子供の水分補給量の目安は年齢ではなく、体重で計算しましょう

子供がいる家庭だと、水分補給の仕方で悩んでしまうかもしれません。喉の渇きを訴えることができない年齢の子供がいる場合や汗をよくかくシーンでは、親として子供の水分補給が心配になる人も多いでしょう。
この記事では、子供に必要となる1日の水分量の目安を紹介します。どんな場合に脱水に注意したらいいのか、どんな水分補給が適しているのかの情報もあわせて参考にしてください。
目次
子供が1日に必要な水分量は「体重1kg×100mlで計算」
気温の高い日は、子供が脱水になるのではないかと心配になり、つい水分補給をするように口うるさくなってしまうものです。子供は赤ちゃんと同様に代謝が高く、汗をかいているとなおさら脱水が気になるため、水分補給量で迷ったら次の目安を参考にしてください。
体重で水分摂取量を計算
子供が1日に必要とする水分量は、体重により計算することができます。幼児や小学生低学年くらいの年齢であれば、体重10~20kgに当てはまることが多いため、1,000mlに加えて、体重10kg以上で体重1kgあたり50mlが水分補給量の目安です。
体重が20kg以上の子供の場合は、1,500mlに加えて、体重20kg以上で1kgあたり20mlを目安にしてください。この水分量は、食物に含まれる水分を含んだ計算です。
たとえば体重15kgの幼児なら「1,000ml+(5kg×50ml)=1,250ml」が1日に必要となる水分量だと分かります。体重30kgの子供では「1,500ml+(10kg×20ml)=1,700mlが1日に必要になります。
水分摂取量は目安として
計算式に当てはめた水分摂取量は、食物を含んだ水分量で、その日の子供のコンディションによっても具体的に必要となる水分量は変わります。割り出した水分量はあくまでも目安と考えて、子供の様子を観察しながら調節するといいでしょう。
子供の体内の水分量は65~80%で大人よりも多い割合の水分が体にあります。しかし、体温調節機能が未熟で大人と同じくらい汗をかくため、1日に意外と多くの水分量を必要としています。
加えて、子供は喉の渇きを自覚して訴えることが難しく、気づいた時には脱水が進んでいる恐れもあるため注意してください。起床後、入浴後、就寝前など決まったタイミングで水分補給をするよう子供に伝えることで、脱水になる心配を少なくできます。
食事からは1日1リットルの水分を摂取していることが多いため、残りをお水などから摂取するようにしましょう。一度に飲む水分量は、コップ1杯が目安となります。
水分補給のタイミングは「こまめに・喉が渇く前」
喉が渇いてから水分補給をするとすでに体は脱水になっている恐れがあるため、こまめな水分補給がおすすめです。水分を摂取する具体的なタイミングを紹介します。
喉が渇く前に飲む
水分補給の基本は、喉が渇く前にお水などを飲むことです。しかし、子供の場合は喉が渇く前に水分補給を心がけるのは難しいことがあるため、日常生活の節目と結びつけてお水などを飲むよう保護者が促すといいでしょう。
おすすめのタイミング
1日の水分摂取でおすすめのタイミングは、起床時・食事やおやつ時・入浴前後・就寝前です。朝起きた時や入浴前などに、保護者が一緒に水分補給をすると、子供がお水を飲む習慣が少しずつできていきます。
また学校に通っている年齢の場合は、運動前と運動後も水分補給をするよう話しておきましょう。子供がお水を飲むタイミングに迷うようなら、授業前にお水を飲むよう伝えてみてください。
低学年であれば、先生のほうからも運動前や運動後に水分補給をするよう伝えてくれることが多いため、少しずつ水分補給の習慣がついていくはずです。
子供は脱水症になりやすい!「脱水症状のサインに注意」

そもそも子供はなぜ脱水になりやすいのか、その理由を紹介します。脱水症になったらどんな症状が出るのか、どんな対処法が必要なのかの知識を得ておくといいでしょう。
子供が脱水になりやすい理由
子供が大人より脱水になりやすい理由は、さまざまです。大人より子供は体内の水分割合が高いのに、出ていく水分も多くなっています。
まだ子供は体温調節機能が完全ではなく、汗以外にも皮膚呼吸で多くの水分を失います。また、腎臓機能の未発達である影響も受けており、体外に出る水分も多いため、子供は大人より脱水になりやすいので注意してください。
脱水になった時の症状
体が脱水になると、出ていく水分量が少なくなります。おしっこの量が減り、尿の色が濃くなり、唇や皮膚が乾燥してくるでしょう。
肌の水分量が少なくなると、目がくぼんできます。さらに脱水が進めば、子供の元気がなくなり、頭痛や吐き気など不快な症状の影響で機嫌が悪くなります。
体重が減ってくるようになると、かなり脱水症状が進んでいるため注意しなければいけません。子供がぼんやりして眠ることが多い時は脱水が進んでいる恐れがあるので、皮膚や尿の状態をチェックする必要があります。
脱水になった時の対処法
まだ自分で水分補給ができているなら、水分を摂らせながら様子を見ても大丈夫ですが、子供が水分を摂取できなくなったら、速やかに病院を受診しましょう。下痢や嘔吐が続いている時や、発熱がある時はとくに脱水症状が進みやすいため、注意してあげてください。
脱水が疑われる時は、水分と塩分の補給が必要です。市販の経口補水液などを飲ませると、水分補給に最適な電解質を摂取することができます。
気温が高く熱中症の心配がある時は、こまめに水分補給をさせてください。子供の場合は脱水になりやすいことから、季節によっては気温が高くなくても隠れ脱水になることもあるため、熱中症予防をする必要があります。
子供の水分補給には「お水」や「麦茶」がオススメ
子供が大人より脱水になりやすいと分かっても、何を飲ませたらいいのか迷ってしまうかもしれません。脱水症状を解消するための水分や、日常的に摂取したい飲み物を紹介します。
脱水があるなら経口補水液
汗をたくさんかいた時は、水分・塩分・ミネラルの電解質を摂取することが大切です。これらは汗と一緒に流れ出やすいため、スポーツドリンクを飲ませるのもいいでしょう。
ただし、普段の生活にスポーツドリンクを子供に飲ませるのはおすすめできません。スポーツドリンク500mlにはスティックシュガー5~10本分の砂糖が含まれており、飲みすぎれば肥満や虫歯の原因になるからです。
甘いものをたくさん飲めばお腹が空かなくなり、食べる量が減って栄養バランスが悪くなる心配もあります。子供が脱水になっているなら、スポーツドリンクより糖分が少ない経口補水液がおすすめです。
普段の生活はお水や麦茶がオススメ
普段の生活で子供におすすめの水分補給は、体に負担が少ないものです。カフェインが含まれているコーヒー牛乳・ココア・緑茶は、飲みすぎるとおしっこの量が増えてしまい、興奮して眠れなくなる恐れがあるため避けてください。
牛乳は消化に時間がかかることから、日常的な水分補給には向いていません。お水や麦茶ならカフェインの心配がなく、消化への負担もなく子供の日常的な水分補給におすすめです。
小学生だと学校に水筒を持参することがありますが、中身はお水か麦茶がいいでしょう。スポーツドリンクでもOKの学校もあるかもしれませんが、糖分が多いため運動で汗をかくシーン以外は避けることをおすすめします。
⇒ジュースが子供の水分補給に適しているのか解説した記事はこちら
(まとめ)子供の水分補給に必要な量は?
子供の水分補給量の目安は年齢ではなく、体重で計算しましょう
子供の水分補給量の目安は、体重が20kg以上であれば、体重1kgに対し100mlで計算してください。ただし、食事からの水分も含むことを忘れないようにしましょう。
また子供は大人より脱水になりやすいため、小さな子供の場合は親が意識して水分を摂らせる必要があります。水分補給を毎日の習慣にして、運動時や気温が高い時でも脱水にならないよう注意してください。