2021-06-30
Salad
蒸し暑さが増してくると、サッパリシャキシャキな生野菜が美味しい。しかし、高齢で歯も弱くなってきている母には、細かく刻んだり、柔らかめに茹でたりして出していた。その方が食べやすく、母には美味しく感じられるかなと思っていた。しかしある日、茹で過ぎだ細かすぎだと、クレームがついた。母曰く、色々な食感、色々な形があった方が、楽しく美味しいと。チガウからイロイロアルからタノシイ…。ん?似た言葉を最近よく耳にするような…? そうだ、LGBTを始め、差別無き社会を目指した取り組みだ。母の言葉を借りれば、この世は色も形も大きさも、弱さ強さもみんな違う生き物が、地球と言う大皿に盛られた彩り豊かなサラダのようではないかしら。さて7月、梅雨であり夏のようでもあり、雨が好きな方も夏が待ち遠しい方も、どうか体調に気をつけて、楽しいひと月を。
2021-06-24
Hujan
忘れられない雨の日の出来事がある。10年以上前、バリ島へ1週間ほど旅行した時の事。何度か訪れているバリは、毎回一緒に行く友人の、古くからのお友達だと言う現地の方がドライバーとなって下さるので、安心快適な旅となる。その出来事は、バリのどこへ行った帰りか忘れてしまったが、左右一面ライステラスが広がる、小型ワゴン一台がやっと通れる道を、夕暮れ時に走っていた時のこと。急に空が重たいグレーになり、蒸し暑い風が冷たくなり、遠くからは雷鳴が聞こえてきた。と思ったら、もう大粒の雨が降り出し、バケツどころか、湯船がひっくりかえったような激しさに。ライステラスは緑の川のように見える。いつでも、ダイジョウブネェと笑っているバリニーズの横顔が、今は険しい。片言の英語とあやふやな日本語の会話は途切れ、やたらとエアコンがきき過ぎて、そしてカーステレオから大音量で流れていたのは、彼がお気に入りだと言うサザンオールスターズだった。
Hujan(フジャン)は、インドネシア語で、雨。
2021-06-17
雨と揚げ
お豆腐屋さんの店先から、水に浸る白い豆腐を見ると、目から涼やかな気持ちになる。随分前、北鎌倉駅近くで大正時代から続く関本豆腐店へお豆腐を買いに行った時、油揚げが丁度揚がったところで、一枚をその場で食べさせて下さった。プクッと膨らんだお揚げさんはきつね色の表面がテラテラと光り、一口齧ると歯の間からシャクッと言う音と香ばしい香りが広がり、噛むごとに大豆の旨味が増していく。軽いのに弾力がある、その歯応えも美味しい。その後、自宅でお味噌汁に入れてみたら、汁のコクと旨味に再度感動し、これだけでご飯一膳食べられてしまいそうだった。 お豆腐作りには、良い水が欠かせないと聞く。空梅雨でなく、ほどほどに、恵の雨がありますように…。
2021-06-10
ワカメ、その先
海草がフィンにからまない…。長者ヶ崎のウインドサーファーの方が仰った。春先から5月くらいまでは頻繁に、フィンやリーシュコードに海草が絡んで、沈させられてしまう事が多々あるが、ここ最近はあまり無いなと。それだけ海草が減少している、と言うコト。更に、葉山の漁師さんが言うには、このままではあと数年で、ワカメ、アカモク、カジメ、ヒジキなどが、この辺りで全く採れなくなるだろう、それだけ深刻な状況だと、強い口調で語っていらした。海には海草があって当然、春にはワカメが採れて当然、ではなくなるなんて…。これからは、うち上がってカラカラになったワカメも、フィンにからまる海草も、愛おしく感じてしまいそうだ。海でも山でも川でも、豊かな緑が地球を支えているのだと思う。草の根ほどでも、自然を考えていきたい。6月は環境月間。