とうもろこしの食物繊維は神経系の便秘以外の場合に効果が期待できます
とうもろこしは、日本人にとって身近な食材ではないでしょうか。各国で主要な穀物として扱われていることを考えれば、人類全体にとって欠かせない野菜ともいえるかもしれません。
そしてそんなとうもろこしを食べることは、事実便秘解消にもつなげることができます。
とうもろこしは、そのまま食べる方法はもちろん、加工食品としても広く役立てられています。コーンスープやコーンフレークなどが代表的な例でしょう。
身近に手に入れやすい存在であるとうもろこしの有効性を知って、お腹の健康維持にうまく役立ててみてください。
目次
とうもろこしは食物繊維が豊富
便秘解消に適した食事を考えるとき、食物繊維は真っ先に頭に浮かぶような代表的な有効成分でしょう。とうもろこしには、これが豊富に含まれています。
だからこそ、とうもろこしが便秘解消に適しているといえるのです。ですが、食物繊維が豊富だからこその注意点も伴うのが実際のところです。
食物繊維にも種類があり、とうもろこしに含まれるものはとくに気を付けるべきタイプに他なりません。
とうもろこしを適切に摂って便秘を和らげよう
とうもろこし、もしくはそれを原料にした食品は、多数存在しています。多くの人が好む、人気の味わいだからに他なりません。
そんなとうもろこしを食べるだけでツライ便秘を和らげられるとすれば、何よりでしょう。その仕組みや注意点を理解した上で摂取すれば、効果はまたさらなるものとなるはずです。
特徴を押さえて、役立ててみてください。
とうもろこしに含まれるさまざまな栄養成分
とうもろこしはたくさんの栄養成分を含む食品です。主に含まれている成分は炭水化物で、食物繊維、ビタミン類、カリウムや鉄分、葉酸などのミネラル類をバランスよく含んでいます。
食物繊維
とうもろこしには、水に溶けない不溶性食物繊維が含まれています。1粒1粒の皮の部分に多く含まれている成分で、水分を吸収して膨らむのが性質です。
食物繊維は腸内で膨らみ腸管を刺激するため、便秘の予防にもつながります。
ビタミンB1
ビタミンB1は「代謝のビタミン」ともいわれる体内の糖質をエネルギーに変えるサポートをする栄養素です。食品を効率よくエネルギーに変える働きにより疲労回復につながり、飲酒後のアルコール代謝にも役立つでしょう。
ビタミンE
別名を「若返りビタミン」と呼ばれているのがビタミンEです。末梢血管を広げて血行や代謝を活発にする働きがあり、美肌にもいいとされています。
抗酸化作用も強く、老化の原因となる活性酸素の減少にもつながります。上記以外にも、代謝UPや肌に良いビタミンB群、必須脂肪酸のリノール酸など豊富な栄養を効率よく摂取できるでしょう。
とうもろこしの食物繊維の種類
食物繊維には、2つの種類があります。不溶性食物繊維と、水溶性食物繊維です。
どちらも食物繊維であるため、便の通りの改善に期待できる成分に他なりません。ですが、性質は大きく違っています。
前者が、消化されず腸まで届き便を押し出す働きにつながる一方、後者は潤滑油のようにゲル状になって作用するためです。そんな中、とうもろこしに含まれる食物繊維は、前者の不溶性食物繊維となります。
とうもろこしの皮や繊維は、かみ砕いても残る感じがするのではないでしょうか。あれは消化されず、排便されるまで形が残ります。
これにより得られるのが、便のかさまし効果です。不溶性食物繊維により便が膨らむと、その分腸壁が刺激されます。
腸の蠕動運動を活発化させる効果につなげられるのです。腸内環境を整えるのに最適な食物でしょう。
とうもろこしを便秘に活かすときの注意点
前述の情報をみると、不溶性食物繊維がとても効果的に感じられるでしょう。だからといって、とうもろこしを食べるとすべての便秘に効果的かといえば、そうでもありません。
便秘の種類によっては、むしろ苦しさを増してしまう可能性もでてきます。注意すべき便秘の種類、それはけいれん性便秘です。
基本的に、便秘は食事の乱れや筋力低下が影響しておこります。ですが、ストレスや緊張、睡眠不足といった、精神的な面から引き起こされるケースも存在しています。
これこそが、けいれん性便秘です。神経系の乱れから腸がけいれんを起こし、スムーズに便が運べなくなっている状態です。
そこへきて、腸壁に刺激を与えて活動を促す不溶性食物繊維は不向きといえます。刺激が余計な負担となり、よりいっそう便秘解消を送らせてしまうかもしれないためです。
とうもろこしは便秘解消に有効ですが、神経系の負担が原因になっていると感じる場合は、あまり理想的といえません。
不溶性食物繊維の不得意を水分補給でカバー
けいれん性便秘に不溶性食物繊維が適さない一方、もうひとつの水溶性食物繊維は効果的となります。ゲル状になった食物繊維が、便を穏やかに流そうとするためです。
とはいえ、だからといってかならずしも水溶性食物繊維を含む食事を用意しなければならないわけでもありません。水分摂取にこだわることで、同様に流動性を高めることにつなげられます。
毎日、1時間おきにコップ1杯ほどのペースで、しっかりとお水を摂りましょう。刺激がより穏やかな、軟水よりの低ミネラル水だとなお理想的です。
とうもろこしの不溶性食物繊維ではカバーできない流動性の面を、効果的に後押ししてくれるはずです。
とうもろこしは神経系の便秘以外に効果的
とうもろこしには、不溶性食物繊維が豊富に含まれています。便をかさましして排便を後押しする作用が期待できるため、便秘解消に役立てられるでしょう。
便秘時は腸の活動がにぶっているので、かさましされた便で腸壁を刺激することにより、機能を高めることにつなげられるためです。ですが、けいれん性便秘の場合は、むしろ刺激を避けた方が良いのであまり適しません。
水溶性食物繊維を多く摂る、もしくは水分摂取にこだわるなど、また別の角度から解消を促すべきでしょう。
とうもろこしのダイエット効果
とうもろこしは、カロリーが低めな上、粒々の食べ応えのある食感で満足感が得られやすく、食物繊維による便秘解消などの面からダイエットに適した野菜といえるでしょう。
カロリーを制限できる
ごはん軽く1杯分約100gのカロリーは168kcal、とうもろこし100gのカロリーは92gとされています。とうもろこしはごはんよりも低カロリーなので、ごはん替わりに食べると摂取カロリーを抑えることができるでしょう。
どちらも主な成分は炭水化物ですが、ごはんは糖質を約35.6g含んでいるのに対してとうもろこしは約13.8gと抑えめです。ダイエット中に控えたい糖質が少ないため、やせやすい食品と考えられています。
便秘解消ですっきり
とうもろこしには、1本に約7.8gもの不溶性食物繊維が含まれています。同量のごはんには、食物繊維が0.5gしか含まれていないため、とうもろこしの方が便秘解消に向いているといえます。
豊富な食物繊維が腸の蠕動運動を促すことで、気になるお腹の張りも改善されるでしょう。
(まとめ)とうもろこしの食物繊維は便秘解消に効果的なの?
とうもろこしの食物繊維は神経系の便秘以外の場合に効果が期待できます
とうもろこしは栄養価が高い食品で、さまざまな栄養成分が含まれています。便秘が気になる方におすすめの食物繊維も豊富に含まれているので、便秘を改善したいときに摂取すると効果が期待できるでしょう。
とうもろこしに含まれているのは不溶性食物繊維なので、腸内で膨らみ腸に刺激を与える働きがあります。ところが、神経系の乱れにより腸がけいれんを起こしているような場合には、腸への負担が大きくなって逆効果になる恐れもあります。
神経性の便秘の場合は、水分もしっかり摂取すれば改善できるでしょう。