白湯の飲み過ぎは消化器官に負荷をかけ、消化不良を招く場合があります
体に良いから毎朝白湯を飲んでいるという方も多いかもしれません。白湯を飲むと胃腸が温まるので消化が良くなる、便秘解消効果や美肌効果、デトックス効果が期待できるなど体にとってのメリットが多いとされています。
しかし、飲み過ぎると逆に体に負荷がかかり様々な不調が現れることがあります。では、一体白湯を飲み過ぎると体にはどのような不調が出るのでしょう。
白湯を飲む時の注意点や適切な量、白湯以外にも体に良いおすすめの飲み物なども詳しく紹介するので、参考にしてください。
目次
白湯の飲み過ぎは「消化器官へ負担」をかけることがあります
白湯は飲み過ぎるとかえって体に悪影響を及ぼす場合もあります。まずは、白湯の飲み過ぎが体にどう影響するかを見ていきましょう。
胃腸に負荷をかける場合も
白湯を飲むと胃腸が温まるため消化活動が活発になり、老廃物の排出が進みます。しかし、飲み過ぎると胃腸に多くの水分が取り込まれ、胃液が薄まって水分の吸収が追いつかなくなってしまいます。
そうなると腹痛が起こり、下痢になってしまうこともあるでしょう。白湯の飲み過ぎは消化器官に負荷をかけ、消化不良を招く場合もあります。
下痢により余分な水分だけではなく体内で必要な栄養素、電解室などが排出されてしまう可能性もあります。そうなると、めまいや頭痛、倦怠感などの脱水症状が生じる可能性もあるので注意が必要です。
むくみの原因となる
白湯は温かいので冷たい水よりは体への水分吸収率が高いとされています。白湯をたくさん飲むことで水分がどんどん体に取り込まれ、むくみの原因となることがあります。
体がむくむと太って見えてしまう、足の血流が滞って血栓ができるリスクがあるので気を付けましょう。
トイレが近くなり睡眠不足を招く
白湯に限らず水分を摂り過ぎると、体内で過剰となった水分は汗や尿として排出されます。そうなると、トイレに行く回数も必然的に増えてしまうことになるでしょう。
特に夕方や夜寝る前に白湯を飲み過ぎると夜中に尿意を覚えて何度も目が覚め、トイレに行くことになります。睡眠が途切れて熟睡できず、睡眠不足になってしまうこともあるので注意してください。
白湯を飲む上で「注意すべき症状・サイン」
白湯を飲むことでメリットは多いですが、逆にデメリットもあるので注意が必要です。体調を崩すことがないように、白湯を飲む時に注意しておきたい症状やサインなどを知っておきましょう。
めまいや頭痛、体のだるさを感じる
人が1日に必要な水分量は、約2.5リットルだとされています。水分は、汗や尿などの排泄物として排出される他に、呼吸によっても体内に消費されていきます。
必要な水分量の約1.3リットルは食事などから水分補給されますが、残りの約1.2リットルはお水などの飲料から摂取しなければなりません。しかし、必要量を大幅に超えて大量に摂取してしまうと、水中毒を起こすリスクがあります。
水中毒は、体内の塩分量が水で薄まって減ることで体に起こる不調のことです。めまいやむくみ、倦怠感、頭痛などが挙げられます。
症状が悪化すると、意識障害や呼吸困難になることもあるので十分注意しましょう。
胃腸に不快感がある
白湯を飲むと胃もたれがする、胃がムカムカして吐き気を感じる、胃痛がするといった症状が出る場合もあります。これは、空腹時に一気に大量の白湯を飲んだ時に起こりやすい症状です。
胃壁が白湯により急に強い刺激を受けると、一時的に胃腸に不快感を招くことがあります。
食欲がなくなる
ダイエット中の方などが食事量を減らそうとして、食事前に大量の白湯を飲むというケースもあります。確かに白湯でお腹が満たされるので、食べ過ぎを防ぐには良いかもしれません。
しかし、食事量が減ることで体に必要な栄養が摂取できず、栄養不足になる可能性があります。体力が低下して疲れやすい、疲れがとれにくいと感じるようになってしまうでしょう。
特に筋肉などの元となるたんぱく質が足りないと、基礎代謝が下がり、脂肪が燃焼しにくい体になるかもしれません。そうなるとダイエット中であっても逆になかなか体重が落ちなくなり、逆効果となってしまう恐れがあります。
白湯の「適切な摂取量」と「飲み過ぎを防ぐポイント」
白湯を飲む時は体調不良などを招かないように適切な摂取量を守り、飲み過ぎを防ぐことが大事です。まずは1日の適切な摂取量と飲み過ぎを防ぐポイントを知るところから始めましょう。
1日の白湯摂取量
白湯は、1日に約800ミリリットルまでが適切な摂取量とされています。つまり、コップに3~4杯くらいまでなら飲んでも体に問題はないということになります。
ただし、体調や持病によっては適切な量に個人差があるので注意が必要です。健康な方なら良いですが、高血圧症や腎臓病の方などは水分摂取量が医師によって指導されている場合があります。
医師の判断を仰いだ上で、体調に影響が出ない範囲で摂取する量を調節しましょう。
白湯を飲むタイミング
水分補給で白湯を飲むのは体にも良いのでおすすめです。しかし、飲むタイミングには注意してください。
寝起きに飲めば胃腸を温め、消化活動を活発化するのでお通じを促す作用が期待できます。また、運動や入浴前後など汗をかくタイミングで飲むのも効率的だと言えるでしょう。
ただし、寝る直前に飲むと夜中トイレに起きる回数が増え、睡眠不足になってしまいます。少なくとも寝る30分以上前までには飲むようにしてください。
飲む際は一気の飲むと、胃腸を刺激してお腹を壊す原因にもなります。ゆっくり1口ずつ時間をかけて飲むことをおすすめします。
食事量を抑え過ぎない飲み方を
食事前に白湯を飲むと、お腹がある程度膨れるので食べ過ぎを防ぐには効率的だと思うかもしれません。確かに白湯はダイエットや美容に良いという一面もあります。
しかし、飲む量を間違えると栄養不足になり、体調を崩しかねません。食事前に大量に摂取することはやめ、飲むのであれば小さめのコップ1杯までにしておきましょう。
そして栄養不足に陥らないように、バランス良く食事を摂ることが大事です。
「白湯以外の健康的な飲み物」も取り入れてみよう
白湯以外にも体に良いとされる飲み物がいくつかあります。おすすめの飲み物を紹介するので、白湯が苦手、違うものも取り入れたいという方は参考にしてみてください。
生姜湯
生姜の辛み成分であるショウガオールには血管を広げ、血流を促す作用があると言われています。飲むと体が温まるため、冷え性の方にもおすすめです。
また、体が温まると代謝が上がり脂肪が燃えやすくなるため、ダイエット中の方にも向いています。お湯にすりおろした生姜とはちみつを加えるだけと簡単に作ることができるので、習慣として取り入れやすいでしょう。
レモンティー
紅茶は緑茶を発酵させた茶葉を使っています。発酵茶の中でも発行度合いが高い紅茶は体を温める作用があると言われているので、冷え性の方にもおすすめです。
またレモンには解毒作用を行う肝臓の機能を高めるクエン酸が含まれるため、デトックス効果が期待できます。免疫力を高めるビタミンCも豊富に含まれるので、水分補給以外にも必要な栄養素を補給することができます。
温かい紅茶に輪切りのレモンをのせるかもしくは、レモン果汁を加えれば作れるので簡単です。ただし、砂糖は体を冷やす作用があるので、代わりにはちみつを加えると良いでしょう。
ルイボスティー
ルイボスティーには、スーパーオキシドジスムターゼという成分が含まれています。この成分にはシミやしわ、たるみなどのお肌のトラブルを抑え、肌細胞の新陳代謝を活性化させるなどの美肌効果が期待できます。
利尿作用のあるカリウムや血流を促すルチンも含まれており、体を温める作用がデトックス効果もあるとされています。
甘酒
甘酒には腸内で善玉菌となるこうじ菌と、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれています。甘酒を飲むと、善玉菌が増えて腸内環境が整います。
腸のぜん動運動が促されて便が押し出されやすくなるので、便秘解消に効果的です。また甘酒にはたんぱく質を作る必須アミノ酸やエネルギー生成を助けるビタミンB群などの栄養素も含まれているので、健康維持のためにも習慣として飲むには良い飲み物だと言えるでしょう。
(まとめ)白湯の飲み過ぎは危険?正しい摂取方法とは?
白湯を飲み過ぎると胃腸で水分の吸収が追いつかなくなり、消化機能が低下して下痢が起こる場合があります。他にもむくみの原因となったり、夜寝る前に飲むとトイレの回数が増え睡眠不足になったりすることもありえます。
白湯は1日にコップ3~4杯が適切な摂取量だとされています。飲むタイミングに気を付け、ゆっくり飲むようにしましょう。
白湯を飲むのが苦手な方もいるかもしれません。白湯以外だと、体を温める作用のある生姜湯や免疫を高めるレモンティー、デトックス効果のあるルイボスティーや便秘に良い甘酒なども健康を維持するのにおすすめです。