以上を失うため、アルコールは水分摂取にはなりません。
特に、夏場に飲む冷たいビールなどは、自律神経を刺激してトイレが近くなります。アルコール度数の高いお酒を飲むときに「チェイサー」と呼ばれるお水を出してくれるのは、アルコールと一緒に水分補給としてお水を飲んだほうが良いからです。
カフェイン飲料
コーヒーやお茶など、カフェインが含まれている飲み物は、利尿作用があります。摂取した以上の水分が失われる可能性があるため、水分補給として適していません。
カフェイン飲料はたしなむ程度にしましょう。過剰摂取を避けて、嗜好品として楽しむ程度なら、それほど脱水の心配をしなくて大丈夫です。
ジュース
ジュースには糖分が多く含まれているため、水分補給に適していません。糖分が多い飲み物は血糖値を上げるため、飲み過ぎると糖尿病リスクが高まります。
100%オレンジジュースやスポーツドリンクにも糖質が含まれており、喉が渇いたからといって大量に飲むのは避けてください。ジュース類は日常的な水分補給としてではなく、カフェイン飲料と同様にたしなむ程度がおすすめです。
脱水症状になりやすいのは、高齢者や小さな子ども
水分補給が苦手な人や、失う水分量が多い人は、脱水症状に注意が必要です。高齢者や小さな子ども以外にも、脱水症状になりやすい人の特徴を紹介します。
高齢者
高齢者は、体内の水分量が約50%です。成人では約60%の水分量があり、年齢とともに体内に溜め込む水分量が減るため、高齢者は脱水症状に注意が必要です。
また、高齢になると、喉の渇きを感じにくくなる理由もあります。「喉が渇いていない」という理由で自発的な水分補給量が減りやすいため、介護者や家族が水分補給を促してあげましょう。
小さな子ども
子どもの体内の水分量は、70~80%です。体重の2%の水分が失われるだけでも喉の渇きを感じるため、体内水分量が多い子どもは、大人よりも多くの水分補給が必要になります。
また、子どもは大人より活動量が多く体温が高いため、汗をかきやすい理由もあります。小さい子どもは自分で意識しての水分補給が難しいので、状況に応じて保護者が水分補給を促してあげてください。
活動量が多い人
スポーツをする人や体を動かす仕事をしている人は、体温が上がりやすく汗を多くかきます。思った以上に水分が失われていることもあるため、意識して水分補給をしましょう。
また気温が高い夏は、汗と一緒に塩分も多く失われています。お水だけでなく、スポーツドリンクで電解質もバランス良く摂取することが大切です。
疾患がある人
持病がある人は、病気や薬の影響を受けて脱水症状になるリスクが高まります。例えば、糖尿病では尿が増えやすく、利尿作用がある薬を飲んでいる人も、水分不足になりやすいため注意が必要です。
脱水症・熱中症対策には、こまめな水分補給を意識しよう
脱水症や熱中症予防のためには、こまめな水分摂取が重要です。喉が渇いたときには体の水分量が減り脱水になっているため、特に以下のタイミングで水分補給をしましょう。
起床時と就寝前
寝ているときも汗をかいているため、起床時と就寝前の水分補給がオススメです。朝起きたら、寝ているときに失った水分を補うため、コップ1杯のお水、または体に負担が少ない白湯を飲みましょう。
就寝中にトイレに起きて眠りを妨げないよう、就寝30分前くらいに水分補給をします。寝る前にトイレに行くことも忘れないでください。
就寝前には、温かい白湯やノンカフェインのハーブティーを飲むと、リラックス効果が高まり安眠できるためおすすめです。
スポーツ時
運動中は汗をかいて水分とミネラルを失うため、スポーツドリンクでの水分補給が適しています。スポーツドリンクは、糖分と一緒にミネラルとクエン酸を補給できるので、疲労回復にもおすすめです。
水分は、運動前・運動中・運動後にこまめに補給してください。運動中は15分おきの水分補給を心がけると、脱水症状を予防できます。
入浴前後
一度の入浴では、500mlのペットボトル1本分以上の水分が失われます。発汗で大量の水分が失われるため、入浴の15~30分前にコップ1杯のお水と、お風呂上がりは電解質が含まれた飲み物での水分補給がおすすめです。
入浴で水分が失われると血液の濃度が高まり、脳梗塞や心筋梗塞が起きる可能性が高まります。喉が渇いたら入浴中でも水分補給ができるよう、飲み物を持ち込むのも良いでしょう。
脱水症状を防ぐ生活習慣づくり
脱水症状を予防するに方法には、さまざまな対策があります。水分補給はもちろん、過剰に汗をかかない対策もあるため、詳しく解説します。
喉が渇く前に水分補給をする
喉が渇いた自覚症状があるときは、すでに体は脱水になっています。そのため、水分補給は喉が渇く前に行いましょう。
また、一度に水分を大量に摂取すると、胃液が薄まり、食べたものの消化吸収に負担をかけます。内臓を冷やすことでも食欲が低下し、食事からの栄養や水分不足につながりやすいため、水分はこまめな補給がおすすめです。
特に、熱中症の場合は数日前からの脱水が影響している可能性があります。気温が高い日だけ水分補給量に注意するのではなく、日ごろから水分摂取を心がけてください。
食事からも水分を摂取する
高齢になるとたくさんの水分摂取が苦手になることがあります。そのようなときは、水分量の多い食事から水分摂取すると良いでしょう。
例えば、キュウリやダイコンなど水分が多い野菜を食べる方法や、スープや雑炊にして水分摂取をする方法があります。間食には、水分が多いゼリーや果物を取り入れる方法がおすすめです。
熱中症になるのは、汗と一緒にミネラルを失っていることも原因です。カリウムは細胞内の水分量を維持するために重要なため、海藻類や豆類も食べるようにしてください。
汗をたくさんかいたときは塩分も失っているので、塩分が含まれているスポーツドリンクや経口補水液も上手く活用してください。お水や麦茶など塩分が含まれていない飲み物は、塩や梅干しを足す方法がおすすめです。
部屋の湿度や温度を一定に保つ
部屋の湿度や温度を一定に保つと、発汗量を抑えられます。エアコンをつけると電気代がもったいないと感じるかもしれませんが、体調を崩せばそれどころではありません。
脱水症状は気温の高い日だけでなく、湿度が高い曇りの日でも起こる可能性があります。屋内にいても風通しが悪く、湿度が高いと脱水症状が起こりやすいため注意してください。
脱水症対策にもハワイアンウォーターがオススメ!
脱水症対策には、こまめな水分補給が重要です。いつでも水分補給ができる環境を整えるため、ハワイアンウォーターを活用してみましょう。
ウォーターサーバーのお水を持ち歩ける
ハワイアンウォーターのお水は、水筒に入れて持ち歩くことが可能です。外出先でも自販機やコンビニなどで冷たい飲み物は購入できますが、それだと出費もゴミも増えてしまいますし、すぐに水分補給できるとも限りません。
一方で、ハワイアンウォーターのお水なら、家で水筒にお水を入れて持ち歩くだけです。購入する水ボトルの費用は、自販機で買うペットボトル水と比べてお手頃なため、コスパの面でもおすすめです。
水分補給の習慣がつきやすい
ハワイアンウォーターは、すぐに冷水や温水が使える環境を維持できます。朝起きたときの白湯や、お風呂上がりの冷水を飲むのに手間がかからないため、ウォーターサーバーがあって良かったと感じるでしょう。
コックをひねるだけでおいしいお水が出るため、糖分が多い飲み物を飲む量が自然と減っていきます。子どもがいてジュースを欲しがる家庭や、健康や虫歯予防のため甘い飲み物を避けたい人にも、ハワイアンウォーターはおすすめです。
重いお水を買いに行く必要がない
お水を飲むためペットボトルを買いに行くと、重い荷物を持ち帰る必要があります。特に、妊娠中の女性や、小さい子どもを連れて買い物に行く場合では、重たいお水を持ち帰るのは大変です。
買い物が大変だと家庭でお水を切らす可能性がありますが、自宅まで宅配してくれるハワイアンウォーターならその心配はありません。
(まとめ)脱水症状・脱水予防に適した飲み物は?
脱水症には経口補水液、脱水症予防の水分補給には麦茶やスポーツドリンクがオススメです
脱水症状は、起きてから対策するのではなく、日々の予防が重要です。特に、水分補給がしにくい高齢者や小さな子どもは、意識して水分補給をしないと脱水症状が起こりやすいため注意しましょう。
普段から脱水予防を心がけるため、こまめな水分補給と、シーンに合った水分を活用するようにしてください。お水は水分補給に最適な飲み物ですが、汗を大量にかいたときや、脱水症状が起きたときは、経口補水液なども利用すると良いでしょう。
この記事を通して、幅広い人が脱水症状を予防できると幸いです。紹介した飲み物の種類を利用しながら、体の水分を保つようにしてください。



